ちょっと尖っていて恥ずかしいのですが、日本人の私が、スウェーデンの楽器で、スウェーデンの音楽をやるうえで、思っていることを書いてみます。
コンプレックスからスウェーデン人になろうとしても、ダメだよ
私は自分がスウェーデン人ではないことを自覚しています。
…とだけ書いても謎だと思いますが、順を追って書いていきますね。
私は、普通の(普通ってなんだ?というツッコミは置いておいて)日本人です。
ハーフとかでもないですし、スウェーデンに昔親戚が住んでいたとか、自分が小さい頃住んでいたとか、そういうこともありません。
で、もしも、自分が日本人であることにコンプレックスを持ってしまったら、私はたぶん、スウェーデン人になろうとしてしまうんですよ。
(国籍の話ではなく、精神面や、様々な点で)
スウェーデンの楽器で、スウェーデンの音楽をやっているからこそ。
コンプレックスを隠すために、もしくは、自分に箔をつけようとして、何かしらやると思います。それが何かは、ここでは書きませんが、なんとなく想像はつくかと思います。コンプレックスを埋めるための行動ですね。
もちろん、ポジティブな理由でそれらがやりたかったら全然良いのですが、その理由の一つに「自分のコンプレックス」があるかもしれないのなら、それはちょっと違うから待って、って思っています。
その理由で行動するのはやめて、って、自分に対して思います。
自分のルーツを認めざるを得ない段階がくる
コンプレックスを隠すために技術を磨いても、知識を身につけても、だめなんですよね。
身につかないし、底なし沼なので。少なくとも、演奏や話を聞いた人にはすぐわかるくらいの浅さでしか隠せないと思っています。
むしろ、逆なんです。
この楽器もこの音楽も、真剣にやればやるほど、自分のルーツの部分(日本人であること)を自分で認める必要が出てくるだろうと思っています。
絶対に出てくる自分の地の部分、性格、個性。
それを受け入れて、むしろ自分の個性を強く出すつもりで、叩かれるのを覚悟して前に出て、そこで初めて現地の人と張り合えるくらいの「対等さ」を身につけられるのではないかと思います。
スウェーデン人ではない自分が、スウェーデンの楽器でスウェーデンの伝統音楽をやるっていうのは、そういうことだと思っています。
スウェーデンの人は別にそういうことは全く考えていないかもしれませんが、これはこちら側の話なので。
隠そうとしても、埋めようとしても、ダメなんです。だって、私はスウェーデン人ではないし、子供の頃から伝統音楽にふれてきたわけではないから。
(ちなみに私は、中学・高校生の頃は鬼束ちひろさんを聞いて過ごしました。この腐敗した世界に落とされていましたよ)
でも、そんな自分がやる意味について、私は挑戦していきたいんです。
技術や知識も、磨くこと自体は全然間違いではなくて、コンプレックスを隠すために磨くのではなく、あくまでも(ポジティブな意味での)自分の武器にしていくものだと思います。
「真剣にやった結果、違ってしまう」ということを怖れない
自分を出すということは、周りと違ってしまうこと、間違ってしまうことを怖れないことでもあります。
これは「スウェーデン人の演奏とは違ってもいいや、どうでもいいや」と最初から開き直ることとは全然違っていて、
「真剣にやった結果、違ってしまうこと」や「間違いだと言われてしまうこと」を怖れない、ということです。
(違う、がたくさん出てきて、若干意味わからないですね)
「違う」と言われることに対して、私はまだまだ「怖い」という気持ちを強く持っていますが、その怖さと向き合うことで、少しずつ乗り越えられるんじゃないかと思っています。
張り合えるくらいの対等さを身につける
そして、「張り合えるくらいの対等さ」とさきほど書きましたが、別に、張り合うこと自体は目的ではありません(笑)というか全然張り合わなくていいです(笑)
そうではなく、張り合えるくらいの「対等さ」を身につけることですね。
そうすることで、最終的にはより楽しい音楽をお客さんに届けられるようになるんじゃないかと思うんです。
最終的な目的はそこです。
自分が自立して、対等さを身につけていくこと(=自分が相手と対等だと思えること)が、自分の演奏をより良くすることに繋がっていって、それが周りの人を楽しませる力になったら良いなって、思っているんです。
それは自分の生きやすさにも繋がってくると思うし、そういう人の自由さって周りの人にもうつるので。
自由でありたいです。
という感じで、私が個人的に思っていることを書きました。
コンプレックスでスウェーデン人になろう(国籍の話ではなく)とするのは、自分にとっても周りにとっても、本当に良くないと思うんですよね。背伸びしている状態なので。
周りから見ても、たぶんつらいだろうと思うんです。
だからこそ、ここをどうやって乗り越えるかって、実はすごくおもしろい所だと思います。
興味深いです。