レソノサウンドのニッケルハルパ教室で年2回ほど行っている「ニッケルハルパ楽会」というイベント(生徒さん同士の交流・発表の場)があります。
近々行われる予定で、今回はニッケルハルパだけではなくて、北欧の笛教室と合同での会になるそうです。
知らない人との交流や、ましてや楽器の発表となると、多くの場合「緊張」しますよね。
ということで、今回は私なりに思う「緊張への対策」について書いてみます。
私の経験がもとになっているので、他の人にも有効かどうかわかりませんが、参考になりましたら嬉しいです。
自分が緊張している時の様子を考えてみる-客観的になる
緊張は誰でも経験すると思いますが、特に「緊張しやすい状況」というのが誰にでもあります。
たとえば、このような感じでしょうか。(楽器に限らず、趣味でも仕事でもどんな状況でも良いです)
- たくさんの人に見られている状況
- しーんとしている状況
- 自分の一挙手一投足に注目が集まっている状況
- 成果が求められている状況
- 厳しい視線にさらされている状況
- 審査されている/試されている状況
- 間違いがゆるされない状況
- 敵(仲の悪い人・苦手な人・マウントをとってくる人)ばかりの状況
このような状況というのは、場合によっては自分にはかなり不利だったり、厳しいものだと思いますが、こういう「状況」自体は自分では変えられないことが多いです。
ではどうすれば良いのか?ですが、そんな「緊張しやすい状況」の時に「自分がどんなことを考えているのか」を意識してみると良いのでは、と思いました。
たとえば、このようなことを考えがちかなと思います。
- やばいやばいやばい
- 見られている
- どうしよう
- 上手くやらなくちゃ
- 緊張しているのがばれないようにしよう/もうばれてるかも
- 震えよ止まれ
- なんでこんなに緊張しちゃってるんだ
- どうして普段通りできないの?
書きだすだけで緊張してきそうですが。
人によって考えることは違うかもしれませんが、だいたい同じようなことを考えている人が多いのではないかな、と私は思っています。
どうでしょうか。
自分が普段考えがちなことや、自分の状況に対する無意識のリアクションなど、書きだしたり思い浮かべてみると、結構「へえ~」と思えて、緊張について少し客観的に見られると思います。
いつも同じパターンだな、とか。
まずはこうして、客観的な視点を持ってみてください。
「緊張なんてしません」と言う人は、よっぽど場慣れしている人(化け物)だけなので、たいていの人は皆、同じように緊張します。
自分だけではありませんので、安心して、緊張について考えてみてください。
思考のパターンに気づく-今の自分・今の状況をダメだと思っている
緊張している時の自分の「思考」を眺めてみて、私自身は1つ、思うことがありました。
それは、どれも「今の自分や、この状況を『ダメだ』と見ている」ということです。
- 緊張している自分をダメと思う。
- 普段通りでない自分をダメだと思う。
- ダメだと思うから、「もっと上手くやらなくちゃ」と思って余計に緊張する・焦る。
反対に、同じような状況であっても、「自分なら大丈夫だ」と自分で思えたり、安心・信頼できる人(「この人がいればとりあえず大丈夫」と自分が思っている人、困った時に自分が頼れる人、責任を持ってくれる上司など)がそばにいて、「少なくともこの人に任せておけば大丈夫だ」と思えていると、自分も落ち着いて行動できることがわかりました。
つまり、私の場合、こうです。
- 今の自分や状況を「やばい」「まずい」「ダメだ」と思う・どうにかしなくちゃと思う→緊張する
- 今の自分や状況に安心している・余裕を持っている・なんとかなると思う→緊張がほぐれる
今の自分や今自分が置かれている状況を「ダメだ」と思っていると緊張し、今の自分や状況に安心して、自信や余裕を持っていれば、緊張しない、もしくは緊張がほぐれるのです。
この気づきをもとに、普段から自分が「緊張対策」としてできること、というのを考えてみました。
緊張してもしなくてもいい
ここで一旦ちょっと違う話をします。すみません。
緊張についてですが、そもそも私は緊張することが悪いとは思っていません。
ただ、「緊張しなくても良い場面で緊張して、本人の良さが出ずに終わってしまうのはもったいないし、本人にとってもとても悔しいことだ」というのをよくわかっているので、「どうせなら、緊張せずに普通に実力を出せたら良いよね」とは思っています。
あと、緊張も結局は本人のパーソナリティ(気質)や場慣れ(経験)も関係してくるので、緊張しない人はすごいとか、緊張する人はすごくないという問題ではなく、「たまたま」の要素も大きいと思います。
緊張している人の方が、真剣さが伝わる時もあるし、それが逆に良い効果になる時もあるかもしれません。
なので、緊張するにしてもしないにしても、「たまたまなんだ」ぐらいの気持ちでいると良いのかなと思っています。
緊張してもしなくても、最終的にはどちらでも良いのです。
普段の思考を変える-今の自分に安心する・自分を信頼する
さて、話を戻しますが、「今の自分や状況に安心していれば緊張がほぐれる」のだとすれば、それをやったら良いのです。
ではどうやってやるのか?ですが、
「普段から、今の自分や状況に安心し続ける・OKを出し続ける」ことをすれば良いと私は思います。
普段から自分にダメ出しするのが癖になっていると、おそらく本番でもその癖が出てしまいます。
自分の状態や行動に対して、「あれもダメ、これもダメ」と無意識に思っている感じです。
すると視野がどんどん狭まっていって、本来ならできることも、できなくなっていきます。
もしも、やることなすこと他人から「あ、ダメ」「それダメだよ」「あー、もう全然ダメ」と言われ続けたら、自信をなくすし、どうしたら良いかわからなくなりますよね?
それを、他人ではなくて自分が自分に心の中でしているとしたら、とてもつらいし、ただでさえ本番中の舞い上がった状態で、どんどん冷静でなくなっていくかもしれません。
(自分にダメ出しをする人は、本当に自分のことをダメだと思っているというよりは、「本当は自分ならもっとできるはず」という自分への期待があるからダメ出しをするわけですが。この場合、「自分ならできるよ」と自分を信じる気持ちを強く持たない限りは、かえって逆効果になってしまいます)
自分で自分に対して寛容になるのは、とても難しいことです。
ましてや、緊張しやすい場面でだけそれをやろうとしても、無理です。
だから、普段の思考を変えるのです。
普段から、今の自分にOKを出し、今の自分を信頼するようにします。
もっとできる自分、もっと上手くなった自分を相手に見せようと思うのではなく、もう今の自分のまま、そのままでポーン!と大海に飛び込むんです。
やってみるととても難しいと思います。勇気もいりますが、やると心地よさが残ります。
「今の自分にOKを出したら成長できなくなる」と心配する人もいるかもしれませんが、今の自分にOKを出しても、成長することはできます。
むしろその方が、より速いスピードで成長できると私は思っています。なぜなら、ありのままの自分でチャレンジする勇気が出るからです。
チャレンジなくして成功はありません。
これは本当に、だまされたと思ってぜひやってみてください。
なんなら「『今の自分ではダメだ』と思っている今の自分ごと」、OKを出し、これで全部大丈夫なんだ、と思ってみてください。
普段から自分を信頼する練習をしておくことで、いざ緊張するような場面でも、その癖と思考回路が自分を助けてくれます。
以上、私なりに考える「緊張への対策」について書きました。
ぜひ試してみていただけたらと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。