16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについてです。
前回までにそれぞれの説明と、16-delspolska、8-delspolskaの音源の紹介をしてきました。
16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについて(その1)リズムによる分類/ダンスの分類の違いと、それぞれの解説
16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについて(その2)16-delspolskaの音源/動画
16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについて(その3)8-delspolskaの音源/動画
今回はTriolpolskaの音源や動画をご紹介します。
Triolpolska
Triolpolskaは、Jämtland(イェムトランド地方)の曲に特に多いと思います。
Jämtlandの有名な奏者に、Lapp-Nils(ラップ・ニルス、1804-1870)という人がいます。
彼にはたくさんの弟子がいました。
また、彼はストックホルムへ行く道中など、Jämtland以外の周辺地域の別の奏者たちともたくさん演奏していたそうなので、「Lapp-Nilsのポルスカ(Lapp-Nils polska)」とか「Lapp-Nilsの曲(Lapp-Nils låtar)」と呼ばれる曲が広範囲にわたって、たくさん残されています。
それらも、私のイメージでは多くの曲がTriolpolskaです。
そんなJämtlandやLapp-Nilsの曲、周辺地域の伝統曲の中から一部をご紹介します。
「3連符があるな」というのを感じていただければと思います。
Jämtland
・次の曲は、19~20世紀のJämtland(Offeldalという所)の奏者Ante Falk伝承の曲です。私は、留学中のダンスの授業でこの曲をよく使っていたので、特に印象に残っている曲です。演奏しているのはJämtlandの奏者Kjell-Erik Erikssonです。
・次の曲はLapp-Nilsのポルスカで、Ante Falkが伝えた曲だそうです。Ante Falkの師であるOl’Persa Hammarbergが、子どもの頃にこの曲を誰かが演奏しているのを聴いて、学んだ曲なのだそうです(動画のKjell-Erikの解説より)。動画の赤い小屋は、OffeldalにあるLapp-Nils-torp(ラップニルスの住んでいた小屋)だそうです。
・こちらもさきほどのOl’Persa Hammarbergのポルスカ(Ante Falk伝承)だそうです。
・次の動画2つは、どちらもPål Nilssonという奏者(Föllinge、Jämtland)が伝えた曲だそうです。
参考にしたページ:Lapp-Nilsについて→Wikipedia(スウェーデン語)Lapp-Nilsのページ、Ante Falkについて→Wikipedia(スウェーデン語)Ante Falkのページ
その他ーMedelpad、Härjedalen
Medelpad(メーデルパッド地方)のポルスカは、基本的には16-delspolskaが多いような印象を私は持っていますが、Medelpadの中のHaverö(ハーヴェロー)という地域の曲には、Triolpolskaがあるなと思います。
Haveröの奏者の一人に、“Lång-Ante(ロング・アンテ、1820-1897)”という人がいますが、このLång-AnteはLapp-Nilsとよく一緒に演奏していたそうです。
Lång Anteには3人の息子がいて、それぞれがAndreas、Per Jonas、Göran。
Lång-Anteや、彼の息子たちによって伝えられた曲を、Göran Månsson(ヨーラン・モンソン)という笛の奏者がよく演奏しています。
Långさん達のことはこちらのページを参照しました→「Murberget」のページ
また、Haverö出身で、のちにHärjedalen(ヘリエダーレン地方)に引っ越した奏者で“Jonk-Jonas(ユンク・ヨーナス、1836-1915)”という人がいます。Jonk-Jonasの伝えた曲もHavröスタイルのポルスカが多いそうです(←Folkwikiより)。こちらもGöran Månssonの演奏です。
奏者のスタイルもあるかもしれませんが、Triolpolskaは、私のイメージでは小刻みで軽くて、ノリの良い(ダンスが想像できるような)イメージがあります。
動画で紹介した方たちの演奏もそうかなと思いますし、Lapp-Nilsの演奏もなんとなくそうだったのではないかなと勝手に想像しています。私はすごく好きです。
以上、Triolpolskaの音源や動画をご紹介しました。
3連符の雰囲気を感じていただけていたら嬉しいです。
Lapp-Nilsなどで検索すると他にもたくさんの曲が出てきますので、ぜひ聴いてみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。