一昨日と昨日に続き、トリオ「Maskin」のコンサートの日本語訳③です。
①と②はこちら↓
今回は6曲目の後~11曲目の前まで訳します。
3人の素晴らしい演奏を引き続きお楽しみいただければと思います。
動画
前回終わったところ、⑥の曲のはじめから、再生するようになっています。
⑥(20:41~)「Gammal Ljungqvistervals nr.2(Gås-Anders伝承のワルツ、2番)」
(23:35~)
(※なぜか皆で笑う)
(Erika)今日は本当にGås-Andersの曲だらけです。しかもさらに1曲あります。
次の曲はポルケットです。
Gås-Andersの伝えたポルケットも、いくつかあるのですが、次の曲はたしかViksta-Lasseが「一番素晴らしいポルケットだ」と言っていた曲だと思います。
そうだったよね?
(Olov)そうそう。
(Erika)なので、それ以上に言うことはありません。素晴らしい曲です。
(ポルケットの多くが)忘れられてしまっているけれど(De går undan)。
(Olov)うん、忘れられているね。
ウップランドにはかなりたくさんのポルケットがあるのだけれど、そのほとんどが絶望的なくらいに楽観的な曲(どれもとても明るい曲調)だから、皆曲を覚えていられないんだよね(笑い)(※)。
(※ここ、全体の訳が合っているかどうか微妙ですが、とりあえず思った通りの訳でいきます)
(Robert)ポルケットを弾きながら、不機嫌でい続けるのは無理だよね。
(Erika)本当にね。
(※ポルケットはどれも明るい曲調なので、弾いているとどうしても明るい気持ちになってしまう、ということです)
⑦(24:20~)「Polkett efter Gås-Anders(Gås-Anders伝承のポルケット)」
この曲は私は留学中にRobertに教わったのですが、その時はこの曲を「『Polkett runt(ポルケット・ルント)』という名前で呼んでいる」と聞きました。私の聞き間違いでなければ。
「runt」は「around」の意味で、ぐるぐると回るポルケット、というような意味だと思います。
(26:04~)
(弾き終わった後にまた皆で笑い、曲順のカンペを見て、今誰がしゃべる番だっけ?と目で合図し合っている様子にErikaがまた笑う)
(Robert)2007年に私の娘が生まれました。Elsa(エルサ)という名前の子です。
その時、dopvals(ドゥプ・ヴァルス=洗礼のワルツ)を作りました。
次の曲はElsas dopvals(エルサのワルツ)です。
dopvalsの「dop」というのは「洗礼」のことを表しますが、私が思うに宗教的な意味合いよりも、(宗教に関わらず)「子どもが生まれた時にその誕生を祝って作ったワルツ」のことを一般的に「dopvals」と言っているのかな、と考えています。自分の子どもでも、知り合いの子どもでも。
他にもdopvalsというタイトルのオリジナル曲などがありますが、そのまま英語で「誰々のワルツ」と訳されているので、あまり「洗礼」に深い意味は無いのでは?と思っています。違っていたらすみません。
⑧(26:37~)「Elsas dopvals(エルサのワルツ)」 av Robert Larsson
(28:57~)
(Erika)きれいな曲。
(Olov)ちょっとまた楽器を持ち替えます。
私とErikaは数年前にRobertのところへある集まりに参加しに行きました。
Robertの40歳の誕生日のお祝いの会です。
私はその時、1つの曲を持って行きました。
私の記憶によれば、その時にその場にいた皆でその曲を覚えて、全員で、何度も何度もこの曲を弾きました。
曲には最初は名前がついていなかったのですが、(最終的には)「Kludd’n」というタイトルがつけられました。
(※私はOlovのしゃべりの一言一句を聞き取るのが少し苦手で、合っているかちょっと自信はありませんが、自分が思う通りの訳でいきます)
⑨(30:14~)「Kludd’n」 av Olov Johansson
(33:07~)
(Robert)ありがとう。(←自分の誕生日の曲だから)
(Olov)40歳の誕生日の時のようだね。この曲は(誕生日の時以来)ずっと私たちで楽しんで弾いているよね。
(Erika)「長く続いているヒット曲」だね。
(Olov)「長持ちするプレゼント」だね。
(※このコンサートの2020年時点で、すでにRobertの40歳の誕生日から約9年ほど経っていると思いますが、それでもなおこの曲を弾き続けていることから、「長く続くプレゼント(長持ちするプレゼント)」と言っているのだと思います)
(Robert)続いては、Gås-Andersの作ったワルツを1曲弾きます。
この曲は、Björklinge(ビョルクリンゲ)の郊外の製材所にちなんで名づけられています。
(※ここ、Robertが「レーブという名前の…」と言っていますが、3人全員の声が入っていてよく聞こえないので飛ばします。おそらく製材所の名前がレーブというのかなと思いますが)
(Erika)Gås-Andersはどこからでもインスピレーションを得る人だったんだね。
(Robert)こんなワルツができあがるくらいだから、さぞ美しい製材所だったんだろうなと想像せざるを得ません。
(OlovとErikaも笑顔)
(Robert)ということで、次の曲は「Maskin(マフィーン)」です。
(Erika)私たちのトリオ名の由来の曲でもあるね。
⑩(33:55~)「Maskin(マフィーン)」av Gås-Anders(Gås-Anders作曲のワルツ)
maskinの意味はmachineで、「機械」です。
(36:08~)
(Olov)2015年、今度はErikaがパーティーに呼んでくれました。
(パーティーばかりだね、と皆で笑う)
Erikaはフィドル奏者以外に別のキャリアを持っています。
それは学術的なキャリアで、古代ローマにおける女性のミュージシャンたちに関する研究の博士課程でした。
研究は上手くいき…(間を置く)
(Erika)うん。(笑う)
(Olov)(無事博士号を得たので)パーティーが開かれて、私はこのポルスカをErikaにあてて作りました。
名前は「Dr. Erika(ドクトル・エリーカ(エリーカ博士))」です。
(Erika)とても美しい曲。
⑪(37:09~)「Dr. Erika(ドクトル・エリーカ(エリーカ博士))」 av Olov Johansson
続きはまた明日以降に訳します。
以上、Maskinのコンサートの日本語訳③でした。
Erikaがイタリアの歴史関係の研究で博士号をとっているのは聞いていましたが、私はてっきり音楽とは無関係な研究だと思っていました。
でも「古代ローマの女性ミュージシャンについて」という研究テーマ(分野)を知って、「そうなんだ!」と思っておもしろかったです。
明日も引き続き訳していきます。
お読みいただき、ありがとうございました。