昨日のブログで、久しぶりに自分の過去の動画を見ました。
演奏中のイメージの仕方を変える & 新しい動画「Pintorpafrun」
当時自分が頑張っていたこと、それらに対して今思うことなどが頭に浮かびました。
今回は、過去の動画を見返して「今の自分が過去の自分に演奏のアドバイスをするとしたら、どんなことを言うだろうか?」という視点で、書いていきます。
他人の改善点は、見ていてわかりやすいと思うので、私の例をぜひ参考にしていただければと思います。
また、記事の最後に、同じ曲を弾いた最近の動画も2つ載せています。ご覧いただけましたら嬉しいです。
動画
まず、過去の動画です。
他の人に撮っていただいたものはまだ良いのですが、自分で撮ったものは見返すのに勇気がいります。
なので、あえて自分で撮ったものの方を載せたいと思います。
Djävulspolska från Flen(フレーンで伝わる悪魔のポルスカ)です。
Ditte Anderssonに教わった曲で、大好きな曲の一つです。
この曲は、Ditteの演奏がすごく良くて、好きです。
動画を撮った時のこと
さて、当時のことをまずは少し書きます。
この動画だけでなく、当時、動画を撮るにあたりいつも意識していたのは、こちらです。
- 画面に入りきるかどうか、カメラの位置・角度
- 屋外で騒音が無いかどうか
- カメラに良い感じで映る角度や立ち位置の調整
と、これだけならいいのですが、加えてこのようなことも意識していました。
- 左肩があがっている(痛い)ことがわからないように撮る
- 癖で、弓がいつもキーボックス側にいってしまうので、動画の間だけは踏ん張って、弓が真ん中を通るように意識する
- 姿勢が良く見えるような角度で撮る(首が前に出ているのがわからないように撮る)
- わざとらしくない程度のカメラ目線
- わざとらしくない程度の笑顔
- 自然体を装う
- 動画でうまく聴こえそうな感じに撮る
とにかく色々頑張っていた、という感じなのですが、頑張る方向性が自分でもよくわからなくなってもいました。
動画を撮って見返すことで、結果的に演奏が良くなるのならいいのですが、当時は「動画映り」を気にしてしまっている面も強かったと思います。
動画を見ての感想(特に気になるところ3つ)
今、動画を見返してみて、思う所は色々あるのですが、特に気になるものとして私が選んだのは以下の3つです。
- テンポが速い
- 弓を持つ手・弓の扱い方・響きが、かたい
- カメラを意識しすぎている
特に気になるというよりは、「意識すればすぐに良くなりそうなところ」とも言えます。
正直な話、実際に今目の前に当時の自分がいたら、改善点よりも、まず良いところをたくさん伝えると思います。
頑張って動画を撮っていたのを知っているし、色々考えたすえにこの弾き方になっていることも知っているからです。
そしてそのうえで、上記の3点について、できそうな改善策を伝えたいと思います。
①テンポを落とす
改善策ですが、まずはテンポを落とすことをおすすめします。
もっとゆっくり弾いてみる、ということです。
例えば、私が参考にしているDitteの演奏だって、そこまで速くはありません。
音源だともう少し速いので、私の動画のテンポと近いですが、グルーブ感があるので速さをあまり感じさせません。
動画の私の演奏は、私のレベルにしては高速すぎるので、テンポを落とすだけでも色々気づける部分があると思います。
そこで気づいた部分を丁寧に見ていくと、かなり良くなると思います。
②音を大きく弾こうとしなくていい
次に気になるのは弓のことです。
弓を持つ手がかたい、弓の扱いがかたい、弓を弦に押し付けすぎていて響きもかたい、など。
気になるのはこれらの点なのですが。ここでは弓の扱い方を直接アドバイスするよりも、「音を大きく弾こうとしなくていいんだよ」と伝えたいと思います。
弓や手がこうなっている原因として、おそらく当時の私が「音を大きく弾かなくちゃ」「ニッケルハルパの響きを出さなくちゃ」と思って頑張っていた、という点があげられると思います。
頑張るのは別に良いのですが、その頑張り方(弓を弦に押し付ける弾き方)だと、かえって響きを消してしまうだろうな、と今の私は思います。
ニッケルハルパの響きは、弓に圧力をかけた瞬間に出るというより、高まった圧力が弱まって弓が弦の上を滑っていく時にこそ響きが広がっていくように、私は感じています。
(その圧力の解放の仕方は、おそらく色々な方法があり、人や曲によっても正解は十人十色かなと思います)
その響きは、言葉で説明してもよくわからないと思うので、ぜひ自分で体験してもらいたいのですが、「大きい音を出そう」とはせずに、軽く弓をポンっと弾いてみて、その時の響きを自分で聴いてもらうのが良いかなと思います。
おそらく私の場合、「大きい音を出そう」と思わないで弾いた方が、かえってニッケルハルパの響きがより出てくると思います。(そういう弾き方の癖があると思います)
「大きい音を出そうとしなくても響くんだ。響くってこういうことか」と認識してもらえたら、響きの方向性が見えてきて、この曲も他の曲も、演奏のイメージがしやすくなるのではないか、と思います。
③カメラをあまり意識しなくていい
動画の私はカメラを意識しすぎていて、普段と違う弾き方をしていると思います。
全体的に落ち着きがないというか、ふわふわしていて、「わー、どうしよう」という感じがします。そしてそれを見せないように踏ん張っているようにも見えます。
動画なので、一応「楽器と自分が画面におさまっているか」くらいは意識することにはなりますが、
基本的にカメラはあまり意識しなくていいし、あまり状況によって自分のスタンスや弾き方を変えない方がいい、と今の私は思っています。
自然と変わる、くらいがちょうどいいです。
(トラブル発生時など、特殊な場合をのぞいて)
基本的には普段やっていることをそのままやって、もし自然と変わってしまう部分があれば、それはそのまま変わっていい、と思います。
表情などに関しても、映ってしまうとどうしても「笑顔の方がいいかな」とか、反対に「笑顔だとわざとらしいかな」とか考えてしまいますが、「どっちでもいい」と思っているといいです。
自分の演奏の際、ニッケルハルパの生音を一番近くで聴いているのは自分自身なので、「動画でうまく聴こえるかどうか?」よりも、ぜひ自分の出す音の響きを、自分自身がその場で一番に楽しんで、弾いてみてもらいたいと思います。
その方が良い響きの演奏ができると思います。
最近の練習動画
そして、同じ曲で最近撮った動画を2つ載せます。
まずはこちら。2月7日撮影です。この時は、まだこの記事のことは頭にはありませんでした。普段の練習の様子を確認するために撮ったもので、「どうやって弾こうかな」と考えながら弾いています。
また、この時は、練習として少しニュートラルな感じを意識して撮っています。
そして、昨日の動画がこちら。2月9日撮影です。
こちらの動画は、この記事を書いた時点(2月8日)では存在していなかったのですが、昨日思い立ち、撮ってみました。記事に書いた自分へのアドバイスを参考にしています。
2月7日の方は、動きも音も表情もニュートラルな感じを意識して撮りましたが、今回は反対にただ好きなように、響きを感じながら弾いてみました。好きなように弾くと、身体の癖がかなり出るなと思いましたが、こっちの方が自分にとっては自然かも…と思いました。
以上、過去の動画を見ての感想と、自分へのアドバイスについて書きました。
実は、過去の動画を見るのはメンタル面で本当に大変というか、自分の中でパンドラの箱になりつつあったので、この機会に見返すことができて良かったと思いました。
また、過去の動画をご覧くださったり、高評価ボタンを押してくださっている方々に対しては、感謝の気持ちでいっぱいです。
YouTubeは、新しい動画を完全に公開するのはまだ心の準備ができていないので、こういった形でブログで動画を公開して、慣れていければと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。