峰村茜のホームページへようこそ!どうぞごゆっくりご覧ください。

留学先の学校でタダ働きさせられそうになった(実際した)話。

/ ニッケルハルパ奏者

ついさっき、全然違う話題の「共鳴弦の響きを生かすためにはどうしたら良いか」的なことをブログに書いたのですが、文章がつまらなかったので公開するのをやめました(笑)

そういうちゃんとした内容はレッスンできちんとお伝えしようと思います。


昨日の話の続きですが、留学先で先生に言われたことがあります。

「あなた達が学生だからって、『タダで演奏してくれるでしょ?』って言われることがあったら、断っていいよ」

(言ったのはこの前ブログに書いたDitteです)

その時私達は演奏の依頼を何個か受けていて、そこでちょっとトラブルになりかけていたので、先生がアドバイスしてくれました。

ちなみに、そのトラブルになりかけた件はボランティアでは無かったのですが、企画の主旨が私達に合っていなかったので、皆で話し合って最終的にお断りしました。(断ったら、返信メールに若干の捨て台詞が書いてあって、「おお…」と思いました。悪い人ではないのですが)

(↑この案件、そもそも、クラスメイトの一人が話を勝手に受けてしまって、そのことが後から皆の耳に入り、皆が「え?聞いてないんだけど…」となったのでした。そのクラスメイトは、私以上に何かを断るのが苦手な人で(とても良い人なのです)、なおかつ話を持ちかけてきた人がかなり人の話を聞かない強引な人(一人で勝手に色々すすめちゃう)だったので、そんなことになったのです)


同じクラスメイト関連でもう一つ、演奏とは関係ないけど「え…この学校は私達生徒にタダ働きさせる気…?」って思ったことがあります。

普段、学校の職員さんがお給料をもらってやっている、月に二回の夜のイベントがあります。ある日、そのいつもの職員さんが「子どもの面倒を見なくてはいけない」という理由で、来週のイベントの管理をお願いできないか?と言ってきました。

私達は、それは何か緊急事態なのだろう!!と思ったので、「いいよ!!」と言ってイベントの管理を引き受けました。具体的な仕事内容は、コーヒーを大人数分淹れたり、椅子を並べたり片づけたり、キャンドルを灯してその管理をしたり、お金の管理をしたり、イベントの進行をして皆さんを誘導したり、です。

かなり疲れたし大変だったけど、困った時はお互い様、と思いました。イベントは無事終了。もちろん私達への見返りは何もありませんでしたが、緊急事態なんだからしょうがない。

そしたら約1か月後、「またお願いしたいんだけど、来週の木曜日」、と言われました。

…え?また?この前我慢したのにまたタダ働きするの?生徒の私達が?

ちょうどコンサート前でかなり忙しい時期だったので、それを理由に断りました。

そしたら更に1か月後、また「お願いしたいんだけど。来週の…」、と言われました。

…。おぬし、気は確かか?緊急事態ってそんな頻繁に(しかも計画的に)起こるもの?

…こんな風に利用されることになるなら、2か月前の私達の善意の頑張りを返して欲しいな…

よりによって、その時その職員さんが声をかけたのが、あの(私以上に)押しに弱いクラスメイトだったので、とっさのことにクラスメイトは「いいよ!」と言ってしまったんですね。良かれと思って。

私はそれを横で聞いていて(話の流れ的にそうなるような気がしたので、会話に入りたくなくてなるべく聞こえないふりをしていたのだけど、朝ごはんの最中だから席を立てず、結局聞くはめになった)、「うわあー…」と思ったのを覚えています。

「いいよ」って返事したのはこのクラスメイト1人だけど、この人に仕事押し付けるわけにはいかないから、私も手伝うことになるよなあ、と。

断れば良いじゃん、って思うかもしれないのですが、なぜか断りにくかったんですよね。理由が理由だし…。そもそも私達の仕事じゃ全然ないし、私達だけじゃ責任持てないから学校的にもダメだと思うんだけど。

しかも今回はコンサート前でもないから、断る理由がない…どうしよう…!(前回断った時は、私はコンサート前でいっぱいいっぱいすぎて、実はすごく泣きながら断りに行きました。同情されました笑。でも今回また泣くわけにもいかないしな、と思った)

で、最終的に困った時の頼みの綱、Ditteに相談(ほとんど告発)して、無事断ることができました。「生徒達は学ぶためにここに来ているのであって、タダ働きするためにここに来ているんじゃない」とも言ってくれました。その通り。そして、「これからはもう頼まないようにする」という確約も得たのでした。

(Ditteはミュージシャンであり先生であるだけなので、本来なら授業外の私達の面倒を見る必要は無かったはずなのですが、私が留学した年はDitteが色々な計画の段どりをつけたり面倒を見ないと事が進まない、という感じで、実質上の様々な負担を全部背負ってくれていたんです)

これ以降は、その職員さんが予定がある時は別の職員さんが交代で来てくれることになりました。その対応が当たり前だと思うけど。


最終的には一件落着でしたが、「(私の常識からすると)あり得ない頼み事をしてくる人がいるもんだなあ」と当時思ったものです。スウェーデンの人はそういうところによく気が付く人が多い印象なので、「珍しいな」とも思いました。

しかもその職員さんは古いタイプのニッケルハルパの演奏がすごく上手なのに…。印象が一気に悪くなりました。(でも悪気はない。悪い人でもない)

休むことが悪いのではなくて、職員さんの都合が悪いならイベントの日をずらすとか、それこそ職員さん同士で都合をつけて(臨時職員を雇うとかして)なんとかしてくれよ、と正直思いました。

懐かしい記憶です。それでもあの学校が好き。

その頃と比べて、私は少しは成長していると良いなあ、と思います。