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スウェーデン民族音楽との出逢い①

/ ニッケルハルパ奏者

これまでのブログで、私がスウェーデンに留学することを決めた経緯、ルンド、ブレーキンゲ、ストックホルムに滞在した時のことを書きました。

その中であえて飛ばした部分があります。サマーコースのことです。

ブレーキンゲでの2年を終えた私は、その直後に学校で行われた音楽のサマーコースに申し込みました。

そこで私はスウェーデン民族音楽に出逢いました。


学校で毎年行われている音楽のサマーコース。ブレーキンゲ1年目の時もサマーコースの存在は知っていましたが、受講しようという気持ちには全然ならなかった気がします。

それが、私が2年生になり、クラリネットを人前で吹く機会や歌ったりする機会が少し増え、去年は目に留まらなかったサマーコースのポスターに自然と目がいくようになりました。

ポスターによれば、そのサマーコースはこの学校で行われるらしいこと(学校が5月末に終わり、サマーコースは6月初めに行われる)、ジャズや民族音楽など色々なジャンルの音楽の授業があるらしいこと、どの楽器で参加してもOKらしいということ、がわかりました。

私は音楽の何かに参加するのは久しぶりで、自分のレベルで大丈夫かどうかが不安でしたが、それでも参加したいという気持ちが湧いてきました。内容が少し想像しにくかったのですが、とりあえずジャズもあるみたいだしなんとかついていけたら良いかな、くらいに思っていました。


実は演劇を学んでいる間もずっと、ピアノを触ったり、歌ったり、クラリネットを吹いたりして毎日何かしら音楽に触れるのが私の楽しみでした。学校が休みの日にも演劇学科の建物には常に自分の寮の鍵で入ることができましたし、その建物には音楽室もありました(ピアノもありました)。学校の本館にもピアノがあったので、そこもたまに使いました。人に聴かれるのは恥ずかしかったので、こそこそやっていました。

やっぱり音楽は良い。

演劇をやりながら、私はそうして毎日人目を気にせず音楽ができる環境に感謝していました。たまに人に聴いてもらう機会もあって、そういう時にも必ず嬉しい言葉をかけてもらいました。スウェーデン人も、一緒に留学した日本人の留学仲間も、褒め上手な人達でした。

 

ルンドに留学することを決めた時、私は音楽に関しては心が折れた状態でした。そんな私がルンドに行って、「自分がやりたいならやれば良いよ」って当たり前のように言われて衝撃を受け、それからはやりたいことに色々挑戦しました。不安や怖れを抱きながら。

考えてみれば、そこにはいつも音楽がありました。

ただし、私は以前のように自分ががむしゃらになってしまうことが怖くて、音楽に一生懸命になることを怖がって避けていました。だから夢中になる手前でやめるようにしていました。「音楽は上手い・下手じゃなくて、楽しむためのものだ」という言葉を、当時の私は今とは違う意味で使っていました。上手くなりたいとか、もっと知りたいという気持ちを抑え込むために、適度なところでやめるための言い訳にもしていました。もちろん、楽しむことを忘れない、という意味でも使っていましたが。

サマーコースに申し込んだのは、そんな抑え込んだ気持ちを「少しは解放しても許されるかな」と思ったんです。私、もう少し音楽を楽しんでも良いのだろうか。

そんな風にして、サマーコース初日を迎えました。つづく。

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