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ルンドの生活でスウェーデンが好きになった。

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

(この写真は私にとってのベスト・オブ・ザ・ルンド。図書館です)

「私が初めてのスウェーデン留学を決めた経緯」というタイトルで、大学3年生の頃のルンド大学への留学を決めた経緯を書きました。

ルンドに行って以来私はスウェーデンが大好きになったのですが、中でも一番大きかったのが、ルンドの学生吹奏楽団に入ったことかな、と思います。


その吹奏楽団は数ある学生バンドのうちの一つで、私は正直、別にその吹奏楽団が特別好きだったわけでも、居心地が良かったわけでもありませんでした笑。誘われて入ってはみたものの、誰とも友達になれないし、皆スウェーデン語話すから全然会話にも入れなくて苦痛に思ったこともありました。一応楽しんでいるフリをして、全然わからないスウェーデン語の会話にニコニコしながら時が経つのを待っていたりしましたけど、うーん、やっぱりちょっと苦痛でした笑。

ただし、私はルンドにクラリネットを持っていっていたので、その吹奏楽団で音楽を演奏できたのはやっぱりとても楽しかったんですね。友達はいなかったけど(酔っぱらうと話しかけてきてくれる人は結構いたので、皆シャイなだけだったと思います。私もシャイです)演奏している間は言葉も関係ないし、クラを吹いている時はいつもの自分でいられました。演奏する曲は結構なんでもありで、私も曲目に対してこだわりも無かったし、演奏レベルも人によって全然違いました。というかレベルを気にしている人はあまりいませんでした。

その吹奏楽団で衝撃を受けたのが、まず練習に来ないでいきなり平気で本番に来る人がいたこと。「やっほー、久しぶり」みたいなノリで本番だけ来て、マジか…って思いました(この話を後で別のスウェーデン人にしたら、「うわー、さすがルンドの学生~」と言っていたのでスウェーデン人が皆そうという訳ではないようです)。あと他の楽器に比べてクラだけ異様に人数が多いので、「人数多いけど私いていいのかな?遠慮した方がいいかな?」と聞いたところ「演奏したいならいれば良いし、したくないなら無理に出なくて良いんだよ」と当たり前のように言われて感動しました(しかも言った人は普段からあまり愛想もなく特別優しくもない普通の人)。「いたいならいて良い」なんて、最高じゃん。中・高の吹奏楽部時代の自分にはとても想像もつかない言葉でした。心が広い。豊かだ。というか私の心が狭かった?

正直あまり居場所のない吹奏楽団でしたが、にも関わらず私はその「やりたいならやればOK」「自分がどうしたいのかが大事だぜ!」的な雰囲気を始終感じていて、自分にはないその発想に強く惹かれました。「どうやったらそういう風に思えるんだろう?」

私は自分がやりたいことが何なのかわからいない。目の前のことをやりたいのかどうかも全然わからない。だから私も自分がやりたいことを素直にやりたいと言えるようになりたい。そして人のやりたいことを認められるようになりたい。

そう思ったのを強く覚えています。反対に言うと、ルンドのことはそれ以外では断片的にしか覚えていません。一緒に行った日本人の留学生との思い出は結構残っているのですが、スウェーデン人との交流って思ったほどは無かったかも。その他で覚えているのは、例えば自由課題でシナモンロールの研究をして街中のシナモンロールを食べて12ページのレポートを書いたこと。やたらとパーティー(大音量の音楽の中で知らない人と飲みながら話す)が多くて無理して付き合いで行ってとても疲れたこと(私、パーティー無理)。学食で相席になった男子学生が、たまたま入ったおすし屋さんでバイトとして働いていて、エプロンは長いのに後ろ向いた瞬間にショートパンツ履いてて地味におもしろかったこと。日本人でスウェーデンに移住された方々とも交流したこと。日本で震災が起きた時に、日本に向けてのメッセージを学生たちに書いてもらって皆でビデオを作ったこと。そのビデオを作った時に、音楽を担当してくれた知らない日本人の方が「曲書くよ!どんな曲が良いかリクエストしてください」と言ってくれたのを良いことに私が盛大にリクエストして「それは無理です(泣)」と言わせてしまって反省したこと。くらいですかね。結構ありました。まだまだありますね。


あ、あともう一つありました。心に残っていること。

コペンハーゲンの空港駅から、電車に乗って初めてルンドまで行った時。私は他の日本人たち(同じ早稲田からの留学生10人くらい)と一緒でした。この時私、実はとてもハラハラしていたんです。アジア人の子供が10人電車に乗っている(私たちのことは子供に見えたでしょう)、しかもスーツケースをガラガラさせて、となったら、誰かに隙をねらわれてスリか何かに遭うんないか。何か犯罪に巻き込まれるんじゃないか。絶対そうだ。気をつけなきゃ。

当時の私は警戒心丸出しで、周りの外国人(というか私達こそが外国人)が全員敵に見えていました。おおげさじゃなく本当に。

で、そんな時に目が合った知らないおじさんか誰かがいて、その人がこっちに向かって微笑んだんです。びっくりしました。敵だと思っていたのに。

それがとっさの出来事で、私は微笑み返すことができたかどうか…。自分では覚えていません。

でもその時に「あ、」と思いました。「そんな方法があるんだ。知らなかった。いいなあ。私もそれ、できるようになりたい」。


スウェーデン人の考え方や発想の根幹がもっと知りたくて、それを自分の中にも取り入れたくて、私はスウェーデンが好きになると同時に「1年では足りない」と思ってしまいました。

スウェーデンの街並もデザインも、シュッとしたスウェーデン人の出で立ちももちろん素敵でしたが、一番心に残ったのはこれでした。

自分に無いものを、もっと知りたくなりました。

今日もお読みいただき、ありがとうございます。