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弓を持つ手の重心移動について。

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

先日は左手(キーを押さえる方)の指の力加減を意識しているということを書いたのですが、ここ2日間くらいは右手に意識を向けています。

そこで気が付いたのが、私は右手(弓を持つ方)の重心移動が全然できていないということです。

できていないというか、意識すらしていなかったなあと思いました。

「右手の重心移動」という書き方で表現が合っているのかわかりませんが、これは今現在弾いている弓の位置と弓の重心との関係によって、右手の人差し指側に重心を置くのか、それとも小指側に重心を置くのかが変わってくるということです。

詳しくは『ヴァイオリンの弓の持ち方』で調べると、そういうことを演奏のコツとして書いてくださっているサイトがたくさんありますが、ここでも私なりに説明したいと思います。

まずニッケルハルパの弓はだいたい38~43cmくらいなのですが(身長や好みによって長さにばらつきがあります。私は38cm。スウェーデンでは短い方ですが日本では標準サイズくらい)、その弓の重心(支点?)というのがあり、それはだいたい「弓の真ん中よりも少し手元側(手で持つ側)」にあります。これは調べるのは簡単で、弓を指一本の上に乗せた時にどちらにも傾かずに乗るポイント、こちらが弓の重心の位置になります。

その弓の重心よりも、弾いている位置が手元側の場合は、弓を持つ右手の小指側に手の重心をとって弾き、反対に弾いている側が弓の重心よりも弓の先っぽ側にある場合、弓を持つ右手の人差し指側に重心をとって弾く、というのがこの右手の重心移動です。これをするかしないかで、弾きやすさや音のきれいさ、力強さが全く違います。

おそらくヴァイオリンや擦弦楽器をやっている方にとっては常識なのでしょうが、私はニッケルハルパ以外にそういう楽器をやったことが無いので、今まであまり意識していませんでした(知ってはいたのですが)。そのことに昨日気がついて、意識してみたらすごく弾きやすいし音も良くなったんです。右手と右腕の動きも明らかに良くなりました。

ヴァイオリンとニッケルハルパでは違うところもたくさんあるので、他の楽器の弾き方が必ずしもニッケルハルパの演奏に適しているとも限りません。だから、他の楽器で良いと言われていること全てを取り入れるのではなく、実際に自分でやってみて「これは良い」とか「これは少し違う」とか、判断する必要があります。

地道な練習が色々な気付きをもたらしてくれます。とても楽しいです。

それからもう一つ。その重心移動の際に最初私は力を込めてやりがちだったのですが(つまり重心を移動させるというよりは、小指側に力を入れるか人差し指側に力を入れるか、というやり方になっていた)、そうではなくこれは方向性の問題だということです(方向性、という言い方で合っているかわかりませんが)。

力を入れてそちらに重心を置くのではなく、手首(というよりも実際には肘から伸びている「前腕全体」)の角度を変えることで重心を移動させます。これは前腕の回旋運動(まわす運動)です。回旋というのは、例えば腕をだらんと体の横に下げて、そこから肘を90度の角度になるように曲げ(地面と平行になるように)、そこでドアノブを回すような動きをすると起きる動きです。親指が自分の体側(内側)にくるのが回内、親指が体側ではなく外側にいくのが回外です。また、これは肘から先の部分で起きているのですが、この「肘から先の部分」が「前腕」と呼ばれる部分です。

この回内と回外が私はうまくできていなくて、というかうまくできていないのはなんとなく気付いていたのですがあまりちゃんと意識してこなかったので、今日はそちらも意識しました。

重心を移動させようとすると、つい指だけで力を入れたり角度を変えてやろうとしたり、もしくは手首を曲げたりしてやろうとしてしまいますが、指や手首だけではこの回内・回外の動きはできなくて、「前腕をいかにうまく使うか」が重要になってきます。その前腕に手首や指がついているので、前腕の回内・回外がうまくできると、そこからさらに手首を通過点として身体の力をうまく弓に伝えることができるし、指の細かい動きというのが可能になってきます。

と、いうのを今日練習していてとてもよく感じました。やってみて、とても良かったです。


そして最近さらにもう一点思うのが、こういうことをレッスンで簡単に伝えるにはどうしたら良いのかな?ということです。私はニッケルハルパをとりあえずがむしゃらに弾きまくり、その後で身体のことも少し勉強してそれを演奏中に意識して色々改善している最中なのですが、私がたどった長いプロセスを他の人にもたどってもらうのではなく、私のルートとは別に、いかに楽にショートカットして進む道を提示できるか、というのを考えています。

苦労して得たものにはもちろん価値があると思いますが、楽器を始める人は弾くのを楽しみたくて始めるのであって、苦労したくて始めるわけではありません。どうせなら始めてすぐに楽しめるように。

レッスンで生かすという点では私にできることは2つあるのではないかと思っていて、一つは私自身が良い弾き方(私の思う、良い弾き方)を身に付けてそれをお見せできるということ(参考にするものがあまり”良くない例”だとだめなので)。もう一つはそれをわかりやすい方法で説明できるということです。

説明の仕方というのは、それを教わる側のニーズと好み(こういう風に伝えてもらった方がわかりやすい、など説明のタイプの好みは人それぞれ)にもよるのでそこをうまくフィットさせてお伝えできるともっと楽器の楽しみ方が色々な人に短時間で伝わるのかなと思っていますが。

まあそう簡単にはいきますまい…とわかってはいるのですが、それでも色々高望みしながら、頑張りたいと思います。

昨日Kongeroの曲を載せたので、今日はKongero&Massivetの「Ku hålan」です。以前ご紹介したアルバムより。このアルバムも私はすごく好きで、この曲は『徐々に徐々にじわじわと』いって広がる感じがとても良いです。

私の動画は254曲目「Magdalenapolskan」です!歌詞のある歌の部分を1番だけ弾き、その後で歌詞の無い歌の部分を続けました。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!