先日、「座っている時にかかとを上げる癖があるので、最近は太ももの裏を意識しています」と書きましたが、それに加えて今、意識しているのが「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」です。
太もも裏の話→座っている時にかかとを上げる癖→太ももの裏側を意識する
私は、以前かなり肩こりがひどく、ニッケルハルパを弾いている際にも「身体の色々な部分に無理が出て、将来弾けなくなると嫌だな」と思ったので、身体の使い方(アマ・プロ問わず音楽家を対象とした身体の使い方)のレッスンや講座に通っていました。
考え方の基本や、ひと通りのことは教わることができたので、今はレッスンには通わず、自分で試行錯誤しながら身体の使い方を考えています。
それで、3日前くらいから肩甲挙筋を強く意識するようになりました。
今日は、肩甲挙筋のことと、身体の「意識」の仕方について、習ったことをベースにしながら書いていきたいと思います。
(※身体・筋肉のことについては、素人なりにわかりやすく書くようにしていますが、何か不備がありましたら申し訳ありません。簡単な表現にしてしまっている部分もありますが、何かの参考になればと思っています)
肩甲挙筋とは
肩甲挙筋は、首の上の方(首の骨である椎骨の上から1番目~4番目)の左右(横突起)から、肩甲骨内側のふち上部についている筋肉です。
首の上部両サイドから、肩甲骨の内側のかどにかけてついている筋肉、という感じです。
(※詳しくは、ぜひ画像などを検索してみてください)
作用(=どういうはたらきをするのか)は、「肩甲骨の挙上」と「肩甲骨の下方回旋」ということですが(他にも、「首を横に向ける作用もある」という人もいる)、私はおもに「肩甲骨の挙上」を過剰にしてしまっているような気がします。
「肩甲骨の挙上」とは、肩を上げる(肩をすくめる/首をすくめる)ような動作です。PCに向かっている時など、無意識に、この動作をしてしまっているなと思いました。
※筋肉等の情報に関しては、「ヒューマン・アナトミー・アトラス」というアプリの情報を参照しています。
肩甲挙筋のあたり、さわったら痛かった
肩こりというと、僧帽筋がこるイメージがありますが、ニッケルハルパをストラップでさげていて、ちょうど肩甲挙筋のあたりにあたるストラップ部が特に痛い感じがしていました。
その部分をさわってみると、ぼこっと盛り上がっていました。押すと痛い。
さらに、首の横からついている筋肉ということで、首の横をさわってみたら、これも固くて痛い。
僧帽筋ももちろん関係しているとは思いますが、こちらは以前から意識していたので、「ノーマークだった肩甲挙筋の方を集中的に意識しよう」と思いました。
意識の仕方
肩甲挙筋についてはここまでで、ここからは「身体の意識の仕方」について書いていきます。
私はよく「〇〇(身体の部位)を意識しています」と書いていますが、「意識する」という時に、実際にやっていることはこちらです。
①力が入っている(緊張させている)ことを自覚する
↓
②力をゆるめる(過剰な緊張をゆるめる)ように意識する
これだけです。
これを、楽器を弾いている時も含めて、日常生活でひたすら繰り返します。
それぞれについて、もう少し詳しく書いていきます。
①力が入っていることを自覚する←気づけることが第一歩
「ここに力が入っているな」と最初から自覚している場合はいいのですが、力を入れるのが普段の癖になっている場合は、そのことに自分で気づいていないことがよくあります。
「自分はこっていない」「自由に動かせている」と思い込んでいるパターンです。
これは、程度の差こそあれ、誰にでも起きていることです。私にもそういう箇所がたくさんあると思います。自覚していないので気づいていないだけです。
力が入っている時に、「ああ力が入っているな」と自覚すること自体が最初の難関であり、最初のステップです。
②力をゆるめる(過剰な緊張をゆるめる)ように意識する←どうやって?
力が入ってしまうことが自覚できても、最初はその力をゆるめることがなかなかできないと思います。
その場合、どうしたらいいのかを私が思いつく範囲で書いていきます。
(1)力をゆるめた状態と、その時の身体の感覚を知る
まず、私の場合は、力が入っている部分の筋肉について調べたり(画像を見たり)、その筋肉がどう働くのか(作用や、関節と筋肉の動きの動画)を知ったりして、さらにそれが自分の身体のどの辺にあるのか、自分でさわったり、動かしたりしますが、
そこまでしなくても、なんとなく痛い部分を自分でさわってあげたり、軽く自分でマッサージしたり、動く範囲でゆっくり動かして動きを感じてみるとよいのではないかと私は思います。
実際にさわってみると、それだけでも少しゆるんだり、身体の動きが楽になったりします。「そこにその筋肉(や骨)がある」と、自覚して動かすだけでも、身体の動きがスムーズになります。
その効果はたいてい一時的なものですが、一度そういう状態を経験しておくことはとても大切です。
普段からがちがちに力が入っている箇所は、もうその状態がデフォルトになっているので、力をゆるめた状態(=本来の状態)が自分ではわからなくなっています。
なので、軽くマッサージしたりして、少しでもゆるんだ状態を体験できると、「その状態にどうやったら近づけるか?」というのを普段から考えることができるようになります。
本来なら、力を入れたりゆるめたりというのは、臓器などでない限り自分の意志でできると思うのですが(たとえば、手をぎゅっとにぎったり、ひらいたりすることは誰でも自分の意志でできる)、それが意図せずに力が入りっぱなしになっていたり、自分で動かし方がわからなくなったりしているので、問題が起きます。
力を入れた状態と、ゆるめた状態(そしてそれらの中間のグラデーション部分)を、自分で意図的にコントロールできるようになるといいな、ということです。
※また、他にも、「そもそもその筋肉を過剰に使ってしまうのは、本来動かすべき別の筋肉をうまく使えていないから」ということもあるので、「本来動かすべき筋肉を意識して使うようにする」というアプローチもあります。前回書いた、太もも裏のことはそちらのアプローチを使っています。今回は省略します。
(2)マッサージや、動かす動作なしでも、「意識」すればゆるめられるように
そのように、最初は軽く自分でさわったりマッサージしたりして、何か「ゆるめるきっかけ」があればと思うのですが、ゆるんだ状態や、その状態で身体を動かす感覚が少しでもわかってきたら、今度は徐々に、マッサージなどなしに「意識」して(自分の意志で)その状態を作り出せるようにします。
楽器を弾いている時などは特にそうですが、演奏中に「力が入っている」と自覚しても、いちいちマッサージや肩まわしをするわけにはいきません。
そこで、自分で「力をゆるめよう」と意識して、できるように練習します。
この時、「力をゆるめよう」と言葉で考えたり、筋肉のことを画像で想像したりする必要は、ありません。
たとえば手をにぎったり手をひらいたりという動作をする時には、手のことをいちいち想像しなくても、できます。歩くときも、「右足を前に動かして…」などと考えずに、歩けます。それと同じように、もっと身体感覚的として意識する、というような感じです。
私たちは、歩きながら人と話をしたりできますが、「歩きながら話ができる」ように、「身体のことを意識しながら音楽の演奏に集中する」ことが可能なのだそうです。
意識することを癖づける、繰り返す→上達する
そしてこれらのプロセスで大切なのは、まずは、「できる」ことよりも、自覚したり、どうにかしようと「意識する」ことです。
最初は、いきなり力をゆるめたりすることはたいていできないのですが、自覚して、意識しているだけで、すでにそれ以前とは身体の動きと意識が変わっているそうです。
そして、意識することを普段から心がけていればいるほど、「意識する」ことへの労力が減り、意識できる「範囲」や「程度(効果)」も大きくなっていく(上達する)そうです。
以上、私が普段やっている「身体の意識の仕方」について、書いてみました。
肩甲挙筋の話に戻れば、私はやはり普段の生活からここを固めてしまっているのがわかるので、なるべくゆるめる(固めるのをやめる)ように意識しています。特に、こうしてブログを書いている時など。
楽器を弾いている間に出る癖というのは、普段からやっていることが多いそうなので、普段の日常生活で意識することが有効なのだそうです(楽器を弾く時間はかなり限られているので、弾いている時だけ意識しても短い時間で終わってしまう)。
もしよければ、参考にしてみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。