峰村茜のホームページへようこそ!どうぞごゆっくりご覧ください。

こじんまりと弾く癖をどうにかする試み(前編)

/ ニッケルハルパ奏者

私には、こじんまりと弾いてしまう癖があります。

最初から「こじんまりと弾こう」と思って弾いているわけではありません。

意図せずそうなってしまいます。

自分の頭の中のイメージと、実際に自分が演奏している姿(動画)がかなり違うので、「え、私ってこんなにこじんまりと弾いているの?」とびっくりするのです。

この癖をどうしたらよいのか、自分で弾きながら考えてみました。

今回は「こじんまりと弾く癖をどうにかする試み(前編)」について書きます。

私が試みたことを日記風に書きました。同じような悩みを持つ方に、参考にしていただけたら嬉しいです。

こじんまりと弾くとはどういうことか?

私の場合は、動画で以下のような自分の演奏姿を見た時に、「こじんまりと弾いているなあ」と思うことが多いです。

  • 思っていたより弓の使用範囲がせまい
  • 思っていたより弓が動いていない
  • 思っていたより弓が遅い
  • 思っていたより姿勢(上半身)がちぢこまっている

こうして書き出してみると、最後の1つ以外、私は弾いている時の「動き」に注目しているということがわかります。

録音だと音しか聴こえませんが、動画だと自分の動きがよく見えるからです。

また、音は演奏しながらでも自分にも一応聴こえていますが、自分の姿や動きは自分では全然わかりません。客観的に眺めた自分の姿というのは、動画でないと見えません。

別に演奏中の見た目をパーフェクトにする必要はありませんが(そもそもパーフェクトな見た目とはなんだという感じですが)、私は、自分の頭の中のイメージと実際の自分の動きが違うなら、そこに演奏の改善の余地が必ずあると思っています。

また、弦楽器は管楽器などよりも見た目上の動きが音と直結していてわかりやすいので、そのわかりやすさを自分の上達にうまく使っていった方が得だな、と思っています。

動きの大きさと、スピード

さきほど書いた3つの気になる点は「弓の使用範囲がせまい」「弓が動いていない」「弓が遅い」ですが、まとめるとこうかなと思います。

《もっとこうなると良い、こうしたい》

1.弓の動きを大きくする

2.弓のスピードを上げる

弓の動きを大きくするには、スピードを上げることが必須だし、スピードを上げると必然的に動きが大きくなるので、この2つは関連しています。

この1と2を意識して、練習してみました。

弓の動きを大きくする

コントロールの問題

弓の動きを大きくしようとしたところ、さっそくこのような問題点が出てきました。

  • 弓の細かいコントロールがしにくくなる(大雑把な動きになる、バウンドする、裏返る)
  • 音のコントロールが全然できない

さて、どうするか…?と考えました。

音よりも動きを優先してみる

私は「練習中に響きを聴く」というのをこれまでブログにたくさん書いてきましたが、ここで一旦、「響きを聴いて音をコントロールする」という練習をあえて置いておくことにしました。

音はとりあえずいいから、動きにフォーカスします。

変な音になるのをおそれずに、とにかく自分が目標とする動きになるように、弾きます。

良い音を出すことよりも、自分がしたい動きを優先します。

「良い音を出そう、コントロールしよう」と思うとたちまち動きが保守的になってちぢこまるのが自分でもわかったので、とにかく自由に大きく動かせ!という感じです。

「自分が普段動画で見ているような奏者たちは、あまり動かしていないように見えたけど、あの動きをするにはこんなに動く必要があったんだな」と思いました。

動きを大きくする→スピードも自然と上がる⇒でも動画で見ると全然いまいち

弓の動きを大きくしようと心がけたところ、弓のスピードも自然と少しずつ上がってきました。

とはいえ、そんな自分を動画で撮ってみても、思ったほど動きの大きさが変わっていなかったり、スピードが上がっていませんでした。

「これだけやってみても、まだ全然いまいちだ」と思いました。

自分の感覚の常識を変える必要がある

もっとやるしかないと思い、練習して、動画で撮って…というのを繰り返しながら思ったのは、「自分の感覚の常識を変える必要がある」ということでした。

「このくらいのスピードで弾くのが普通」「このくらいの動きで弾くのが普通」だと思っていたけど、おそらくそのやり方(私の常識的な感覚)を繰り返していても、それより先には全然いけないのだ…と思いました。

よく『スウェーデンの伝統音楽を外国人が弾いても全然だめだ(弾けていない)』と日本で言われているのを聞きますが(こういうことをいつも書かないようにしていたのですが、もう書いてしまいます)、

まさに自分に対してそんな感じがしました。

今の自分のやり方を「より上手くやる」という方向性では全然ダメだ、なんか根本的に違う、と思いました。

(「全然ダメ」と書いているのは、「目標に対してほど遠い」という意味の比喩なので、自分の演奏が全くもってダメだと思っているわけではありませんが)

「思っている以上に動かしてみてもこれくらい(いまいち)ということは、相当やる必要があるな」と思いました。


以上、「こじんまりと弾く癖をどうにかする試み(前編)」について書きました。

明日は後編を書きます。

お読みいただき、ありがとうございました。