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Tunåsvalsen(トゥーノースヴァルセン) av Sven Tallroth

/ ニッケルハルパ奏者

最近和訳の記事がストップしているのですが、それというのも、どの動画を訳そうか考えているうちに時が経ってしまっているからです。

やりたいものがあっても、ためらったり、迷ったり。

でも、準備ができ次第また始めたいと思います。

さて、今回は私がここ半年くらいの間によく聴いている1曲を紹介したいと思います。

Tunåsvalsen av Sven Tallroth

Sven Tallroth(スヴェン・タルロート)作曲のTunåsvalsen(トゥーノースヴァルセン)です。

・きっかけーJosefina Paulsonの動画

この曲を知ったきっかけは、2021年のJosefina Paulsonの(大学院の?)卒業コンサートの動画です。9:00~の曲です。

(ちょうどその曲から再生するようにしています↑)

この曲、こちらの動画で初めて知ったのですが、すごく良いなあと思いました。

曲だけでは無くて、Josefinaの弾き方も良いです。

この演奏を初めて聴いた時、ちょうど私はワルツの弾き方について考えていた(悩んでいた)のですが、この曲を聴いて「なるほど」と思ったのを覚えています。

Bパートのメロディがちょっと複雑というか、重音を使っているのでどれがメロディがよくわからないような感じですが、素敵な曲だなと思いました。

・Sven Tallrothの動画

そこで早速曲について調べてみたのですが、曲についての情報はあまりありませんでした。

が、作曲者のSvenが弾いているところが少し映っている動画だけ見つかりました。

動画は曲のほんの一部の演奏だけで、キー(曲の調)もJosefinaの弾いているキーと違うように聴こえます。JosefinaはFで弾いているのですが、Svenは音だけだとDで弾いているように思います。

(一昨日、人と話した時に、「この曲はSvenはGで弾いている気がする」とお伝えしてしまったのですが、違いました、すみません)

ただ、Svenの他の演奏動画を見るに、指(で想定する音)と動画から聴こえてくる音が違う気がするので、もしかしたら調弦が違うのかもしれません。A弦がF♯になっている気がします。もしくは動画の関係で音が低く聴こえるとか?それはないですかね。

動画には少しだけナレーションが入っています。本当にちょっとですが、一応訳しますね。

(0:25~)

Svenはこのように、ボーイングの仕方や、ダブルストップ(重音、音をいくつか演奏する時の運指)と呼ばれる演奏方法を見せてくれました。

(0:44~)

ええ、このワルツ、TunåsvalsenはSven自身による作曲です。

そしてこの曲をもって、私たちはSven Tallrothを離れ、今度はアルファベット順の最後の文字である、Öの(頭文字の名前の)演奏家Öhrwallを見てみましょう。

ナレーションから察するに、演奏家を紹介する動画の一部の映像のようで、Svenの後に続くのはBirger Öhrwallみたいです。

また、Tunås(トゥーノース)はどういう意味かわからなかったのですが、地名か、もしくは人名かなと思いました。

・Svenについて

ちなみに作曲者のSvenは、ウップランドの演奏家の中ではよく聴く名前の人です。

Josefinaもコンサートの中で英語で説明してくれていますが、ニッケルハルパ奏者のOlov Johanssonの先生として知られるCurt TallrothやIvar Tallrothの兄弟です。

一応年齢の順番に書くと、Ivar(1904年生まれ)、Sven(1906年生まれ)、Curt(1920年生まれ)の順です(この3人の他にも兄弟はいます)。

さきほど、「Olovの先生として知られるCurtやIvar」と書きましたが、OlovはおそらくSvenともなんらかの関りはあったのではないかな?と思います。

Olovや同じ世代のこの地域の演奏家たちは、地域に住んでいる色々な演奏家から、それぞれ何かしらの影響を受けているみたいなので。

・Svenの演奏を見て私が感じたこと

そのSvenの演奏動画を見て私が印象的だったのは、「音の響き」と「ボーイング」です。

よく響いているなと思うのと同時に、ボーイングがあっさりめ(少なくとも見た目上は)なのが印象的でした。

私的にはEric Sahlströmとかと同じような部類のボーイング、と勝手に思っているのですが、ボーイングで上下に弓を返す際、あまり余計な動作や癖が入らず、なめらかです。

見た目だけで言えば、むしろ機械的にも見えるくらいにあっさりと上下に返しているように見えます。そして、だからこそ音が繋がるのだと思います(変に弓を弦から離したり、変な癖を入れないので)。

こういうタイプの演奏は、速い音が続く曲とかもすんなり軽やかに演奏できる、という特徴があると思います。簡単そうに弾くことができます。

こういうあっさりとした簡単そうなボーイングで、響かせながら、なめらかに弾く人、私はかなり好きです。簡単そうに弾く人の演奏、大好きです。見ていてほっとします。

・Svenの他の動画

さて、同じチャンネルにSvenの他の曲の動画もあります。どれも細切れの演奏ですが、いくつかあるうちの一部を載せます。

さきほど調弦のことを少し書きましたが、こちらの2本の動画を見ても、A弦の「ド」の指のところで「ラ」の音が出ている気がします。それで、調弦が違うのかな?と思いました。

いずれにしても、こういう映像(昔の演奏家が、自分の知っているような曲を美しく弾いている映像)を見ていると、「自分が知っている曲・よく弾かれる曲も、こういう風に弾けたら、れっきとしたコンサート曲になるんだよな」と私は思っています。

ちゃんとした映像(音と映像が合っているもの、短く切っていないもの)も見てみたいのですが、もしかしたら、著作権の関係などで細切れのものしか載せられないのかもしれません。

見られる範囲で、インスピレーションを受けていきたいと思います。


以上、私が最近よく聴いている曲をご紹介しました。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

お読みいただき、ありがとうございました。