人前で演奏をしたり、本番を迎える時などに、大切だと思うことを書きます。
自分がその音楽を好きでいること
私が大切だと思うことの1つは、「自分がその音楽を好きでいること」です。
当たり前のことなのですが、結構忘れてしまいがちかなと思います。
本番前は、「ああしよう」「こうしよう」「もっとこうすべきだ」「もっとここを練習しなくちゃ」「もっとここを練らなくちゃ」など、とにかく細かくて具体的なことに目がいきます。
段どり、交通手段、持ち物など、考えることもたくさんあるし、初めて行く場所で、初めてお会いする人達の前に立たせていただくわけなので、その場で得られる新しい情報量も多くて、頭がいっぱいになります。
でも、大切なのは自分がその音楽を好きでいることです。
「すごい人だと思われたい」と思うと疲れる
ちょっと話がそれますが、
人前で演奏する時に、「素晴らしい演奏をする人だと思われたい」とか、「すごいと思われたい」とか、「目立ちたい」「ほめられたい」と思うことは、誰にでもあります。
こう思うこと自体が悪いわけではないし、とても自然なことですが、これらの考えを持ち続けていると、たぶんすごく緊張するし疲れるだろうと感じています。
たとえば、「すごい人だと思われたい」と思っていると、「すごい人」という目標が曖昧すぎて、頑張っても空回りしてしまいます。自分らしくない行動もとってしまうかもしれません。
そもそも、「○○と思われたい」と思っていると、相手に本当にそう思われているのかどうか、相手の気持ちやリアクションがとても気になるし、確かめたくなるだろうと思います。
でも、お客さん一人ひとりが何を考えているかはご本人にしかわからないし、特に何も考えていない時も多いです。
いちいち「私は今、この人(達)にすごいって思ってもらえてるんだろうか?」なんてことを心配していたら、落ち着きません。
演奏に集中できないだろうと思います。
「すごいと思われたい」「素晴らしいと思われたい」という気持ちは、ある程度のところでバッサリ捨ててしまった方が、自分が楽になると思います。
お客さんは「誰かをほめる」ために来るのではなく、「自分が楽しむ」ために、音楽を聴きに来るのです。
演奏する側も、「ほめられる」ために演奏するのではなく、「お客さんに楽しんでもらうために」演奏します。
楽しんでもらうためにできること
楽しんでもらうためにできることはたくさんありますが、私が思うのは、
「自分が、自分の提供するものを好きでいること・その価値や魅力を信じていること」です。
自分が提供するものの価値や魅力を自分自身が信じられていれば、「それを共有した時に、相手や周りの人にとってどんなプラスの影響があるのか」というのが、簡単に想像がつきます。
想像がつけば、今、自分のすべきことや方向性がわかるし、今自分がやっていることに自信を持つことができます。
そして、実際にそのプラスな効果が周りの人にもちゃんと伝わっていきます。
考えるべき・意識を向けるべきことは、「自分がすごい人だと思われること」ではなく、
「自分がやっていること、提供したいと思っているものの意義や価値を信じること」です。
そして、それを届けるために、具体的な計画を立て、準備し、実行します。
自分は相手に何を楽しんでもらいたいと思っているのか、それを具体的にどうやって届けたら良いのか、
私自身も考えながら、演奏しています。
以上、「演奏で大切なこと:自分がその音楽を好きでいること」について書きました。
私が普段考えていることなのですが、何かの参考になりましたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。