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【動画】Bisonpolskaと、先生としてのOlov Johanssonについて

/ ニッケルハルパ奏者

今回は、Bisonpolskaを弾いた動画と、Bisonpolskaを作ったニッケルハルパ奏者Olov Johanssonについて、さらにBisonpolskaという曲について、それぞれ授業での思い出などをまじえてご紹介したいと思います。

動画

Olov Johansson作曲のBisonpolska(ビーソンポルスカ)です。

まだ練習中という感じですが、ご覧いただけましたら嬉しいです。

Bisonpolska(ビーソンポルスカ)について

この曲は、私が留学していた学校(ESI)で、ニッケルハルパ奏者のOlov Johansson(オーロヴ・ヨワンソン)が、生徒に必ず教えていた曲の1つです。

OlovがVäsen(ヴェーセン)というバンドでアメリカツアーをしていた時、散歩の最中に、鹿か何か(曖昧ですみません)に出会って作った曲なのだそうです。

Bison(ビーソン)はバイソンのことです。実際にOlovが出会ったのはバイソンではありませんが、曲を作った後、曲名をつけた際にこうなったそうです。

Olov Johanssonという先生について

Olovは、コンサートなどではすごくかっこよく弾いていますが、先生として教える時にはとても丁寧に、冷静にゆっくりと教えてくれました。

先生によっては、教室でもものすごく大きい音量でガンガンに弾いて教えてくれますが、Olovは状況に合わせて、必要以上に大きい音量では弾かないので、私達生徒も、自然と落ち着いて耳をすませて彼の音色を聴くことになりました。

(常に音がすごく大きい先生の授業では、私達も自然と、声をはりあげるような弾き方になります)

大きい音量で弾いているわけではないのに、教室内では音がとてもクリアに響いていて、「すごいなあ」と思っていました。

初回の授業で、Olovが自分の音を聴かせるために1曲(polska från Tärnsjö)弾き、私達生徒に感想を聞きました。

私達の反応は「やわらかい音だ」という感想ばかりだったのですが、それを聞いた後で本人が「いや、実は鋭くクリアに弾くのを意識しているので、その解説をしようと思う」と言っていたのが印象的でした。

確かに鋭いと言えば鋭いけど、やわらかいと言えばやわらかいようにも感じました。

「聴いている人の感想と、弾いている本人の意図が違っていてもいいんだな(弾いている人の意図が直接伝わっていてもいなくても、演奏の良さは伝わるのだな)」と思ったのを覚えています。

(Olovはそういうことを言いたかったのではないと思いますが、私はそこで、「へえ~」と思ったのでした)

Olovの教え方、リズムのイメージなど

Olovは、音程への気遣い・音の出し方・響きをよく聴くことについて、特によく教えてくれました。

Olovの音色には、これら↑の項目について、彼がいかに丁寧に気を配っているかが、よくあらわれていると思います。

リズムに関しても教えてくれましたが、たとえば、このBisonpolskaは、16分音符ポルスカ(16分音符のリズムで構成されているポルスカ)なので、16分音符が「タカ・タカ、タカ・タカ…」と鳴り続けているリズムを感じながら弾くようにと言われました。

※16分音符ポルスカにも色々あり、奏者によっても弾き方が違うので、全部の16分音符ポルスカにこの原則↑が当てはまるわけではありません。

特に、「細かい音が続く部分」(3小節目など)は誰でもテンポが速くなってしまいがちなので、そこを注意するように(16分音符を感じ続けるように)、とのことです。私も速くなりがちです。

「タカタカ…」と16分音符が鳴り続けている感じというのを、Olovは「歯車がまわるのをイメージするような感じで」と言っていました。

Olovの説明は、「グラフ」を使った説明だったり、「歯車」とか、「メーター(ショッティスメーターの話)」とか、機械のイメージや理系的な話が出てくることが多く、説明の仕方にはそれぞれの先生の個性が出ておもしろいなと思いました。

Bisonpolskaの思い出

Bisonpolskaは、私達のクラスにとっては特別な一曲のひとつでした。

(おそらく、他の代の卒業生達にとってもそうだったのではないかと私は思っています)

学校内外のコンサートや、何かを弾く機会がある時、私達はこの曲を必ず演奏していました。

この曲は、音数自体はあまり多くなく、曲を覚えること自体はそんなに難しくないので、クラス内でレベルにばらつきがあっても、皆で弾くことができました。

私達がクラスで弾く時には、ちょうどこの動画の私の演奏くらいの、ゆったりとしたテンポで弾くことが多かったので、より皆で一緒に弾きやすかったです。

この曲のすごいところは、そんな風に、ゆっくりと弾けば誰でも演奏に参加できるようなシンプルな曲なのに、皆で弾くと一体感が増し、すごく荘厳な雰囲気になることです。

むしろそのゆったりさが、かえって感動的にも思いました。

皆の音色がそろうと、本当にかっこよく、気持ちがいいです。

伸ばしの音が多いのが、特にニッケルハルパの響きに合っているのかなと思いました(クラスにはフィドルの人ももちろんいましたが)。

コンサートなどで必ずこの曲を弾いていたのは、他の皆も似たような気持ちになっていたからだと思います。

そんな思い出のある曲です。


以上、Bisonpolskaの動画と、先生としてのOlov Johanssonについて・Bisonpolskaについて、少しご紹介しました。

学校や授業の雰囲気など、少しでも感じていただけたら嬉しいです。

また、動画に関しても、撮ってみて気づいた点や改善点がいくつかあるので、色々試しながら弾いていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。