(いつもブログの公開予約を朝で設定しているのですが、予約日時を間違えたみたいで、今日公開されていませんでした~。すみません。夜になってから気づきました)
スウェーデンの首都ストックホルムに、「Skansen(スカンセン)」という野外博物館があります。
スウェーデンに行ったことのある方なら一度は名前を聞いたことがあるスポットだと思うのですが、伝統音楽をやっていても、名前をよく聞く場所なんです。
今回はこのSkansenについて簡単に紹介したいと思います。
Skansen(スカンセン)
野外博物館
Skansenは、1891年に開業した野外博物館です。
スウェーデン各地の人々の昔の暮らし(工業化以前くらいのもの)を見せるため、Artur Hazelius(アルトゥール・ハゼリウス)という人によって作られました。
ストックホルムの「ユールゴーデン」という、わりと自然が豊かなエリア(島)にあります。
(島ですが、歩いて橋で渡れるようなところです。今日の記事の冒頭の写真も、以前ユールゴーデンを散歩していた時の写真で、たまたま見かけたリスです)
公式HPによれば、ここは「世界最古の野外博物館」だそうです。
野外博物館というのは、「屋外(敷地内)に色々展示してある博物館」ということなのですが、たとえば、「昔の建物(家)」がそのまま保存されていて、家の中に入って人々の暮らし(の模型など)を見ることができたり、
職人の仕事の様子(模型・実演)を見られる、というものです。
また、Skansenの場合は動物もいる(動物園が併設されている)ので、スウェーデン(スカンジナビア)に生息する動物の様子も見ることができます。
展示されている家々も、スウェーデンの各地方(ほとんどの地方、landskap)から集めてきた家で、たとえば北の地域の家は北のエリアに、南の地域の家は南のエリアに配置されていて、植物などもできればその地方を象徴するようなものを植えているそうです。(動物の配置もおそらくそうです)
(※地方(landskap)について→スウェーデンの地方(Landskap))
また、農村部だけではなく、1800年代の街なかを再現したエリアもあります。
Skansenの公式動画がこちらです↓
こんな感じの所ですね。
スウェーデン各地の昔の風景や、人々の生活様式を体験できる場所、という感じでしょうか。
野外博物館と言えば、私が最初に留学したルンドにもKulturenという野外博物館があり、フィールドワークの授業ですごい説明してもらった気がするのですが、残念ながらその説明をあまり覚えていないんですよね。
ただ、「家を移動させるのが大変だった」とか、「野外で展示して、人々に実際に体験してもらうというのが当時とても画期的だった」と、説明のおじさんが言っていたのは覚えています。
「家を移動させる」というのは、この野外博物館で展示している家は展示用に作ったものではなくて、「当時すでに各地に存在していた家」をわざわざ買い取って、一度ばらして、運んで組み立て直すなどして、博物館まで移動させたそうです。
(「家を移動させる」と聞いて、私は最初、カールじいさんのような感じで家ごと空を飛んで移動させるのを想像しましたが、もちろん違います。その方が夢がありますけどね)
(ちなみに、以前見たスウェーデンのTV番組(マイホームを建てる番組)で、「船で家をまるごと移動させている」のは見ました。それはさすがにスウェーデンでもニュースになっていました)
伝統音楽や、様々なイベントが開催される
さらに、Skansenは季節の行事に合わせたイベントが行われる場所にもなっていて、たとえば夏至祭の頃は「伝統音楽の演奏」や「フォークダンスのパフォーマンス」もされていますし、冬は「クリスマスマーケット」や「ルシア」のお祝いが開催されます。
また、大きなステージでは6月のナショナルデーのお祝いや、毎年夏に「Allsång(=みんなのうた、という意味)」という国民的な音楽イベント(TVでも放映される)も行われていて、賑わいを見せています。
2019年のAllsångに出演していたÅkervinda(フォーク・アカペラの4人組)↓
2015年のナショナルデーのイベントに出演したEmilia Amper(ニッケルハルパ奏者)↓
夏至祭の頃のパフォーマンス↓
昨日まで「ウップランド地方の昔の伝統音楽の演奏家」を何人か紹介してきましたが、19世紀末以降に活躍した演奏家の記述を見ると、結構な割合でSkansenの話が出てきます。
「Skansenで演奏した時に~」とか、「Skansenでミュージシャンとして雇われて~」みたいな。
たとえば、Hjort Anders(1865-1952)やAugust Bohlin(1877-1949)がそうですね。
ウップランド地方の演奏家たち②(Hjort Anders、August Bohlin)
(紹介記事には、Skansenのことは特に書いていないのですが)
なので、伝統音楽が好きな人も、Skansenの様子を知っておくとより楽しめるかなと思っています。
私の思い出ー「雪しか見えない」
そんなSkansenなのですが、私もルンドに留学していた時に、一度行ったことがあるんです。冬に。
その年は特に雪がすごくて、行った日が吹雪だったんですよね。
…ええ、間違えました。行く日を(笑)
しかも、私がSkansenのことをよくわかっていなくて、「とりあえず有名だし行っとくか」「行けばなんかあるでしょ」くらいのノリで行ってしまったので、
結果、ほとんど雪だけ見て帰ってくることになりました。
なんか「家」っぽい建物はあるのですが、吹雪がすごすぎてよくわからないし、あと、どんなに探しても動物がいないんですよね。
「動物園」って聞いて来たのに、あれ…?って(笑)天気が悪くても動物はいると思ってたんですけど、見当たらないな~、と。
動物どころか、人の気配も、生物の気配もまるで無い…。
お客さんも他に1組くらいでした(吹雪に対して「うわー!」と言っている家族連れ)。
冬でも、吹雪でなければきっと大丈夫だったのだと思います。最初に載せた公式動画の20秒過ぎの辺りに「冬でもヘラジカを見て楽しんでいる親子」が映っていましたね、あんな感じにきっとなれるはずです。私はなれませんでしたが(笑)
Skansen自体の歴史などについては、Wikipediaや公式HP(英語版あり)などをぜひご覧ください↓
今回は、Skansen(スカンセン)についてご紹介しました。
私も、行ったことはあるものの、ほぼ行っていないのに等しい状態だったので、調べてみて良かったです。これでSkansenのことが少しわかりました。
もし機会があれば、ぜひ行ってみてください。
私も、次は吹雪じゃない時に行けたら良いなと思います(できれば夏)。