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3.「共鳴弦」

「共鳴弦」

2020年4月執筆、2023年7月更新

共鳴弦とは?

「共鳴弦」(きょうめいげん)

 共鳴弦とは、「特定の音を弾いた際に、触れていないにも関わらず共鳴し振幅する弦」のことです。

と、言葉で言ってもよくわからないので、具体的にご説明していきます。

 

共鳴弦ってどれ?

まず、共鳴弦とはどの弦のことでしょうか。

共鳴弦の位置

写真の黄色い部分が共鳴弦です。

別のページでも書いていますが、「演奏弦(メロディ弦)にはさまれている、弓で弾かない12本の弦」です。

 

共鳴弦は弓で弾かない

共鳴弦は弓で弾きません。

そもそも弾いている間に弓で触れてしまうことのないように、駒(写真中央の木の板)の部分でも演奏弦よりも深い溝にはめられています。

つまり、演奏弦よりも「低い」位置にあります。

加工前の写真

 

共鳴弦のチューニング

共鳴弦も演奏弦同様に、一本の弦が一つの音でチューニングされています。

 

たとえば一般的な方法としては、一番低い音の共鳴弦が低い「G#(ソ#)」や「G(ソ)」の音でチューニングされていることが多いです。

そして次の弦が「A(ラ)」の音、その次の弦が「B♭(シ♭)」の音、そのまた次が「B(シ)」…というように、半音ずつ順番に上がっていくようになっています。

そのように上がっていって、一番高い音の共鳴弦は高い「G(ソ)」や「F♯(ファ♯)」の音で終わるようになっています。

 

つまりニッケルハルパの共鳴弦は、1オクターブ「ドレミファソラシ」に半音を加えた分、

「ド、ド#、レ、ミ♭、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、シ♭、シ」

の12音全てに対応していて、全部で12本あるのです。

(共鳴弦の音の始まりは「ド」からではありませんが、わかりやすく「ド」から書いています)

 

共鳴弦は弓で弾けないので、チューニングする時には指ではじいて音を出します。

 

※共鳴弦のチューニングは人や楽器によって様々で、さらに「半音ずつ上がる」という仕組みではない楽器もあります。(並びが意図的にバラバラにしてあるものなど)

共鳴弦のチューニングの並びに関しては、私も少しずつ変えて試しているところがありますので、記載している内容を少し訂正しました。(2023年7月)

 

共鳴弦の役割

と、ここまで説明してきましたが、

「“弾かない弦”って、そもそも何のためにあるの?」とお思いの方もいらっしゃると思います。

 

共鳴弦はその名の通り「共鳴する弦」です。

例えばチューニングをしたうえで、演奏弦(弓で弾く弦)で例えば「A(ラ)」の音を弾くと、

触れていないのに、「A(ラ)のチューニングがされている共鳴弦」が響いて振幅するのです。

 

↓これは目視でも確認することができますので、A(ラ)の音を弾いている様子をご覧ください↓

私がA(ラ)の音を弾いている間、共鳴弦の上から2本目(演奏弦も含めると上から3本目)の弦が振幅している(ぼやける)のが見えますでしょうか?

(この動画は無音にしてあります)

 

また、演奏弦で音を弾き終わっても、共鳴弦の働きにより教会で弾いているかのように音の残響も残ります

上の動画と同じものを、音有りで用意しました。

良いマイクではないのでわかりにくいですが、それでも「うわーん」という残響が聞こえます。※音が出ます

もしも共鳴弦や演奏弦のチューニングがずれていると、共鳴しません。音も響きません。

この共鳴弦のおかげで、ニッケルハルパはその独特の響きのある音を出すことができます。

 

ここまでが、共鳴弦についてです。

共鳴弦の仕組み、少しおわかりいただけましたでしょうか。

次のページでは「キー」について解説していきます。