スウェーデンの食材に「Knäckebröd」というものがあります。
今回はそのKnäckebrödについてご紹介します。
Knäckebröd
読み方は、「クネッケブロード」と「クネッケブレード」を足して2で割ったような読み方です。
brödはパン(ブレッド)なので、「クネッケブレッド」とも表記されます。
このKnäckebröd、スウェーデンではパンの代わりに食べます。
主食なのですが、特に「朝食」や「軽食」の際に軽く何か食べたいな~という時に食べる人が結構多いかなと思います。(もちろん昼食でも夕食でも食べますが)
スウェーデンの伝統的な食材ですが、日常的に食べられていて人気です。
値段や会社によって色々な種類(材料が違う)がありますし、手作りもできます。
そんなクネッケ(以降「クネッケ」と書きます)の人気の理由を私なりに書いてみたいと思います。
人気の理由① 健康的
スウェーデンの人はわりと健康志向です。
菜食主義の人もとても多いですし、街を歩けばランニングしている人に会うし、「健康食材」というのも人気な食材の1つです。
クネッケはもともとは伝統的な保存食で、その分、味も原材料もシンプルです。
材料は、ライ麦粉(全粒粉)、塩、水、酵母が基本。
(材料についてはこちらのサイトを参考にさせていただきました→https://www.panaderia.co.jp/hokuou/051/index.html)
伝統的な形状は「丸い円盤型」で、ちょうどCDのように真ん中に小さい穴が開いています。これは昔、平たく薄くした丸いクネッケの真ん中を棒に通して、物干し竿のように干して乾燥させて作っていたからこその形なのだと聞いています。
基本の材料にはバターなどが入っていないので、たとえばバターをたっぷり使ったパンに比べると、主食としてかなりヘルシーです。
また、クネッケはそのままで食べてもあまりおいしくはなく(私が思うに)、バターを薄く塗ったり、チーズを載せたり、ゆで卵やキュウリやトマトやパプリカやニシンの酢漬けなどを載せて初めておいしくなるので、クネッケばかりをばくばくと食べ続けることはできません。
結果的に、「そのままでも充分おいしいようなパン」などを食べるよりも健康的なのです。(もちろんハードなパンもスウェーデンにはありますが)
また、クネッケを食べるととてもよく「噛む」ので、その点でも健康的だと言えます。
人気の秘密② 手軽に食べられる
スウェーデンは乾燥しています。
だからこそこういった「乾燥」させた「保存食」が存在しているのだと思いますが、そんな気候なので、このクネッケも常温で長期間保存することができます。
クネッケ自体は大きいパッケージで売っていることが多く、実際大きいパッケージで買った方が安いのですが、他の食材と比べて腐らないので、大量でも気軽に買えます。
また、食べる時にもさきほどのようにバターを塗って食べたり、チーズやゆで卵や野菜やニシンの酢漬け(瓶詰)やサラミなどを載せて食べるだけなので、手軽です。
(スウェーデン人は必ずバターを塗ってから上に何かを載せていますが、私的にはチーズとかゆで卵とかがあればバターは無くても良いかなと思います)
食べきれるかを心配せずに気軽に大量買いできるし、食べる時も手軽だし、結構お腹いっぱいになります。
トーストとするかどうかも迷わなくて良いし。
保存する時も、そのへんの棚に常温で保管しておけるので、さっと取り出して食べられます。
その手軽さが、クネッケの人気の理由の1つだと思います。
人気の秘密③ おいしい
クネッケはそのまま単体で食べてもあまりおいしくないと私は思いますが(味がしない。ただし、ライ麦粉以外に大麦やひまわりの種など、素材がたくさん入っているものはそのままでもわりとおいしい)、
チーズとかゆで卵とか野菜とかを載せて食べるとすごくおいしいんです!
私は先日、スウェーデンからいらした演奏家集団のHarpolirarnaの皆さんにクネッケを1パック(20枚くらい)いただきまして、久しぶりに自宅でクネッケを食べたのですが(3年ぶりくらい。というか日本の家で食べるのはたぶん初めて)、
めちゃめちゃおいしい~と思いました(笑)
クネッケ最高じゃん、と。
いただいたクネッケは特にシンプルでオーソドックスなタイプだったので、そのままだと本当に全然味がしないのですが、チーズとかを載せると「クネッケのバリバリ感」が「チーズのなめらかさ」とマッチしてすごくおいしいんです!
(クネッケがチーズに沈みこみながら口の中で合わさる感じです)
さらに、私は豪華にしたかったので、生ハムとかゆで卵とかも載せて食べました。
贅沢だな~と思いながら(笑)
私がもらったクネッケは、wasaのRågiという商品です(リンク先はwasaのHP)。
スウェーデン人はわりと手軽に食材をちょこっと載せてクネッケを何枚も食べるのですが、私は1枚のクネッケに色々(野菜とか)盛りに盛って欲張って食べるのが好きなので、そんな感じで「クネッケから食材がこぼれ落ちない程度に」載せて食べていました。
スライスする道具
ちなみに、話がそれますが、スウェーデンの人はチーズを大きい塊で買って、薄くスライスできる道具(刃物ではありません)を使って、食卓で食べる時にその都度チーズをスライスします。
それは良いのですが、そのチーズのスライサー(こういうやつです)を、皆キュウリにも使うんです!
刃とかはついていないのに。
びっくりしました。
キュウリって包丁で切るんじゃないの?ていうかその(刃がついていない)スライサーでキュウリとか切れるの?
と思ったのですが、皆さん器用にキュウリをスライスしていました。
スウェーデンのキュウリは太いので、ゆで卵と同じくらいの直径です。
スライスしてクネッケに載せるとちょうど良いんです。
…そんな思い出のあるクネッケです。
スウェーデン人も大好き、そして私も大好きです。日本でも、スウェーデン関係の食品を扱うところでは販売しているのではないかと思います。機会があれば試してくみてください。
あと手作りもできるみたいです。私はやったことがありませんが、日本語でのレシピも検索すると出てくると思います。
クネッケに色々な食材を載せたり塗ったりしてみて、自分流の「合う」組み合わせを探すのも楽しいだろうなと思います。
以上、スウェーデンでとても一般的な食材「Knäckebröd」についてご紹介しました。
いただいたものを数日前に食べて、「あ、クネッケってやっぱりおいしい。ブログに書かなきゃ」と思って、書くことにしました。
お読みいただき、ありがとうございました。