ニッケルハルパは特にそうですが、楽器を首のあたりからぶら下げている分、弾いていると肩こりや首こりに悩む方も多いのではないでしょうか。
私もずっと悩んできました。
また、楽器を弾いている・いないに関わらず、PC作業や家事などで肩こりがある方も多いと思います。
私は学生の頃から慢性的に肩こりがあったのですが、改善したいとは思いながらも、なかば諦めていました。26歳の時にニッケルハルパを弾くようになってから、痛いと弾きにくいことが判明し、弾き続けるためにはどうしても肩こりを改善しなければと思うようになりました。
というわけで、私がやってみて効果があると思った体操を一つご紹介します。
肩の上げ下げ
その体操というのは、肩の上げ下げです。腕は身体の横にだらんとたらしたまま、肩を上げ下げします。
本当に、いわゆるただの「肩の上げ下げ」です。
なんだ普通じゃん、と思われたかもしれませんが、やり方にコツがあります。
①首に力が入らないようにする(肩を上げても下げても首は楽な状態のまま。特に、肩を上げた時に、首をすくめない)
②上げ下げはゆっくりと、スムーズに動くように心がける(結果的にスムーズに動かなくても良いので、心がける)
もしできれば、③深呼吸しながらやる。ただし、深呼吸と肩の動きのリズムは合わせない
これは、人から聞いた情報をもとに、私が勝手に考えました。
理由を説明します。
肩/首/肋骨 それぞれの動きを区別する
私のように肩がこっている人の場合、肩の上げ下げをしているつもりが、首に力が入ってしまっていたり、背骨がつられて動いていたり、肋骨周りの筋肉も緊張させて硬くなっていたりします。
肩の上げ下げをした時に、「うわー、きつい。疲れる」と思った場合は、もしかしたら過剰に、肩の上げ下げに必要のない筋肉を使っているかもしれません。その場合、肩の上げ下げをしているつもりが、実際は別の動作(首をすくめる、背骨の屈伸、肋骨のあたりを縮こませる)をしていたりするので、肩の上げ下げ(肩鎖関節の動き)自体はあまりうまくできていない可能性があります。
また、周辺の筋肉が全体的にこっているので、筋肉どうしお互いに引っ張り合ってスムーズに動けなくて、過剰に力を使っている気がします。私はそうでした。
そもそも肩の上げ下げをする時に、首を緊張させる必要はありませんし、背骨を動かす必要もありませんし、肋骨まわりを固める必要もありません。
そうすることが癖になっているだけです。
肩の上げ下げと、首の緊張、背骨の動き、肋骨の緊張等の動きをそれぞれ区別させると良いかなと思ったので、上記①~③のコツを加えました。
ちなみに③は、「肩の上げ下げ」と「呼吸(肋骨の動き)」をそれぞれ区別できるように、と思って加えたものです。肩の上げ下げをしている間、息が浅くなってしまうことがあるので、深呼吸をして、かつ深呼吸のリズムと肩の上げ下げのリズムを変えることで、肋骨の動きと肩の動きが区別しやすくなるように、と思いました。
うまくできるようになると、楽にできるようになる
こっている人ほど、最初は難しいと思うのですが、やっているうちになんとなく感覚がつかめてくると思います。
また、感覚がつかめなくても、コツを意識してやってみるだけで、少しずつ肩や首や胸、背中のあたりが楽になり、すっきりしてくると思います。肩回りの筋肉が良い感じにゆるんできて、必要な時にしっかり使えるようになってきます。
うまくできるようになると、あまり力は使わずに、本当に楽にできるようになります。
ちなみに私は肩を下げる動作が特に苦手で、左肩後ろのスジみたいなのが少しごりっという感じになるのと、下げる時に動作が全体的にがたがたしていました。今もまだ微妙です。
また、難しい場合は両肩ではなく、片方ずつやるといいです。
ただ闇雲に肩周辺にぐっと力を入れてやるのと、上記のコツをふまえたうえでリラックスしてやるのとでは、力の入り具合がかなり変わってきます。
ちょっとした時間に、リラックスしてやってみてください。
普段の姿勢や動きも良くなり、楽器も上達する
身体のことに関しては、私は人から教わって学んできたのですが、身体の使い方が変わると普段の姿勢もとても楽になるし、楽器の演奏技術も上達します。
私は、つらい体勢で楽器を弾くのがとても嫌で、少しでも痛かったりすると、改善しようと執念深く考えるタイプです。
楽器を弾いている時の身体を改善したいなら、楽器を弾いていない時に身体を意識すると良いと聞いたので、楽器を弾いていない時に、なるべく身体の動きを意識するようにしています。
(これは、楽器を弾いている時間よりも弾いていない時間の方が長いので、弾いていない時に意識した方が効果が出やすいのと、楽器を弾いている時に身体のことを意識するよりも、日常生活の動作の方が意識するのが簡単な場合が多いからです)
肩こり・首こりは、できればなくしたいですよね。楽しく弾くために、もしよければぜひ試してみてください。