レソノサウンドのニッケルハルパ教室を受講してくださった方に普段アンケートをとっているのですが、昨日そのアンケートの内容などを見せて頂きました。それで、「聴く」より「弾く」方に興味がある方が多いかも、という話になりました。
それで考えてみたのですが、私自身も中学校で吹奏楽部に入りクラリネットを始めた時、最初はクラリネット自体にすごく興味があったわけでも吹奏楽曲に詳しかったわけでもありませんでした。「何か音楽がやりたい」と思って吹奏楽部に入って、パート分けでたまたまクラリネットに振り分けられたから、そこからクラリネットの曲や吹奏楽の曲を聴くようになったのでした。
ニッケルハルパも、最初はスウェーデンの民族音楽を聴いたこともないのにいきなり「やる」ところから入ったので、入口はあくまでも「聴く側」ではなく「やる側」だったんですね。
そう思うと、何か楽器を始める時ってもともとその楽器や音楽ジャンルにすごく興味があって始めるという場合よりも、その楽器を「やってみたい」と思うからとりあえずやってみて、そこからその楽器が使われている音楽を聴くようになる、というパターンも結構多いのかなと気が付きました。
というか私自身がそうだったわけですが、忘れていたなと思います。
「ニッケルハルパを始めたばかりの人のスウェーデン民族音楽への興味具合ってどんなもんなんだろう?」というのが私が今までよく疑問に思っていたことで、レッスンのスタンスや説明のバランス(楽器の弾き方の説明と、スウェーデン民族音楽の説明のバランスをどうするか)をはかりかねていたところがあったのですが、自分の経験を思い返してみたら色々と参考になることがあるなと気付きました。
私自身、自分のそういう楽器の始め方(聴いたことはないけどいきなりやる、みたいな)を邪道のように思っていた節があったみたいですが、「その音楽を聴いたことはないけど、ただその楽器をやってみたい」というのは、楽器を始める立派な理由の一つだと思いいたりました。(あと、邪道かどうかを気にすること自体をもう手放したいです)
【音楽のこととかはよく知らずに、ただその楽器を見て「とりあえず、なんかやってみたい」と思ってやってみて、そこから音楽のことも知っていく】という道筋は実は結構王道なのかもしれないです。
明らかに「楽器の構造に興味がある」とか、「すごく好きな奏者がいる」とか興味の入口がはっきりしている方の場合はそちらを主軸としたレッスンが展開できるのですが、そうでない場合も、何かしらの「興味の中心点」がそれぞれの方の中にあると思います。それがニッケルハルパという楽器自体なのか?それともスウェーデンや北欧の文化なのか?それともスウェーデン民族音楽なのか?というところで、レッスン内容の比重も変わってきますし、できればそこに寄せて広げていけるともっと多くの方に楽しみを伝えられるんじゃないかと思います。
で、それを昨日の発見に照らし合わせてみると、おそらくスウェーデン民族音楽の音楽的な説明よりも最初はやっぱりまずは「弾きたい」があるのかな、と。体験したい、経験したいがありますよね。その時に、できればスウェーデン民族音楽の感じ(自然とリズムにのれる・細かいことは気にしない・楽しむ)も一緒に「経験」してもらえたらもっと良いし、そういう風に組み立てられるとより良いなと思いました。
ニッケルハルパもスウェーデン民族音楽も身近とは言い難い楽器であり音楽なので、何も説明が無いのも困るし、かといって説明だらけになっても楽しくないかと思うし、そもそも説明されないと楽しめない音楽でもないし。身近に感じられて興味が持てる、そして「自分にもできそう」と思ってもらえるようなアプローチがしたいなと思います。生徒さんに努力してそこに寄っていってもらうのではなく、実はもうあなたの側にありますよ、と私が教えられるように。
そのことに気が付いただけでも初回のレッスンへの取り組み方が更に少し変わるような気がします。やること自体を変えるというよりも、私自身の働きかけ方を常にブラシュアップていきたいです。
今日も弾きたくなるようなしびれる動画をこちらに。Emilia Amper(エミリア)です。カッコいいです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
番外編⑤は「Inori(祈り)」です!私が2019年に作ったワルツです。こちらはまた別の部屋の、押し入れの前にて。