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鳥の声と焚火と北欧の夕暮れの中での音楽「Møn Sessions LIVE」を見て思ったこと。

/ ニッケルハルパ奏者

デンマークのMøn(読み方はムン。正確には「ムン」と「メン」の間くらいだと思います)という島でミュージシャンの動画を撮影して配信している「Møn Sessions」というYouTubeチャンネルがあります。

そのMøn Sessionsが、夏季にはLIVE配信も行っているのですが、そちらの動画を一つご紹介します。

世界で、そしてもちろん日本でも、とても人気のある「DREAMERS’ CIRCUS(ドリーマーズ・サーカス)」の回です。

ドリーマーズ・サーカスは日本にも何度か来ていてコンサートを行っています。私は2019年10月のコンサートに行きました。デンマーク人2人とスウェーデン人1人によるトリオです。

3人はそれぞれに民族音楽や北欧のトラディショナルな音楽をバックグラウンドに持ちながら、独自の世界観と新しい音楽(”自分達ですらも聴いたことが無いような音楽”)を追求し創造しています。

彼らの音楽は優しくあたたかく、シンプルな素朴さと洗練された優雅さがあります。

非常に人気の高いトリオで、私は正直に言うと、「ドリーマーズ・サーカスをめぐるミーハーな空気」みたいなものを感じてしまい(有名バンドあるあるですが)、音楽を楽しむことよりもそちらにずっと苦手意識を持っていました。

(実際そのような空気があるのかどうかもわかりません。結局は私の問題ですね)

ただYouTubeのおすすめ機能が四六時中この動画をおすすめしてくるのと、自分の中の「ミーハーな空気への苦手意識」とそろそろ向き合わねば、と思ったので見てみました。


見てまず思ったのは、Møn Sessionsの演出が素晴らしいということです。

見たことが無い方にはぜひ見て欲しいのですが、とにかく素敵です。

北欧の初夏の緑、樹々の様子、鳥の声、夕暮れの空の色、ランタンなどを背景に、焚火を囲みながらミュージシャンが演奏している様子が映し出されています。

変化していく空の色、聴こえてくる鳥の声、焚火のぱちぱち言う音が音楽やトークの合間に入っていて、素敵です。癒されます。その場に行ったような気分になります。

アコースティック楽器のコンサートは、ホールやスタジオで演奏されるのも良いのですが、こういう自然の中や木のぬくもりを感じられるような狭い室内で行われるものに特に魅力が凝縮されるように思います。

Møn Sessions自体は色々なミュージシャンを招いて行われているようで、他のミュージシャンの回もいくつかあります。

そして音楽も、とても素晴らしかったです。

私はドリーマーズ・サーカスをよく知らなかった時、他の民族音楽のグループと同じような感じで捉えていたので(伝統曲や、それっぽいオリジナルをがつがつ弾くような)、初めて聴いた時には「予想していたのと少し違うな」という印象を受けました。

「おそらく民族音楽というよりは、独自の音楽を創ろうとしているのかな」という印象を受けたのですが、この動画の最後の方でQ&Aの時間があり、そういった質問にも答えていてとても納得しました。

私は音楽を聴く時に、できればそのミュージシャンの考えや背景を知るのが好きです。知るとよりその音楽が好きになる気がするからです。そうでないと、「一流の肉屋に魚を買いに行ってがっかりする」みたいなことになるので、それはもったいないな、一流のお肉屋さんなのにな、とか思う訳です。

Møn Sessionsの演出も音楽を引き立てていて、私はスウェーデンにいた頃の色々なことを思い出しました。

自然はエネルギーをくれ、遊び心を掻き立ててくれて、大人を無邪気にさせます。五感がより研ぎ澄まされます。

こういう動画を見ると「北欧だなあ」と思うのですが、日本でもこういう場所でのコンサートや、お客さんとの距離が近い演奏会などが、将来的にはもっと行われるようになると思います。私もこういう場所で演奏がしたい、とあらためて思いました。

私は、スウェーデンを初め北欧の「素敵な部分(ライフスタイル・価値観・物事の楽しみ方など)」というのが、将来的には日本でも身近なものになるだろうと強く信じていますし、ほとんど確信しています。日本人の価値観も、より自由に、多様化していくことと思います。

動画を見て、癒され、元気が出ました。余計なことを考えずに音楽にふれられたのも、自分の中での一歩です。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

217曲目は「Limu Lima (Limu Limu Lima)」です!中世に起源を持つ歌です。