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弓全体を使う、というイメージを持つこと。

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

ニッケルハルパの弓で「主にどの部分を使ったら(どの部分で弾いたら)良いですか?」と聞かれることがあるのですが、基本的には「弓全体を使うような気持ちで動かすと良いかな」と、私は思っています。

ニッケルハルパの音の出し方の特徴として、弾き始め(というか弾く直前まで)は弓で弦に圧力をかけるものの、弾き始めたら(音を出し始めたら)圧力を一気に減らして軽くすーっと速く弓を動かします。

その時に、「思っているよりももっと『速く』動かせ」というのを、スウェーデンの留学先で何度も言われました。特によく言っていたのはOlov Johanssonという奏者です。ほとんど常に「もっと速く」と言われました。私も、クラスメイトの皆も。

Olovはこちらの真ん中の人です。

Olovは身長が2mくらいあり、弓の長さも標準よりもかなり長いので少しわかりにくいかもしれないのですが、とても速く弓を動かしています。弓が長いので、ちょっとしか使っていないように見えるかもしれませんが。

(ちなみに私が使っている弓は38cmで、スウェーデンでは短い方に分類されます。日本だと普通か少し長めくらいでしょうか。身長によって、使いやすい弓の長さが変わってきます)

Olovだけではなく、速さのことは他の奏者にも言われましたし、実際他の奏者の動画を見ていても、スタイルの差はあれど基本的に弓全体を大きく使っている人が多いように見受けられます。

フィドル(ヴァイオリンのこと)の奏者も同じようなことを言っていたので、ニッケルハルパだけではないかもしれません。

弓を大きく使うと、音に伸びが出るように私は思います。最近私が意識している「拍を感じきる」や「ダンスの独特の浮遊感を出す」というのも、この弓全体を使うイメージ(「弓全体を使って良いよ」と自分に許可を出す)というのがポイントになっている気がします。

反対に、弓を短く使ってところどころで「止めて」しまうと、拍を感じきった演奏にならなかったり、浮遊感が出ず平坦に詰まったような演奏になるように感じます。

実際には常に弓全体を使うわけではないのですが、弓全体を使うイメージで、いけるところまでサーっといききる、というのは結構大きなポイントだと思いますし、自分の演奏にいまいちダンス感が出ないなという人は、そこを意識して練習すると良いのではないかと思います。

そうすると、なんというか、「音に余白が出る」気がします(「休み」とはまた違う余白感(=浮遊感))。音に余白が出ると、1音1音を流さずにそれぞれを大切に「思える」し、大切に思えると、「実際大切に弾くことができる」と思います。これは先日の演奏本番中にも思ったことなのですが、1音1音を大切に弾けている間はなんか「この一瞬一瞬で色々なことが起きているんだ!!」と思えるのです。「曲の終わり」というゴールを目指すのではなく、「今この一瞬」にすごく意識が向いて、演奏が濃くなるし、そういう時は「演奏中どこを見たら良いんだろう?」とか考えたり、緊張しているヒマがないって感じです。

あと一つ一つの「音」を流してしまうと「曲」がもともと持っている「流れ」が出てこなくて、「音を大切に弾くことで曲の流れが自然と作られる」という感じがしています。進んだり止まったり上がったり下がったりの、波が作られるような。

それから、拍の感じ方も大事で、「1・2・3」という単純な数え方にも実は色々な数え方ができてしまいます。私の場合は特に「浅すぎる」ことが多いので、もっと深くしっかり、と思うようにしています。それから「3から1」への「…3・1!!…」ですね。これはとても重要だと思います。「…3・1!!(でも1以降も続く)…」はポイントです。ダンスの時にも言われましたが、これは本当にそう思います。

…そんなことを考えながら、日々練習しております。良かったらご参考になさってください。


今日の動画は「Polska efter Zakarias Jansson(サカリアス・ヤンソン伝承のポルスカ)」です。この曲も弾かせて頂く機会が多いので、少しずつでも良くしていきたいと思っています。(以前よりも良くなってきたように思います)

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

 



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