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16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについて(その1)リズムによる分類/ダンスの分類の違いと、それぞれの解説

/ ニッケルハルパ奏者

「16-delspolska、8-delspolska、Triolpolska」について書きます。

今日は、まずそれぞれのポルスカについて言葉で説明します。

明日以降、それぞれのポルスカを音源や動画でご紹介したいと思います。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

ポルスカの分類方法2つ(リズムによる分類/ダンスと紐づいた分類)

まずはおおまかに、ポルスカの分類方法について紹介します。

16-delspolska、8-delpolska、Triolpolskaというのは、ポルスカの種類(分類)なのですが、

これらは簡単に言うと「リズム(1拍を構成するリズム)に基づいた分類」のようなものです。

ポルスカには、このリズムに基づいた分類の他に、「ダンスや地域と紐づいた分類」もあります。

ダンスと紐づいているものは、例えばこちらなど↓

上のリンクのものは、すべて「ダンスや地域と紐づいた分類」です。

これら「ダンスに紐づいた分類」は、リンクにあげた以外にもたくさんあります。

一方で、「リズムに基づいた分類」は、16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaの3種類だけです。

リズムによる分類/ダンスと紐づいた分類→それぞれの違い、使い分け

ポルスカについて語る時、まずは「ダンスと紐づいた分類」の方に言及することが多いと思います。

たとえば「私はBondpolska(ボンドポルスカ)をよく弾きます」とか、「今日はBodapolska(ボーダポルスカ)を皆で演奏しましょう」とか。

そして、レッスンやワークショップで曲についてより詳しく解説したり、曲を分析するような時に、「リズムに基づいた分類」の方にも言及されたりします。

たとえば、「今日やるこの曲はBondpolska。Bondpolskaというのは、8-delspolskaだね」というように。

ダンスと紐づいた分類と、リズム(1拍を構成するリズム)に基づいた分類は、それぞれ別の分類方法ですが、なんとなくかぶってもいる、という感じです。

それぞれの違いについて、私の解釈で説明しますと、

「ダンスと紐づいた分類」の方は、演奏の仕方や、演奏時のリズムのとり方とも関連性があるのに対し、

「リズムに基づいた分類」の方は、単純に曲を構成するリズム(1拍をどうやって分解できるか)にふれているだけなので、演奏の仕方や、演奏時のリズムのとり方まで指定することがなく、たとえば同じ8-delspolskaでも、それがBondpolskaなのか/Bodapolskaなのか/Orsapolskaなのかetc…によって、演奏やリズムのとり方が変わってきます。

同じ16-delspolskaでも、淡々とリズムを規則正しく弾くような曲もあれば、少しリズムをくずしたような弾き方をするような曲もあります。8-delspolskaなども同様です。こういった「演奏の仕方の特徴」は、ダンスと紐づいた分類と関連していることが多いです。

では、16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaのそれぞれについて見ていきます。

16-delspolska

16-delspolskaは、Sextondelspolskaで、「セクストンデールスポルスカ」と読みます。

「16-del」(sextondel、セクストンデール)というのは、「16分音符」のことです。

(16=sexton(セクストン)、delは英語の「part」という感じ)

16-delspolskaは、私は日本語では「16分音符ポルスカ」と書いています。

16-delspolskaは、1拍を16分音符で腑分けできるポルスカのことです。

他の言い方をすると、

「1拍を4つ(16分音符)に分けることができる」

「1拍を2つ(8分音符)に分けることができる」など。

かなり雑な言い方をすると、16分音符が定期的に入っているポルスカはだいたいこの16-delspolskaだと考えてもよいと思います。

(たまに例外もあり、8-delsposlskaに16分音符が入っていることもありますが)

また、「16分音符で分けることができるポルスカ」なので、16分音符二つ分である「8分音符」のみで構成されているポルスカも、16-delspolskaとなります。

↑この場合、楽譜の見た目上は16分音符がなくても、16-delspolskaになる、というわけです。

8-delspolska

8-delspolskaは、Åttondelspolskaで、「オットンデールスポルスカ」と読みます。

「8-del」(åttondel、オットンデール)というのは、「8分音符」のことです。

(8=åtta(オッタ)→後ろにdelがつき「åtton~」に変化する)

8-delspolskaは、私は日本語では「8分音符ポルスカ」と書いています。

8-delspolskaは、1拍を3連符で腑分けできるリズムで構成されているポルスカのうち、3連符の最初の2つか最後の2つの音がタイで繋がっていることが多い(3連符が目立たない)、というようなポルスカです。

他の言い方をすると、

「1拍を3つに分けることができるポルスカで、3連符があまりないもの」

など。

8-delspolskaは、楽譜上では一般的には付点8分音符で書かれますが、実際には付点8分音符のリズムではないと説明されます。

実際は、3連符のうち2つの音が繋がっているもの(下の写真の右側)で、付点8分音符のリズムとは異なります。

ただ、楽譜でそれをいちいち書くと面倒なので、付点8分音符で書くのが通例となっています。

(本当に付点8分音符のリズムがある場合、そのポルスカは16-delspolskaであることが多いと思います)

8-delspolskaの判別方法ですが、おそらく、8-delspolskaよりも、16-delspolskaとTriolpolskaの方が「これだ!」とわかりやすいと思います。

ですので、大変雑な言い方ですが、

「16-delspolskaでもTriolpolskaでもなさそうな、跳ねている感じのポルスカは、たいてい8-delspolska」

くらいの感覚で私はとらえています。これは私の解釈ですが。

(8-delspolska(8分音符ポルスカ)と聞くと、「8分音符で構成されているポルスカなのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、実際には8分音符で構成されているようなポルスカは16-delspolskaになります)

Triolpolska

Triolpolskaは、「トリオールポルスカ」と読みます。

「triol」(トリオール)というのは、「3連符」のことです。

(3=tre(トレー))

Triolpolskaは、私は日本語では「3連符ポルスカ」と書いています。

Triolpolskaは、3連符が多いポルスカです。

これは見た通りそのままの意味なので、かなりわかりやすいと思います。

8-delspolskaも3連符に腑分けできるリズムを持っていますが、Triolpolskaは明らかに「3連符だらけ」という印象のポルスカになっています。

「3連符の多い(目立つ)ポルスカ=Triolpolska」

と考えてよいと思います。


以上、ポルスカのおおまかな分類方法の紹介と、16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについての解説をしました。

明日以降は、実際にどんな曲がそうなのか、音源や動画をご紹介していきます。

実際に曲を聴くとわかりやすいと思います。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

お読みいただき、ありがとうございました。

※今日書いているそれぞれポルスカの説明は、留学先(ESI)のDitte Andersson、Olov Johanssonをはじめとする先生方の授業をもとに書きました。