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伝統音楽の魅力を伝えるために自分にできることは何か?

/ ニッケルハルパ奏者

最近、先日書いたノルウェーの国営放送の番組を見ています。

先日の記事→ノルウェーの国営放送のサイトの紹介(伝統音楽関係の番組の見方など)

なかでも、スウェーデン人の奏者の登場回がいくつかあることに気づいたので、それらを繰り返して何回かずつ見たりしているのですが(ノルウェー語がわからないため、何回か見ればもしかしたら少しわかるかも?と思って見てしまう)、そこであらためて思うんですよね。

伝統音楽の魅力を伝えるには私には何ができるんだろう?と。

「他のジャンルの音楽を弾いてみたら?」と言ってもらうたびに、自分の気持ちに気づける

「ニッケルハルパで演奏をしている」と人に言うと、よく「(伝統音楽だけでは可能性がせまいから)他のジャンルの音楽もやってみたら?その方が演奏の機会や幅が広がるんじゃない?」といったことを提案してくれる人がいるのですが、

私は、自分の軸としてはそれは違うかな、と思っています。

というか、そう言ってもらって初めて(「それは違う気がする」と思えた時に初めて)、自分の本音に気づけるんです。

伝統音楽の魅力が、やっぱりあると私は思うんですよね。

それは、ニッケルハルパに限らず、スウェーデンだったらフィドルとか笛とか。その他にも楽器がありますし。

ノルウェーもフィドルやハーディングフェーレとか、フィンランドもカンテレとか。

地域によって色々なものがありますが、どれもとてもおもしろいし魅力的な音楽だと思うんです。

伝統音楽以外のジャンルの音楽をニッケルハルパで演奏すること自体は私は全然良いと思うし、演奏活動の方法の1つだと思うのですが、

やっぱり「伝統音楽に関して自分の中で掘り下げていくこと」は自分にとって常に大切だし、その魅力を伝えていきたい、と思うんですよね。

「幅を広げる」にしても、私としては「スウェーデンや北欧の伝統音楽の中で深めていくこと・広げていくこと」がやりたいかな、と思っています。

スウェーデンの伝統音楽の中でも実は地域によって色々なものがあるし、ましてや北欧数か国まで広げると、伝統音楽だけでもかなり広い範囲になるので。

「他のジャンルの音楽に挑戦する」というのも、もしも私がそれをやりたいなら良いと思うのですが、「伝統音楽が日本ではマイナーだからメジャーな方にいく」というのはなんだか勿体ないと思うんですよね。

こんなにおもしろいジャンル(しかも日本ではまだまだ未開拓な)があるのに、それの可能性を切り捨ててあえて違う方向にいく?

それはありえないでしょ、って思ってしまうのです(笑)

楽器の魅力だけじゃなくて、音楽そのものにも魅力があるのだ

特にニッケルハルパとか、ハーディングフェーレとか、カンテレとかって、かなり楽器としてのインパクトが強いので、そのせいもあるかもしれないのですが、

私はただ単にこの楽器が弾きたいだけではなくて、伝統音楽そのものに魅力があると思っているんですよね。

日本でやっていると、「楽器」自体が注目されることが多いような?気がするのですが、私としては「スウェーデンの伝統音楽の中にニッケルハルパが含まれている」という認識です。

ファンタジーの世界観を考察するのと似ている気がする

スウェーデンの伝統音楽も、地域によって様々なものがあり、それは曲の雰囲気からリズムまで、おそらくスウェーデンの地理的な条件(海側か山の中かとか)も含めた結果、今そういったものがものが伝わっているんですね。

だから、そういうものを包括的に知っていくことがおもしろいし、その中でもピンポイントに知っていくこともまたおもしろいです。

最近、ファンタジーの漫画を読んだ(めちゃめちゃおもしろかった)のですが、外国の文化の背景を知ることは、ファンタジーの世界観や歴史を頭に入れることとちょっと近いところがあるかな、と思いました。

色々な設定とか伏線を頭に入れた上で見てみると、全体の流れがよりわかるようになるし、その中でピンポイントに今起きているできごとを見ていくと、主人公たちを取り巻く状況がよりおもしろく感じられるし、考察のしがいがあるな、と思うんですよね。

(私は好きな漫画や小説を考察するのが好きです)

伝統音楽もまさにそんな感じで、俯瞰的に見たり、ピンポイントで見たりして、ああだこうだ考えるのが楽しいと思っています。

そういうことをやっていると、他のジャンルがどうとかこうとか言うのが、あまり選択肢として浮かばないんですよね(笑)

自分がこの世界の広がりを感じ続けること

結論として、伝統音楽の魅力を伝えるために自分に何ができるのかは、具体的にはまだよくわかっていませんが、自分がこの世界をより楽しんで深めていくことは大事かな、と思っています。

この世界の中で広がりを感じ続けること、ですかね。

私自身はとりあえず、演奏以外にも奏者の考え方とか生い立ちとか、状況とかを知るのが好きなので、

nrk(ノルウェー国営放送)の番組をもうちょっと見たり、nrkに限らず、スウェーデン人奏者の出てくる映像をもっと見たりしたいなと思っています(他の国の奏者だと、どうしても言語がわからないので)。

楽器を練習することはもちろん大前提として。

自分がおもしろみをたくさん発見していると、それを自然と人にもお伝えできるようになるかなと思っています。


というのを最近あらためて考えました。

あの、冒頭のような提案をしてくれる人を批判したいわけではないので、その点は強調しておきますね(笑)親切心で良かれと思って言ってくれているのはわかるので。

(他のジャンルの音楽を演奏することも、それ自体はとても良いと思いますし、ポジティブな意味で挑戦するのだったらおもしろいなと思います)

伝統音楽の魅力が伝わるように、自分自身が楽しんでいきたいと思います。