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スウェーデンの伝統音楽奏者紹介:クラリネット奏者Albin Myrin

/ ニッケルハルパ奏者

スウェーデンの若い伝統音楽奏者を紹介します。

クラリネット奏者のAlbin Myrinです。

クラリネットと北欧の伝統音楽

Albinを紹介する前に、クラリネットと北欧の伝統音楽について、少し書きます。

「クラリネット」と「北欧の伝統音楽」というのが、結びつかない方もいらっしゃるかもしれません。

日本でも、北欧の伝統音楽というと、耳にするのはフィドル、ニッケルハルパ、ハーディングフェーレ、そして北欧の笛など。

クラリネットというと、クラシックや吹奏楽、マーチング、ジャズのイメージがあるかもしれません。

しかし、伝統音楽の歴史を紐解いてみると、クラリネットの奏者もたくさんいます

伝統曲の中には「クラリネット奏者の誰々が伝えた曲」と言われている曲もたくさんあります。

たとえば、私も留学先で習った曲「Gumman som vågade mot Näcken」(リンク先はYouTube音源)を伝えたのはクラリネット奏者であったりとか、

無印良品のCDに収録されている曲の伝承者「Jon Erik Schedin(Tärnsjö出身)」もクラリネット奏者だそうです。

他にも、ニッケルハルパ奏者Olov Johanssonの師「Curt Tallroth」という人は、ニッケルハルパ・フィドル・ギターに加えてクラリネットも演奏していました。音源例はこちら

(リンク先はすべてYouTubeの公式音源です)

Albin Myrin

そんな、現代のクラリネット奏者の一人が、Albin Myrinです。

Albin(アルビン)は、私が2018~2019年にToboのESI(学校)に留学していた時に、演奏コース(ニッケルハルパ)のクラスメイトでした。

彼はニッケルハルパを弾くんです。ちなみにフィドルも弾きます。

しかし、本命はクラリネットです。

「クラリネットで伝統音楽を演奏するのが大好き」という人でした。

Albinの部屋からはいつもクラリネットの演奏(やニッケルハルパやフィドル)と、足踏みのドンドン!という音が聴こえてきていました。

ESI卒業後はストックホルムの王立音大(KMH)にすすみ、昨年卒業しました。

Västanvinden(トリオ)

こちらは、音大在学中に結成されたトリオVästanvinden(ヴェスタンヴィンデン。「西の風」というような意味)による演奏です。

のどかな雰囲気のアレンジと演奏。

それぞれの楽器の音色がよく活かされていて、とても良いなと思います。

Västanvinden名義では、アルバムとシングルがそれぞれ1枚ずつ出ています。

  • Västanvinden(アルバム)2021
  • Polska efter Bengt Bixo(シングル)2021

Västanvindenの他の演奏はこちらからどうぞ→VästanvindenのYouTubeチャンネルアルバム曲とシングル曲が聴ける公式トピックチャンネル

ノルウェーのLomという地域の曲が特に好き

Albinはスウェーデンの人ですが、「ノルウェーの(どこかの地域の)曲が特に好きなんだ」と、ESIの頃からいつも熱心に語っていました。

その地域名、私はいつも覚えられなかったのですが(すみません)、このファーストアルバムを見て「どうやら『Lom』という地域みたいだな」と、やっとわかりました。

こちらが、Albin Myrinによるソロ名義のファーストアルバム。タイトルは「Lomに伝わる10のスプリングレーク」(2022)です。

スプリングレークというのは、ノルウェーで伝わる曲/ダンスの種類です。

こちらのアルバムに入っている曲を実際に演奏している動画はこちらです。

フルート奏者のDaniela Söderlundと一緒に演奏している様子です。

一緒に演奏している空気感、密度、2人の音の世界にひきこまれるような感じがとても良いと思います。

演奏動画を見てから同じ曲を聴くと、曲がより聴きやすく感じるかもしれません。動画と同じ曲です↓

こちらのアルバムでは、ソロの演奏を中心に、こうしたデュオなど、他の奏者との演奏も収録されています。

クラリネットの細やかなニュアンスの移り変わりが繊細に表現されていて、曲の良さと奏者の良さがともに引き出されているアルバムだと思います。

ノルウェーというと、「ハーディングフェーレ」(ノルウェーの弦楽器)で演奏される曲のイメージがありますが、こういった曲や演奏もあるんだな、と私も新鮮な気持ちで聴いています。

伝統音楽

私の印象ですが、音大出身の若い奏者の方は、伝統音楽と他のジャンルの音楽を色々混ぜてアレンジされている方が多い印象です。

音楽も、攻めた感じの音楽や、現代的な雰囲気の音楽が多いイメージでしたが、

Albinは、以前も今も変わらず伝統音楽寄りというか。

アレンジは加えつつも、素朴に、楽器の音で、伝統曲を演奏しよう、という感じがするなと今も思います。

こちらはフィドル奏者のIngrid Rodebjerとのデュオ演奏です。

お二人の動画のチャンネルはこちら→Rodebjer & Myrin公式チャンネル

今後も色々と活躍される奏者だと思うので、Albinのクラリネットの音で、様々な伝統音楽が聴けるのを私も楽しみにしています。

参考にリンクを貼っておきます。


以上、北欧伝統音楽のクラリネット奏者Albin Myrinを紹介しました。

クラリネットで演奏される伝統音楽の演奏も、ぜひ聴いてみてください。

お読みいただき、ありがとうございました。