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弓を渡すために、イベント会場内で知人の知人を探し回った話

/ ニッケルハルパ奏者

昨日、Ransäterstämma(ランセーテル・ステンマ)という伝統音楽のイベントでの思い出を少し書いたのですが、もう1つ、同じイベントでの話を書きたいと思います。

私が注文した弓の話と関連しているので、まずは弓の話から。

弓を注文して、届いた

私が今使っている弓は、ニッケルハルパをやっている人の間ではわりとよく知られている製作家のものなのですが、写真の、下の方の弓です↓(両方とも私の弓です)

作っているのはフランス人の製作家さんです。

その製作家さんは普段はメールのやりとりがあまり得意でない(返信が無い)みたいで、私も連絡をとることに躊躇していたのですが、留学中のクラスメイト(フランス人)がその製作家さんと知り合いということで、その友達経由でなんとか注文することができました。

(自分だけだったら注文する勇気が出なかったかもしれないですね)

留学からの帰国直前、2019年の6月に、注文した弓ができあがって寮に届いたんですけど、注文したのが私ともう1人のクラスメイト(スウェーデン歴の長いアメリカ人、穏やかな70代くらいの女性)同時だったので、2人分が一緒に寮に届いたんですね。

その、弓を注文したもう1人を、仮に「Lさん」とします。

で、弓が届いたのが、もう学校が終わった後(5月末で学年が修了)だったので、Lさんはその頃すでに寮を引き払ってしまっていました。

弓が届くこと自体は知っていたので、どうするか事前に対応を聞いていたのですが(郵送して欲しいと言われていた)、私がその「Ransäterのステンマ」(伝統音楽のフェスのようなイベント)に行くよ~という話をしたら、「じゃあ、ステンマに来るCさんに弓を手渡しで渡して欲しい」と言われたんです。

「え、Cさん?誰だろう?」と思ったのですが、私たちの共通の知人でCさんと言えば、ニッケルハルパの製作家(スウェーデン人)のCさんだったので、

一応Cさんの携帯の番号などを聞いておいて、「じゃあ渡しておくね!」と言ってやりとりは終わりました。

(弓を注文した人=Lさん(クラスメイト)、私が弓を渡すべき相手=Cさん、です)

ステンマにて。Cさんを探し回る

弓を渡すはずのニッケルハルパ製作家のCさんというのは、80代くらいのおじいさんで、いつもチェックの柄のシャツを着ていたんです。

キャンピングカーに乗るのが趣味でした。

(留学先の学校の駐車場でも、一時期ステイしていました)

少し前に奥さんが亡くなったとのことで、当時は一人でキャンピングカーで色々なところに行っていたみたいでした。

なので、私はステンマの間中「チェック柄のシャツのおじいさん(キャンピングカー滞在)を探すべし!」と思って、Cさんを探し回っていたんですよね。

でもなかなか見つからなかったんです。ショートメールも送ったけど返ってこないし…。

結局、あっという間に3日くらい経ち(ステンマ自体は4~5日間くらい開かれている)、「そろそろCさんを見つけなくてはやばい」「Cさん全然見かけないな~」と思っていたら、知らないおじさんに声をかけられたんです。

「Hej!(ヘイ=スウェーデン語の挨拶)、アカネだよね?」と。

え…誰…?知らない人なんですけど…

「どうも、Lの元旦那の、Cです!」

えー!!

(私が探してた人と)全然違うじゃん!

元旦那って言っておいてくれよ!って思いました(笑)

ずっと無意味に「チェック柄のシャツの80代男性」を探してしまったじゃないか~、と(笑)

ていうか、この情報量(Cさんという名前のみ)で私たちがよく会えると思ったな!?と思いましたね。実際会えましたけど。

私の見た目がわかりやすかったのだと思いますが(アジア人が他にあまりいなかったので)。

ちなみにそのCさんの見た目は、私が思っていたCさんとは全然違う雰囲気で、もっと若くて(60代くらい)快活な男性でした。しかも現パートナーの女性と一緒に来ていました。

「これは、声をかけられなかったらわからなかったな~」と思いながら、私はその時友達と一緒にいたので、私と友達とCさん夫妻と4人で少しおしゃべりをしてから別れました。

無事に弓が渡せてほっとしましたね。これでもうエリア内を徘徊しなくて済むな、と(笑)

クラスメイトのLさんは天然で、こういう行き違いがわりとしょっちゅうあったのですが(私も悪いですが)、毎回「おもしろいな~」と思っていました。

言動がこちらの斜め上を行くんです。

ちなみにLさんはニンニクが好きで、土曜日の朝からニンニクをオーブンで焼いたりしていて、においが寮中に漂っていたので、私は洗濯したばかりの洗濯物(部屋干しする分)ににおいがつかないように、一人で必死に廊下を換気した記憶があります(笑)焼くこと自体は全然良いんですけどね。

あと、私たちの学年が終わる頃、翌年来るであろう生徒に向けて寄せ書きを書いたことがあるのですが、皆は「音楽を楽しんで!」「仲間を大切に!」みたいなことを書いているなか、Lさんだけ「たくさんニンニクを食べましょう」って書いてて、これ、読んだ人意味わからないだろうな…って思いました(笑)

そんなLさんは料理好きだったので、私は料理のおすそわけをもらうこともよくあり、いつもとてもおいしかったです。


という、Ransäterのステンマの思い出の1つでした。

こういうエピソードってわかりすく書くのが難しいのですが、伝わっていたら良いなと思います。

(ちなみにイニシャルは実際の名前とは全然関係ないです)

私はこういう「予想外の出来事」みたいなものが好きなんですよね。「え~!!」って思うのが結構楽しいのかもしれません。留学自体がその連続でしたしね。

それは今も変わらずなので、誰かと会ったり、新しい人と出会うのも好きです。人間関係は面倒くさいけど、人は好きなんですよね。

色々発見しながら楽器を楽しんでいきたいと思います。