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「ニッケルハルパとスウェーデン民族音楽を伝える人」としてではなく、私は私として演奏がしたいんだ。

/ ニッケルハルパ奏者

最近、プロフィールやHPを少し変更しました。最初にHPを作った時の内容では、今の自分に合っていないなあと思ったからです。

一番ひっかかったのは、「ニッケルハルパやスウェーデン民族音楽の魅力を伝えるための活動をしています」という文言。

違うじゃん、と思いました。

私はニッケルハルパやスウェーデン民族音楽の魅力を伝える「ために」演奏活動しているのではありません。

ただ好きだから、やっています!

そして音楽を聴いた人が少しでも楽しくなったり、癒されたり、元気になったら良いなと思います!そのためにできることを、たくさんします。たくさん練習します。MCの内容も(たとえつまらんMCになったとしても)たくさん考えます。良い音楽をたくさん聴きます。ソロでも飽きないようなアレンジもたくさん考えます。弾く時の身体の使い方も勉強しています。

それで結果的に魅力が伝わればそれは本望ですが、それが目的では、決してありません。

だってそれを目的にするのって窮屈だ、と思う自分がいます。


以前は「ニッケルハルパ文化を日本で伝える」という役割を、私は自分で自分に課していましたが、本当に苦しくてとても辛かったです。

音楽って自己表現で、個性のかたまりなのに、「文化の継承」という役割で見るとむしろ「個性を消さないといけなくなる」という矛盾がありました。スウェーデン人の弾き方「だけ」を知りたい人からしたら、私の自己表現やアレンジなんてむしろ邪魔になってしまいます。

自分を透明人間にしなくてはいけない辛さと、つまらなさ。苦しい。きっと聴いている人にとっても、非常につまらない演奏になってしまうと思います。

「自由さ」と「気軽さ」がスウェーデン民族音楽の醍醐味の一つなのに。

また、「文化の普及」という役割を担おうとすると、「なんでもボランティアで引き受けなくてはいけなくなる」という呪いもありました。これも無理でした。魂こめて(お金と時間もかけて)毎日練習しているので。

あと他にも色々支障が出て、無理だと気が付きました。でもいまだに私はこの役割を引きずっていて、苦しくなることがよくあります。

文化の普及を目的にしてしまうと、私の個性とか、私の利益とか、とにかく「私」の居場所がとことん無くなってしまうんです。それは私には無理です。個性も自己表現も利益も一切追求しないならば可能だと思いますが、それでは色々な意味で死が待っています。悪魔のポルスカで踊らされます。

私は「ニッケルハルパを弾く人」になりたくてニッケルハルパを弾いているのではなくて、「私が自分で選んで弾いている」のがニッケルハルパとポルスカだった、というだけなんです。魅力も伝えたいし、私自身も楽器のことも音楽のことももっと知りたいけれど、そのためだけに私は存在しているのではないんです。文化の担い手としてではなく、私は私なんです。私の演奏は私の表現なんです。正解かどうかなんてどうでも良いんです。

楽しいから弾いている、だけでは納得してもらえなくても、私にとってはそうなんです。スウェーデン民族音楽が好きだなんて変わってる、って思われても良いです。変人扱いで良いです。でもただの日本人で凡人です。他の音楽だって大好きです。スウェーデン以外の曲も普通に弾きます。

もっと自分の音色が出したいし、もっと自分らしい演奏がしたいし、それがモチベーションです。立派な理由なんて無くて、個人的な動機で動いているのが私です。報酬無しに頼られたり何かの役割を背負わされるのは苦手です。レッスン以外では楽器のノウハウは一切教えたくないです。レッスンを受けてくださる方に私の知っていることを全部還元したいです。演奏も、気軽にほいほいその辺で弾きたくないです。出演料をくださる方に全力を尽くします。お客様に喜んでもらえる演奏がしたいです。楽しんでもらいたいです。

音楽はとても楽しくて、周りを幸せにする力に溢れています。だからこそ、自分に正直になる必要があると思います。良いことばっかり書けないけど、これが私が思うことです。音楽は本当に楽しい。それを周りと共有出来たら、本当に幸せだと思う。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!