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ノルウェーの番組③Ale Möllerの回

/ ニッケルハルパ奏者

昨日に続いて、ノルウェーの「Halvbror til reven」という、伝統音楽を扱った昔のTV番組から、スウェーデン人奏者の出ている回をご紹介したいと思います。

今回はAle Möller(というミュージシャン)の回です。

昨日の記事→ノルウェーのTV番組のニッケルハルパ登場回

ノルウェーのTVに関する記事→ノルウェーの国営放送のサイトの紹介(伝統音楽関係の番組の見方など)

Ale Möller

Ale Möller(アーレ・モッレル(もしくはメッレル))はスウェーデン人のミュージシャンです。

ブズーキ、マンドーラや笛など、色々な楽器が演奏できる奏者で、「伝統音楽の文脈としては新しい(あまり使わないような)楽器や奏法を、伝統音楽の中でいかに使うか?」というのを模索し、新しいことにたくさん挑戦している方です。

スウェーデンの伝統音楽界ではかなり有名な人なので、伝統音楽が好きなスウェーデン人で、この人の名前を聞いたことのない人はあまりいないんじゃないかな?という感じです。

かく言う私も、名前はよく知っているのですが実はご本人のことはあまりよく知らなかったんですよね。

有名すぎて、あまり調べたり、知る機会がなくて…(笑)

なので、今回の番組で初めて色々知りました。上記の紹介↑も、番組内でご本人が言っている内容を引用しています。

そのAle Möllerが出ている番組がこちらです。

「Ale Möller」(Halvbror til reven, Season 1, Episode 5)

内容

内容ですが、昨日のニッケルハルパの回はインタビューの内容についてあまり触れなかったのですが、

触れれば良かったと少し後悔しているので…(笑)

せっかくなので今回は少し内容をご紹介したいと思います。

私が特に印象に残ったこと(Aleの発言)を書いてみます。


・もともとは別のジャンルの音楽をやっていた(ジャズ、トランペット)。その後、ブズーキを始めたことがきっかけで、あらためて自分の故郷の音楽に興味を持ち、スカンジナビアのフィドル音楽にいつしか夢中になった。想像力を搔き立てられる音楽だと感じた。

・自分が興味があるのはsamspel(→人と一緒に弾いて、その中で音楽的に色々試していくこと)であり、新しいものを伝統音楽に取り入れること。

・伝統音楽の曲をジャズやロックなどにアレンジすることよりも、伝統音楽の文脈の中で、新しい楽器や響きをどうやって使うか(どのようにして伝統音楽に合わせていくか)に興味がある。

・母方の家系はノルウェー、父方の家系はデンマークから来ていて、自分はスウェーデンのスコーネで育った。スカンジナビアの各国の伝統音楽は、(国単位でのものというよりも)それぞれが様々な場所をルーツとするローカルな音楽であり、どれも自分にとって身近なもの。

・新しい曲に挑戦する時は、その曲をたくさん聞く。曲を聞くことはストーリーテリングのようなもので、その物語にしばらく耳をすませることで、その曲に対して自分がどのように手助けをし、色付けをしたら良いかが見えてくる。

・音楽を旅している。同時に、旅をする目的は「家に帰ること」である。それは、スカンジナビアの伝統音楽的な言語を自身の基盤(プラットフォーム)とし、その基盤とともに、音楽の旅や構築をしていくことだ。


こんな感じです。

本当はもっとたくさんお話ししています。私がノルウェー語の部分をちゃんと理解していないのですが。

(番組では、司会役のLeiv Solberg(ノルウェー人)がノルウェー語を話し、Ale Möller(スウェーデン人)がスウェーデン語を話しています。ノルウェー語はスウェーデン語ととても似ているので、ノルウェー人とスウェーデン人はお互いの言語で会話することができます)

番組内では演奏もたくさんされていて、Aleも歌や色々な楽器を演奏しています。

どんな曲にも合わせられる(合わせられるだけでなく、Aleが合わせることでより演奏がおもしろくなっている)のがすごいなと思うのと、「相手と一緒に弾いている感じ」がすごくして、良いなと思いました。

Ale以外の出演者(Hoven Droven、Garmarna)

また、番組では、Ale Möller以外にも、「伝統音楽×ロック」というテーマでHoven DrovenやGarmarnaというバンドの演奏やインタビュー紹介されています。

(この2つのバンドもかなり有名です)

Garmarnaのインタビューでは、自分たちが歌っている歌(伝承歌)の歌詞について、

「なぜか暴力的で残虐な内容の歌詞ばかりになってしまっていて、今の時代に作られた歌詞ならかなりひどい(「残酷」という意味で)ものだと思うけど、古い伝承歌にもともとついていた歌詞だから、(残虐でも)許されるかなと思っているよ」

と言っていたのが印象的でした。


以上、Ale Möllerの回でした。

私は本当にAleのことをあまりよく知らなかったので(CDで聞くだけだったので)、お話を聞けておもしろかったです。

音楽って、音源だけ聞いていてももちろん楽しいのですが、私は本人のパーソナリティとか考え方を知った方がより好きになれるタイプな気がします。

他にもまだスウェーデン人が出ている回があるので、またの機会に紹介したいと思います。