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弾き方を考えてばかりいる時は、それよりもまず、出したい音をイメージしよう

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

以前、「小さな変化を大切に」と書いたブログの中で、「理想の音に近づくために、自分の演奏方法を大きく変えて練習しようとするよりも、いつもの自分の弾き方をしたうえで、何かを『よりもう少し意識してみる』と良い」というようなことを書きました。

何を意識するのか?は人によって異なってきますが、私が一つおすすめしたいのは、自分が弾きたいと思う「音」をよりイメージすることです。

そしてそれと同時にやってみてもらいたいのが、「運指やボーイングの仕方などをあまり頭で考えすぎない」ことです。

「出したい音」が目的、「どうやって弾くか」は手段

「こういう音を出すには、どうやって弾いたら良いのか?」

――運指、左手の感じはどうか。ボーイングの仕方、弓の扱い方はどうか。身体の感じはどうか。

そういうことを考えながら、練習したり他の人の演奏を見るのは、色々なことを学んだり気付いたりできるという点でとても良いことです。演奏の上達にも欠かせません。

しかし、自分が実際に演奏する時に「こういう風に弾けばこういう音が出るはず」と思って、「弾き方」から先に考えて弾くと、だいたいうまくいかない、というのが私の経験上感じていることです。

「こういう音を出したい」という目的が先にあり、その目的を達成するための手段としての、運指やボーイングの技術があるわけですが、「どうやって弾くべきか」という弾き方ばかりにとらわれてしまうと、手段が目的化してしまって、「出したい音を出す」という本来の目的を忘れてしまう(置きざりにしてしまう)からです。

(「こういう弾き方をしたら良いかも?」とひらめいて最初に試す時には、まだ手段と目的が入れ替わっていないので効果がある時もありますが、それを繰り返していると、目的を忘れてだんだんと効果が薄くなってきます)

ですから、「弾き方について考えを巡らせたり観察して変えたりするのは、そもそも何のためなのか?」という、本来の目的を忘れずに練習することが、非常に大切になってきます。

出したい音をイメージするだけで、出てくる変化

「こういう音を出そう」と思って音を出す時と、そうでない時とでは、音に大きな違いが出ます。

技術的には何も変わっているはずがなくても、演奏には違いが出ます。

これはまさに、「自分が練習している時には気が付きにくい部分」であり、でも「客観的に演奏を聴いていると大きな違いが出る部分」です。

自分では気が付きにくいので、個人練習ではこの変化を無視してしまうことも多いのですが、これを意識するかしないかで、1曲を通して演奏した時に曲の印象はかなり変わります

あと、私も含めてですが、普段から「どうやって弾いたら良いのか」などを考えすぎている人の場合は、「どうやって弾いたら良いのか」を考えることが癖になっているので、「出したい音を常にイメージしながら弾く(弾き方よりも音のイメージを先行させて弾く)」ことを維持するのが結構難しかったりします。

気が付けば自分の姿勢や弾き方(運指・ボーイングの正しさ)ばかりに気をとられている、という状態になりやすいです。

気が付いた時点でまた意識しなおす、ということを心がけるだけで、練習中の自分の思考や注意の向け方も、大いに変えることができます。


もちろん、演奏中に自分の弾き方や身体の状態を意識することも、必要です。

しかし、「なぜそれらを意識するのか?(=○○な音を出したいから、○○な演奏がしたいから、○○な気持ちで弾きたいから、○○な気持ちで聴いてほしいから)」という目的を忘れずに練習することで、その手段が持つ効果を、より発揮することができます。

もしよければ、こちらをより意識して、ぜひ練習してみてください。