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4.「共鳴弦」

「共鳴弦」

ここからは、ニッケルハルパの構造として特徴的な点をご紹介していきます。

まずは「共鳴弦(きょうめいげん)」。

ニッケルハルパを語る上で、この共鳴弦の存在は欠かせません。

2020年4月執筆

共鳴弦とは?

「共鳴弦」(きょうめいげん)

…スウェーデン語で「Resonanssträng(レソナンス・ストレング)」。

 共鳴弦とは、「特定の音を弾いた際に、触れていないにも関わらず共鳴し振幅する弦」のことです。

 

と、一言で言われても何のことかいまいちピンときませんね。

具体的にご説明していきます。

 

共鳴弦ってどれ?

まず、共鳴弦って一体どの弦のことなのでしょうか。

先ほどの「メロディ弦」の項目をお読みの方は、お気づきかもしれません。

写真で確認してみましょう。

共鳴弦の位置

楽器を真横から見た構図にしてみました。

写真の黄色い部分が共鳴弦です。

 

そうです。あの「弾かない12本の弦」です。

 

共鳴弦は弓で弾かない

共鳴弦は弓で弾きません。

そもそも弾いている間に弓で触れてしまうことのないように、駒(写真中央の木の板)の部分でもメロディ弦よりも深い溝にはめられています。

つまり、メロディ弦よりも「低い」位置にあります。

(↓溝の部分がよく見えるように、加工前の写真もこちらに載せておきます↓)

加工前の写真

 

共鳴弦のチューニング

ここで共鳴弦のチューニングも見てみましょう。

共鳴弦もメロディ弦同様に、一本の弦が一つの音でチューニングされています。

 

私の楽器の共鳴弦は、一番低い音の弦が低い「G#(ソ#)」の音でチューニングされています。

そして次の弦が「A(ラ)」の音、その次の弦が「B♭(シ♭)」の音、そのまた次が「B(シ)」…というように、半音ずつ順番に上がっていくようになっています。

そのように上がっていって、一番高い音の共鳴弦は高い「G(ソ)」の音で終わるようになっています。

 

つまりニッケルハルパの共鳴弦は、1オクターブ「ドレミファソラシ」に半音を加えた分、

「ド、ド#、レ、ミ♭、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、シ♭、シ」

の12音全てに対応しているため、全部で12本あるのです。

(共鳴弦の音の始まりは「ド」からではありませんが、わかりやすく「ド」から書いています)

 

共鳴弦は弓で弾けないので、チューニングする時には指ではじいて音を出します。

チューニングしている時の様子

(チューニングの様子)

※私の楽器の一番低い音の共鳴弦は「G#(ソ#)」ですが、「G(ソ)」の音から始める楽器もあります。

※私の楽器の共鳴弦は半音ずつ順番に並んでいますが、バラバラに並んでいる楽器もあります。

 

共鳴弦の役割

と、ここまで説明してきましたが、

「“弾かない弦”って、そもそも何のためにあるの?」とお思いの方もいらっしゃると思います。

 

ここが共鳴弦のすごいところです。

共鳴弦はその名の通り「共鳴する弦」です。

チューニングをしたうえで、メロディ弦(弓で弾く弦)で例えば「A(ラ)」の音を弾くと、

触れていないのに、「A(ラ)のチューニングがされている共鳴弦」が響いて振幅するのです!

 

↓これは目で見ても確認することができますので、A(ラ)の音を弾いている様子を見てみましょう↓

私がA(ラ)の音を弾いている間、共鳴弦の上から2本目(メロディ弦も含めると上から3本目)の弦が振幅しているのが見えますでしょうか?

(この動画は無音にしてありますので、移動中でも見られます)

 

また、メロディ弦で音を弾き終わっても、共鳴弦の働きにより教会で弾いているかのように音の残響も残ります

上の動画と同じものを、音有りでご用意しました↓

良いマイクではないのでわかりにくいですが、それでも「うわーん」という残響が聞こえます。※音が出ます

もしも共鳴弦やメロディ弦のチューニングがずれていると、共鳴しません。音も響きません。

この共鳴弦のおかげで、ニッケルハルパはその独特の響きのある音を出すことができるのです。

 

※ニッケルハルパの響きは、楽器によって、また奏者の演奏スタイルによって変わってきます。

私は、スウェーデンらしい奏法(音色)の特徴として「パリっとはっきりした音の輪郭」と「ふわっと広がる響き」が印象的だと感じていて、

この「ふわっと広がる響き」は共鳴弦ならではの音色だと思っています。

 

※共鳴弦のついている楽器は他にも色々存在します。

楽器によって弦の本数や対応する音は違うようです。ぜひ調べてみてください。

共鳴弦の仕組みについて、おわかり頂けましたでしょうか?

こんな風に「共鳴するためだけの弦」が世の中に存在するだなんて、私はニッケルハルパを始めるまで知りませんでした。

(実は、始めた頃もしばらくは軽視していました。すみません)

「弾いていなくても響く」ってすごいなと思っています。

 

奥深いニッケルハルパの世界、次の記事では「キー」について解説していきます。

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