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キーの操作感

/ ニッケルハルパ奏者

ニッケルハルパの魅力、たくさんあるのですが、私は主に2つあるかなと思っています。

1つ目は、音色。

そしてもう1つは、左手のキーの操作感です。

今回は左手のキーの操作感について、書いてみます。

キーの操作感の魅力

ニッケルハルパのCDを聞いているとよく聞こえてくると思うのですが、キーがカチャカチャと音をたてています。

演奏者や楽器によってばらつきがあるので、あまりキーの音を立てない弾き方をする人もいれば、割としっかりキーの音が聞こえてくる人もいるのですが(録音環境にもよりますが)、

私的には「どれも良いな~」って思っていて、とにかく「良い感じにキーを操作している感」があれば、もう聞いていてとても気持ちが良いものです。

(私の印象ではOlov Johansson(↑)はキーの音がそこまでがっつり聞こえる弾き方はしない気がします。トリルみたいなものを弾く時もまろやかな感じ。反対にEmilia(↓)はきめ細やかなキーの音がいつもしっかりめに入っている印象です)

(私が普段一番よく聞くJosefina Paulson(↓)。キーの音はしっかり入っているけどEmiliaほどがっつりではない、という印象です。こんな風に弾けたらいいな~って思いますよね)

で、聞いている時ももちろんなのですが、自分が実際に弾いている時も。

キーの操作感が上手くハマるとめちゃめちゃ良い感じなんですよね。

感覚的にはPCのキーボードに触れる時と似たような感じですかね?凹凸の浅いタイプのキーボードです。

これが上手くいくと、本当にすごく良い感じで、楽しいです。

音もとても良くなります。

このキーの操作感は、ニッケルハルパの大きな魅力の1つだと思います。

自分もこんな風にカチャカチャと操作してみたい!って、思う人は多いはず。

力が入ってしまう

ただ、難しいのは、やっぱり左手の指に力が入ってしまいやすいということです。

力が入ってしまうと何がいけないのか?というと、こんな感じです。

  1. 音程(音程が上がる・音程が狂う)
  2. 音色(音が詰まる・響きが消える)
  3. 弾きにくい(指が動きにくくなる)

こういった問題が出てきて、「…なんか微妙だなあ」ということになります。

ニッケルハルパの場合はlöv(レーヴ/ルーヴ)という、「キーが弦に当たる際に弦に直接触れる木片部分」があるのですが、この木片部分の当たり具合で音程も音質も全然変わってしまうので、キーの操作時の力の入れ具合が非常に重要です。

音程はもちろんなのですが、たぶん一番わかりやすいのは音色かな?と私は思っていて、音色が結構違ってしまうんですよね。

(音程と音色も連動しているので、音程が悪くなると響きが濁ってしまうというのもあると思いますが)

左手が力むと響きが詰まってしまうので、より響きを生み出そうとして右手(弓で演奏する方)に力が入ってしまい、その分左手にも力が入る…という右手と左手の悪循環にもなったりします。

右手を弾きやすくすると、左手も良くなる(かも)

とは言っても、左手だけ力を抜こうとしてもあまり上手くいかないかな?というのが私の印象です。

(左手だけ意識してそれで良くなればもちろんOKなのですが)

ではどうするかと言うと、「右手(弓で弾く方)を弾きやすくしてみよう!」です。

左と右は関連し合っているので、右(弓)を弾きやすくすると、それに連動して左も良くなるように私は感じています。

「弾きやすく」というのはつまり、右手の力が抜けていて、でも入るべきところでしっかり入って、安心して弾けている…みたいな。

文字にすると全然伝わらない感がありますね(笑)

なんか良い感じ~♪とか、なんか楽に動いているな~、みたいな感じです。

人によって現状の癖や感覚が違うと思うので、具体的なことは一概には言えないのですが。

(気になる方はレッスンにいらしてくださいね。始めたての方も中級者以上の方も大歓迎です)

あ、でも上手くいっている時は上手くいっていることが自分でわかるので、弾いている本人には結構わかるかもしれません。

反対に、「上手くいっている」と思えない時は、きっと自分の中で何かが違うんだろうな、と思います。

右手が感覚を掴んで、安心して弾けている時は、左手も力が抜けて良い感じになっていることが多いんですね。

そういう時は、手や腕の力みなどを意識する必要が無いので、もっと別のことに意識が向けられて、全体を見通せている感覚になります。

上手くいっていない時ほど小さいこと1つ1つに意識が向きすぎている感覚もあります。

1曲1曲、楽しく練習していけば大丈夫

そして最初は特にそうなのですが、例えば同じ「ド」の音を弾いていても、「あの曲だと楽に弾けるのに、この曲だと力が入ったり苦しい弾き方になってしまう(同じ音なのに)」ということがとてもよく起こります。

同じ音なのに、音の出し方が変わってしまうんですね。

これはもう1曲1曲、焦らずに練習していけば充分だと私は思っています。

私は基本的に「練習すれば結果は必ずついてくる」と思っていて、人に対してもそう言い続けたいタイプなので、練習はやっぱり自分を裏切らないよって言い続けたいんですね。

そして、苦しく練習するのではなくて、楽しく練習するのが大事だなって思っています。

音はイメージが大事なので、「自分がいったいどんな風に弾きたいのかな?」とイメージして、「そのイメージが今、ここで実現するとするなら、自分の弾き方ってどんな風に変わるんだろう?」と思って弾くだけでも、かなり変わると思います。

あとは、それを弾くことで喜んでくれそうな人とか、誰かに喜んでもらえているところをイメージしてみることですね。同じ楽器や音楽を弾いている仲間や友達でも良いし、家族でも良いし、全然知らない人でも良いし。

弾いている自分自身では変化に気づかなかったとしても、イメージするだけで、音色はたぶん全然違います。

小さな変化の積み重ねが大切です。好きに、楽しく、自由に。

そんな感じで、キーの操作感にも少し思いを馳せながら、ぜひニッケルハルパを聞いたり弾いたりして、楽しんでいただけたらと思っています。