今日は、最近私が練習中に意識していることを2つ書きます。
「安心して弾く」ことと、「音色(響き)を聴く」ことです。
先日の動画の記事でもちらっと書きました。
【動画】Senpolska efter Lars Sahlström(2023.2.1)
もしよければ、参考にしていただければと思います。
安心して弾く
弾いている最中は、やっぱりどうしても力が入ってしまいます。
でも、「力を抜こう」と思っても正直あまりうまくいきません。
そもそもどこをどういう風に力を抜いて、その抜いた分を、どこでどうやって補えばいいのかがわかりません。
(普段の自分の弾き方から、ただ部分的に力を抜くだけでは、へなへなになったり弓がよたよたしてしまうだけです。力を抜く分、別の新しい弾き方が求められると感じています)
そのため、「力を抜く」とは違う考え方をするようにしています。
それが、「安心して弾く」です。
「この音を弾いてもうまく出ないんじゃないか」「うまくいかないんじゃないか」という不安をできるだけ手放します。
どうやって手放すかというと、私の場合はただ「すごくリラックスできる状況を思い出す」というだけです。
私がリラックスできるのは、「リラックスできる音楽」を聴いている時です。
なので、弾く時にも、その音楽を思い出して、その音楽を聴いている時の自分の身体のリラックス状態を思い出す、というようにしています。
自分の演奏の時には力んでしまっても、人の演奏ならふう~と一息つけるので、その感じを思い出すのです。
身体がゆるんで、地に足が着いたような、落ち着いた状態になります。呼吸も静かになります。
それ以外にも、例えば「温泉に入っている」イメージで弾き始めるのもいいかなと思います。
温泉に入っている時って、ほっとして全身の力がいい感じにゆるむので、思い出すだけでもリラックスします。
リラックスすることで、「大丈夫、何も問題ない」と思えたらそれでOKです。
こういった方法をとることで、私が特にいいなと思うのは、「重心が下に下がった感じがする」ことです。
特に、おなかのあたりがふうっと下に下がると、音が本当に良くなります。
私の場合は、おなかのあたりから足にかけての力がふうっと抜けることで、上半身全体がオープンな感じになり、弓が動かしやすくなるのと、
足の力も抜けるので、足踏みがしやすくなります。
音にも繊細さや安心感が表れると感じています。
そして単純に、弾いていてすごく心地がいいです。
音色(響き)を聴く
もう一つ意識しているのは、「音色(響き)を聴く」ことです。
留学先で先生達に言われたことや、その他、人の言っていることなどをいったん全部忘れて、自分の出した音の音色と響きだけを、よく聴きます。
私は方法論にとらわれがちなので、方法にこだわるのではなくて、目的(音)そのものにアプローチします。
自分の出している音色を聴くと、自分ができていないこと、より必要としていることなどが、見えてくることがあります。
もしくは、「見えてはこないけど、自分が出したい音(ニッケルハルパの音)じゃないことだけはわかる」という時もあります。というかこちらの方が多いです。
「こうじゃないのはわかるけど、どうしたらいいのかはわからない」という時は、あれこれ試して、その音で出したい「響き」をイメージして弾きます。
例えば同じドの音を弾くにしても、「あの曲なら響きをイメージできるのに、この曲だと全然イメージできなくて、音をつぶしちゃうんだよな」ということが常にあるので、「この曲でこの音をどう響かせたいのか?」「次の音を弾いた時に、前の音と響きが混ざる感じをイメージできるか?」といったことを、弾きながら、弾き心地とセットで探ります。
弾き心地が良い時は音も良いので、弾き心地と音はセットなんです。
その過程で、「弓をこういう風にすればいいんだ」とか、「こういうつもりで弾けばいいんだ」という自分なりの方法を見つけることもありますが、翌日その方法を試してもうまくいかない時もあるので、結局は「音色に訊け」ということになります。
昨日上手くいった方法よりも、常に「今」自分の音がどうなっているか、です。
特に、弓の動かし方や、指のことにとらわれている時は響きのイメージができていないことが多いので、「弓も指も心配しなくて大丈夫」と思いながら、ひたすら自分の音の響きを聴き、試行錯誤します。
以上、私が最近練習中に意識していることを書きました。
とりとめのない内容になってしまいましたが、何かの参考になればと思っています。
「安心」というのは私の中での最近のキーワードのようで、自分の中での心地よさと、心地よい状態を作りながら物事に取り組むにはどうしたらいいか?というのを、考えています。
楽器や音楽に関しても、ポジティブな感情と結びついた体験をたくさん重ねていけるといいなと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。