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アンサンブルの基本

※このページでさらっと曲のAパートやBパート、A1・A2・B1・B2などの用語が出てきますが、これは曲の構成のことです。

曲の構成がよくわからない場合は「曲の構成と長さ」のページをどうぞご覧ください!

アンサンブルの基本

大人数で楽しく弾くセッションとは別に、準備して人前で演奏する際のアンサンブルの基本を書きます。

1.よくある人数と組み合わせ

アンサンブルは2~3人で行うことが一般的です。

スウェーデン民族音楽は弦楽器が多いので(フィドル多数とニッケルハルパ少数、両方弦楽器)、弦楽器同士の組み合わせ(例:フィドル2人)や弦楽器2人に他の楽器が1人入る(例:ニッケルハルパ+フィドル+アコーディオン)といった組み合わせが一般的です。

他の楽器とは、例えば管楽器、打楽器、鍵盤楽器など。

ただし決まりは無いので、どの楽器の組み合わせでもOKです。

 

2.役割分担(パート分け)

役割分担という表現が合っているかどうかはわかりませんが、アンサンブルの際はパートのすみわけをします。

一般的なものとして、まず2人の場合は「メロディ1人+ハモリ1人」3人の場合は「メロディ1人+ハモリ1人+リズム1人」

これがまず基本的なアレンジのパート分けです。

(2人の場合に「メロディ+リズム」の時ももちろんあります。とりあえず私自身が「メロディ+ハモリ」の経験が多いので、こちらを軸に説明します)

 

ちなみにハモリと書きましたが、これはスウェーデン語で「andra stämma(アンドラ  ステンマ)」と言います。

「andra」は「第二の(second)」、「stämma」は意味が複数ありますがここでは「旋律(melody)」。

(「stämma」には、他にも「集会・集まり」といった意味や、動詞になると「チューニングをする」「合わせる」といった意味があります)

スウェーデンではよく略して「ステンマ」と言います。

 

3.ハモリ(ステンマ)の人の例

ハモリ(ステンマ)の人。「ハモリ」と書きましたが実際にやることは自由です。

基本の選択肢として、

①メロディの3度や5度上下で、もしくはオクターブ違いで動く(いわゆるハモリ、tersstämma)

②メロディとは全く別の、でもメロディを邪魔しないような独立した旋律を作って弾く(対旋律=motstämma)

ドローンとして1音を伸ばす(特に曲の冒頭部分で有効。神秘的な始まり方を演出できる)

メロディと一緒にユニゾンで弾くことで、お客さんの注意をメロディに引き戻す(例:曲を3周弾く場合の3周目のAパート1回目だけメロディを弾くと、良い感じのブレイクっぽくなる→A2以降はステンマに戻すと、クライマックスに盛り上げやすい)

これら①~④を適宜組み合わせるのが基本の形になります。全部を1曲に使う必要はありません。

奏者がどう弾いているのかを、お客さんが把握するまでは時差があります。なので、それぞれの部分をある程度の長さでもって組み合わせると良いです。

 

【組み立て例】

例1(2人で弾く場合):

1周目(AABB)ーメロディを一緒に弾く(④)

2周目(AABB)ーハモリ(①)

↑これは2人で弾く時の最も基本的なパターンです。ここに部分的に対旋律を入れたり、ハモリの音の高低を変えることで曲に変化を持たせます。2周やるか3周やるかは曲の長さと雰囲気次第。お客さんを飽きさせないように。

 

例2(3人で弾く場合):

1周目(AABB)ーメロディをメロディの人と一緒に弾く(④)

2周目(AABB)ーハモリ(①)

3周目ーA1はメロディ(④)、A2はオクターブ下がる(①)、B1・B2はハモリ(①)

 

例3(3人で弾く場合):

1周目ーA1・A2はドローン(③)、B1・B2はメロディ(④)

2周目ーハモリ(①)

3週目ーA1・A2は対旋律(②)、B1・B2はメロディよりも高音でハモリ(①)(→ステンマの人が高音で入ってくると雰囲気を変えることができる)

4.リズムの人の例

リズムと書きましが、スウェーデン語で「komp(コンプ)」と言います。「伴奏」という意味があります。

伴奏という言い方の是非は置いておいて、このリズム(コンプ)の人もやはり自由です。

【基本の選択肢】

和音や単音でリズムを作る(例えば4分で。もしくは4分と8分を組み合わせる。組み合わせ方は曲の雰囲気と曲のリズムの種類による。自分なりに自由に考える)

ドローン的に1音を伸ばす(これもステンマ同様、曲の冒頭でよくつかわれる。低音のドローン始まりからのメロディ、というのも良い。ひとしきり伸ばした後でリズムが入ることによって、一気に曲に勢いがつく)

メロディを一緒に弾く(楽器の種類にもよる。メロディとは違うタイプの音がメロディを弾くことによって曲に変化が出る。場合によってはメロディと一緒に弾くのではなく、ソロにした方が感じが引き立つ)

音数を減らす/休みを入れる(ブレイク。メロディを弾くのも良いけど、いっそのこと音を抜くことで曲が一気に引き締まる。例えばAパート1回分休むなど。リズムの人が休みを入れる場合は、休むパートの1音目までを弾いてから抜けるのがNiklas流。Niklasは留学先の先生でアレンジ大好きなベテラン)

 

【組み立て例】

例1(メロディ弾いている楽器と同じ種類の楽器(例えばニッケルハルパ)がリズムを作る場合):

1周目ードローン始まりの前奏(②)、AABBは単音でリズム(①)

2周目(AABB)ー音を重音にし、リズムも1周目より少し複雑/変則的にする(①)

3週目ーA1の1音目だけ弾いて、A1・A2は抜ける(④)、B1・B2は2周目と同じリズムで(①)

 

例2(メロディを弾いている楽器と違う種類の楽器(例えばアコーディオン)がリズムを作る場合):

1周目(AABB)-基本的なリズム(①)

2周目(AABB)ーコードを変える、もしくはリズムや旋律を変える(①)、局所局所でメロディを入れてみる(③)

3週目ーA1・A2でメロディを取る(③、メロディの人は休み)、B1・B2はまたリズムに戻る

リズムの場合は、私自身がニッケルハルパでしか弾いたことながないので、どうしてもハルパでできることしか思い浮かびません。

他の楽器の人がやったらもっと色々細かく入れられるかもしれませんし、動きももっと自由にできるんだろうなと思います。

↑どういうことかというと、例えば「ニッケルハルパ3人」といった同じ/似た楽器同士ですみわけしようと思うと、結構別々な動きをはっきりとやらないといけない時もあるので、動きが限定されるんです(例えばリズムの人がメロディを弾いても、それは単にメロディと同じことをやっている(=リズムが休み)だけになってしまうので、変化を出したいなら音域を変えたりしないといけない)。でも楽器の性質(音の高低や音色)が違う者同士だと、同じことをやっても音域と音色で変化も出るし動きの違いもわかりやすいので、やれることも多いかなとも思うんです。その辺は楽器によりますよね。

 

5.役割分担のチェンジ

役割(パート)をチェンジするのもやります。

例えば1・2周目では私がメロディをやったけど、3周目では私がハモるね、など。

その辺は入れ替え自由です。

ハモリのセンスは人によっても方向性が違うので、役割を入れ替えることでおもしろくなったりもします。

また、曲のパーツを入れ替えたり回数を変えたり(Bだけ4回やったり)するのも全然ありです。私も留学先でよくやりました。

 

アンサンブルとアレンジに関して

1.自由に

アレンジもアンサンブルも、守らなければいけないルールはなく、自由です。

アンサンブルの持っていき方も自由。楽器の組み合わせも自由。どうするかは全部本人達次第。

がっつり決め決めでやる人もいれば、役割分担(パート分け)だけしてあとは個人の自由でいきなり合わせてみるやり方の人もいます(こちらの方が多いです)。役割分担すらも本番でその場で即興でやる人達もいます。

もともとソロでも成立する音楽なので、アンサンブルは自由に楽しくやってもらいたいな思います。

2.遊べ

アンサンブルでは遊びが大事です。

自由に、よく遊ぶこと。

正解を探すより、柔軟な発想で遊びがある音楽の方がずっと楽しいです。

遊びを入れて自分自身や相方を楽しませることができたら、お客さんもつられて楽しくなります。

 

「そんなの邪道だ」と言われるのが怖い時は、私は演奏を楽しみにしているお客さんのことを想像します。

私が好きなスウェーデン民族音楽(北欧音楽)の世界では、いつも奏者自身が子どものように楽しんでいる、そんな姿が常に存在しています。

 

3.単純なアレンジの良さ

アレンジって慣れないうちはハードルが高いかもしれませんが、単純なアレンジで聴かせるのってすごく良いです。

ハードルが高いなら、まずはドローンや簡単なハモリから始めてみてください。

すごく良いですから。

 

4.基本の形は役立つ

いずれにせよ、このページに書いたような基本のパターンを身につけておくと、良いです。役立ちます。

即興ですぐにアンサンブルが作れます。色々な曲に使えます。応用も効きます。

ぜひ活用してください。

 


自由なアレンジで、アンサンブルもぜひお楽しみください!

 

(下の写真は私が留学先のコンサートの時に書いたアレンジ表です。ボロボロの裏紙に書いて、コピーして皆に配ったものです)

2020年9月