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身体の意識の仕方。動作に必要のない部位の緊張をどう解くか。

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

最近の練習で三角筋を過剰に緊張させていることに気がつきました。

それを皮切りに、「普段自分がどういう風に身体のことを意識しているか」について、今日は書いていきます。

欲しい音色へのアプローチの仕方

練習中、いつも気にしているのは音色のことですが、自分が欲しい音色を手に入れるためには、アプローチがいくつもあると私は思います。

例えば、このような。

【音色作り・イメージ】

・他の人の演奏を聴いて、自分がどういう音を出したいのかを考える

・自分が出したい音をイメージしながら弾く

【弾き方について】

・自分の弾き方を分析する

・自分の弾き方のダメっぽいところを変えてみる

・↑の変え方を変化させて様子を見る

これらに加えて、私が意識しているのが、

【身体について】

・演奏中の自分の身体の、うまくいっていないところに気づき、改善する

です。

この、音色・弾き方・身体、それぞれ一つの方法だけにトライし続けるよりは、様々なアプローチを少しずつ、同時に試していくのが良いかなと思っています。メインの練習方法はその時々で変えながら、でも同時に他のことも少し意識する、というような感じです。例えば、「今日は身体のことをメインで意識しながら、同時に音色や自分の弾き方についても心の隅で意識しておく」というような(→身体の変化によって、音色や弾き方にどのような変化があるかを観察しておく、という)。

私も日によって違うアプローチをしているのですが、今日は身体のことについて、書きます。

三角筋が痛い

つい先日、肩のことについて書きましたが、肩や首周辺は以前に比べてかなり楽になってきました。

肩や首が楽になってきた分、あらためて気づかされたのが、「私は三角筋を過剰に使っている」ということです。

(三角筋も肩に位置していますが、一般的に肩こりで対象となるのは僧帽筋などなので、私は分けて考えています)

過剰に使っていると言っても、トレーニングのような正しい使い方ではなく、不要な場面で三角筋を過度に緊張させているので、コリが出るし実際に使った時に痛みが出ます。

肩こりなどがあるうちはその陰に隠れてあまり目立たなかったのですが、肩が楽になるとそこが気になり始めました。

意識してみると、弾いている時はもちろん、普段から自分がいかに三角筋を緊張させているかがよくわかりました。

腕を前に出す時にもなんとなく三角筋を使ってしまう、歩いていてもなんとなく三角筋に力が入っている等、あらゆる場面で三角筋を使ってしまうし、むしろ何をするにしても三角筋やそれに近い首の部分からいこうとする癖が自分にあるようです。

筋肉はそれぞれ関連し合っているので、周辺の筋肉にももちろん悪影響はあります。

そこで、三角筋を優先的に意識してみることにしました。

意識の仕方。こんな順番で意識しています。

この意識の仕方は人から習ったことをまとめたものなのですが、私自身、だいたいこのようなプロセスで意識していくようにしています。

①力が入っている時に、力が入っていることを自覚する

②今自分がしたい動作を考える

③その動作をする時に三角筋に力を入れることが本当に必要なのかを考える

④三角筋の代わりに、身体のどこを使うか(どこがどうなればいいのか)を考える

⑤(力を抜くことよりも)必要なことを積極的にやるように意識する

⑥これらのプロセスでの変化を実感する

今回は三角筋を例に書きましたが、身体のどんな部位でも構いません。

以下、これらの項目を説明していきます。

①力が入っている時に、力が入っていることを自覚する

まずは力が入っている時に、「力が入っていることを自覚する」ことからです。

今までは「なんとなく」「無意識に」力が入っていたのを、「あ、今力入っているな」と自覚するようにします。

②今自分がしたい動作を考える

力が入っていることを自覚してすぐに、いきなり力を抜くのは大変難しいです。

なので、力が入っていることを自覚したら、次は「今自分は何の動作をしたい(している)んだっけ?」と考えるようにします。

例えば、「左手の指が楽器のキーに届いて触れること」、「PCのキーボードを打つ」、「トイレのドアをあけること」、などなど。三角筋のことを話題にしていたのでここでは指・腕関連の動作を書いていますが、どんな動作でも構いません。

動作はなんでも構わないので、今自分は何をしようとしているのか?を単純にぱっと考えます。

③その動作をする時に三角筋に力を入れることが本当に必要なのかを考える

次に、「その動作をする時に、三角筋に力を入れることは本当に必要なのか」を考えます。

考えるというか、あまり考えなくても答えは出ているのですが、正直、必要ない場合がほとんどだと思います。

必要な時には、身体に違和感がないんです。必要でない時に過剰に力を入れているから違和感があるんです。(少なくとも私の場合は)

ですので、「ああ、今必要ないのになぜかここを使おうとしているんだな」というのをここで自覚します。

ここで、入っていた力が抜ける場合もありますが、そうでないことも多いので次に進みます。

④三角筋の代わりに、身体のどこを使うか(どこがどうなればいいのか)を考える

三角筋を使うことが必要でないなら、代わりに身体のどこを使えばいいのかを考えます。

もしくは、これだと難しいので、「その動作をするうえで、身体のどこがどうなればOKなのか」を考えます。

例えば、「PCのキーボードを打つ」であれば、「指がPCのキーボードに届く」「指がキーボード上を自由に動く」「指がキーボードを押す」など。

すると指がキーボードに届けばいいので、そんなに過剰に腕をあれこれ使ったり、三角筋を緊張させる必要はないことがわかります。腕を緊張させてしまうと、かえって指の動きに制限がかかり不自由になることもわかります。

(腕以外にも、首に力を入れたり首を前に出したり胸を縮こませたり、等々もしなくていいということもわかります)

③と合わせて、今自分がしたい動作に何が必要なのか/何が不要なのかを頭で理解します。

⑤(力を抜くことよりも)必要なことを積極的にやるように意識する

そしてここからが重要なのですが、④で考えた「必要なこと」、こちらを積極的にやるように意識します。

例えばさきほどのPCの例でいえば、指がキーボードに触れて自由に動いてくれればいいので、まずは指、それから手、そして前腕などを、必要な分だけ積極的に動かすことを意識します。順番としては指が一番先です。

「その動作を行う上で、特に動いて欲しい部分を、必要な分だけ積極的に動かす」ことに、意識を持っていくようにします。

積極的に動かすといっても、力を込めたり大きく動かす必要はありません。そうではなく、「なんとなく無意識に、テキトーに雑に動かしていた」ところを、「あえて、意識して、行う」のです。それによって結果的に力が加わったり、動きが大きくなることもありますが、反対に不要な力が抜けたり、雑だった動きがコンパクトで的確になることもあります。

そもそも、「不要な部分を過剰に緊張させてしまうこと」と、「必要な部分を積極的に使えていない」ということは、たいてい同時に起こっています。今回の私の場合でいえば、前者が三角筋、後者が指(や手や前腕)です。

むしろ必要な動きができていないから、それを全く別の部分の動きで補おうとしてしまい、結果としてそちらに不具合が出てしまうのだそうです。

その場合、たいていは「緊張している部分の緊張を解く」アプローチがとられると思うのですが、そうではなく、動きに必要な部分を積極的に動かすことによって、動きに不要な部分の緊張が自然と解けるというのがこのアプローチの狙いです。

⑥これらのプロセスでの変化を実感する

そして、積極的に動かした場合と、そうでない場合とで、過剰に緊張していた部分がどう変化しているかを、自分で確認します。これは「なんとなく」で、感覚的で構いません。

少しでも良くなっていると感じたら、その小さな変化を大切にし、このプロセスを続けます。続けていると、意識するのがだんだん楽になります(少し意識するだけでできるようになってきます)。

すぐには完全に緊張を解くことができなくても、少しずつ取り組んでいくと、かなり効果があります。

やりたい動作に集中する

演奏中などは特に、力を抜こう抜こうとしていると、演奏に全然集中できなくなってしまいます。

不要な力が入っていることを自覚したら、それをどうにかして頑張って取り除こうとするよりも、今自分がどういう動作をしたいのかを思い浮かべ、その動きに必要な身体の部位に意識を集中させた方が、パフォーマンスとしても質が上がるのではないかと思います。


身体のことを意識するのは、演奏技術や生活の質を向上させる方法の一つなので、メインの目的ではありません。

自分の目的を達成するために、とりうるアプローチの一つとして、もしよければ参考にしてみてください。

私も、上記のやり方で気がついたことや改善点があれば、またブログに書いていきたいと思います。