以前も書きました、「The Folk Music Academy」。その中のLena Jonsson(フィドル)の動画の感想です!
【Lena Jonssonについて】
まずLenaについてですが、フィドルを弾く女性です。スウェーデン人で、Hälsingland(ヘルシンランド地方)出身です。すごく上手だし、良いです!
私はスウェーデンで3回、Lenaの演奏を聴く(会う)機会がありました。1回目はウプサラの Bror Hjorths Hus でのLenaのソロコンサート(小さな部屋で、お客さん30人くらいが定員のもの)。2回目は私の留学先のホームカミングのイベント(同窓会みたいなやつ)で行われたLena Jonsson trio(トリオ)によるワークショップとコンサート。3回目は演奏はあまり聴きませんでしたが、Umeå(ウメオ)で行われた音楽フェスティバルでの学校の宣伝ブースで見かけました(LenaはどこかのFolkhögskolaで先生もしているので、その学校の宣伝で来ていました)。
Umeåの学校宣伝ブースで会った時、Lenaは「あ、また会ったね!元気?」と声をかけてくれて、私はとても驚きました。ソロコンサートの時もワークショップの時もほとんど話したことがないのに、私のことを覚えていたなんて!「演奏だけじゃなく、人としてもすごいなあ!」と感動しました。友人にその話をしたら、「お客さんのことを見ながら演奏してるんだろうね」と言っていました。そんな余裕があるなんて。私のことだけではなく、一緒にいた別の友人のことも覚えていました。なので、私の中でLenaは「演奏だけでなく、性格も気さくで誠実でとても良い人」とカテゴライズされています。私は単純です。
【感想】
今のところアップされている動画は、全てHälsinglandの曲です!Sextondelspolska(直訳すると16分音符ポルスカ)というpolskaが中心ですが、そうでないのもあります。
私はHälsinglandの曲はあまりたくさん知らないので(暗めでSextondelspolskaというイメージだけあります)、知らない地方の曲はやっぱり嬉しいです。
まずフィドルの演奏なので、左手の、斜め上からの角度(ちょうど自分から見たくらいの角度)でのアップがあります。私はフィドルを弾いたことがないので、指がこういう風に動くんだなあと思いました。弾く人にとっては当たり前なのだと思いますが、弾かない人にとってはこういうアングルは新鮮です。ニッケルハルパも弾く時は楽器に対して指が斜めに開くような感じなので、フィドルの指の感じを見ていてちょっと似ているかも、と思いました。
足元も、ワルツ以外は足踏みの様子が映っています。演奏と関係ありませんが、いかにも北欧(特にノルウェー!)って感じの柄の靴下をはいていてかわいいです。似合ってます。
曲の説明はほとんどなくて、いきなり教えるところからになっています。ただLenaは教え方も上手いので、その曲の基本的な弾き方、ボーイング、特殊なボーイング、装飾音、リズムの感じや跳ね方などを丁寧に説明してくれています。重音や弾き方のバリエーションも伝えてくれています。とてもわかりやすいです。音も良いです。
確かレッスン4の曲(のspelman)がLenaの一押しだったと思いますが、私もあの曲が一番好きです。でもまだどの曲も覚えようとしている段階なので、弾いていったら他の曲ももっと好きになる気がします。今後また動画が増えていくと思うので楽しみですね。
フィドルの演奏には私はほとんどこだわりがなく、「この音が良い!」というよりは「どれも良いな」と思っています。なので私の感想は参考にならないかもしれませんが、Lenaの演奏も音が好きなんです。音を出す時のガッという感じと、伸びのあるなめらかな音色。それっぽいけどきれいな上手さもある、みたいな感じです。力いっぱい弾いている感じは全くしませんが、音は結構大きい方だったように思います。あと遊び心がある感じ。素敵です。
そして何より、Lenaのチャーミングな人柄も伝わってくる動画です。
かわいらしくて人としても魅力的。一昔前は一癖も二癖もあるspelmanがいたという話も聞きますが(すぐ怒る、とか笑)、私が知っている(現代の)spelmanは人としても尊敬できる人が多い気がします。ミュージシャンとして活動する人も増えてきたせいでしょうか。それとも時代の変化でしょうか。私が知っているspelman達は、葛藤や苦しみも乗り越えて音楽を好きでい続けて、だからこその強さを持っている人ばかりです。その人達の言葉には説得力があり、葛藤も苦しみも無駄じゃないんだって教えてくれています。
今日もレッスン頑張ります!
お読みいただき、ありがとうございます!