峰村茜のホームページへようこそ!どうぞごゆっくりご覧ください。

音程について

/ ニッケルハルパ奏者

今回はニッケルハルパを弾く際の「音程」についてです。

音程が大事

ニッケルハルパ、弾き始めて最初の頃は、音程なんて気にしている余裕は全くありませんでしたが、

ある程度慣れてきたら「音程、大事だなあ」と思うようになりました。

音程が大事なのは、まあ楽器をやっていれば当たり前なんですけれども…。

ニッケルハルパは特に共鳴弦の響きがあるので、「音程を意識しているかどうか」で曲の印象がかなり変わるなあということに気づきました。

と言われても…

私、もともと吹奏楽部だったこともあって、音程が大事なのはもちろんわかっていたのですが、なんか「音程!大事!大事!」って言われすぎて、外側からの圧力で「大事だ」と思ってきたところがあったんですよね。「合わせなきゃいけないもの」みたいな。

勉強やれ!って言われている状況で勉強する、みたいな。

でも自分の録音を聞いている時に、ふと「音程が良いと、曲全体の響きがとても良くなって印象が明るくなるなあ」と気づいたんですね。

「大事だから、気をつけろ!」って言われるから気を付けるんじゃなくて、自分の中で大事にしようって思っていたいなあ、となりました。

音程、どうやって気をつける?

でも音程気をつけるのって、難しいんですよね。

ニッケルハルパの場合、「左手のキーの力加減」と、「右手の弓の加減」で音程が変わります。

弦のチューニングをしたり、löv(音を変える時に弦に当たる木片部分。向きを調節することで音程を調節できる)の調整をしておくことも大事なのですが、そのうえで弾いたとしても、右手と左手の力加減で1音1音の音程が変わるので、メンタル(緊張具合)とかも結構影響するような気がします。

(※今回のブログは、楽器の弦のチューニングやlövの調整など、楽器の調整をすでに終えている状態の話を書いていきます。ちなみにlövの調整は、レソノサウンドで楽器を購入されている方の場合は、お引き渡し前にある程度調整済だと思うので、弦のチューニングをご自身でしてみてくださいね)

①弾いている時の手の感じを意識する

私の場合、とりあえずまず意識しているのが、「手の感じを意識すること」。

前回書いたような内容のことで、左手の力を抜いて弾くことと、右手の感じを意識することですね。

どの音もある程度同じような力加減や感覚で、比較的整った状態で、楽に弾けるようになると、それだけでもかなり音程が安定すると思います。

音によってでこぼこした感じになるのではなく、どの音もなめらかに(ニュートラルに)弾けるような感じです。特に左手の力加減ですね。

右手は強弱や曲の雰囲気によって弾き方や力加減も変わりますが、こちらも「自分の中でのベーシックになるような弾き方」みたいなものを見つけて、安定感を意識することで、強弱やリズムをつけても弾きやすくなって音程も安定すると思います。

自分にとって楽な弾き方、楽な音の出し方、シンプルな音の出し方をすることが、結果として、音色や、音を出すタイミングの向上にもなると感じています。

②次に出す音の音程のイメージをしながら弾く

あと大切だと思うのが、「音程をイメージすること」です。

やっぱりイメージは大事ですね。音を出す時には、イメージは必ずした方が良いなと思いますし、イメージすると結構変わります。

そのイメージに合わせて、身体が自然に動いてくれる部分もありますし、なんというか、気持ちやイメージが入ると音って変わるんですよね。

少し話が脱線しますが、イメージに関連して言うと、私の場合は「曲のキー(調)」によって音程のイメージのつきやすさにばらつきがありまして。

やっぱりニッケルハルパはC(Cメジャー)の曲が多いせいか、それとも私が練習している曲がCが多かったからか、私はCの曲が一番、全体の音程のイメージがつきやすいと感じています。そうすると、Cの曲に対する安心感が増すんですよね。

イメージしやすい曲がやフレーズが1つでもできると、そこを安全地帯にして、他の曲にもイメージを広げていくことができるように思っています。

③2つ以上の音同士の、距離感や間隔を意識してみる

また、私の場合、「1音の絶対的な音程」を意識するのはなかなか自分には難しいと思っているので、

「2つ以上の音同士の距離感」とか「そのキー(調)の中での音の距離感」みたいなものを意識することが多いです。

特に、オクターブや重音を入れる時はわかりやすいです。

例えばオクターブの音(低いドと高いドなど)を弾いて、音が濁っていたら音程が悪いんだなあとわかるので、「この2つの音が濁らないように出そう」とイメージするだけで音程が良くなるように感じています。

単音で弾く場合も、メロディの前後の音との距離間とか、それまでに弾いていた音の残響音を感じながら次に弾く音をイメージするだけでも(たとえばレソシ~と始まる曲なら、レを弾いた時点で、そこに重なって欲しいソの音程をなんとなくイメージするとか)、

意識が「個(今弾いている1音だけを意識する状態)」から「全体の中での個(前後の音との距離間を意識したうえでの、今の音や次の音)」という風に働くので、全体の音程のバランスがはまりやすくなり、響きもかなり良くなるのではないかなと思っています。

1つ1つの変化自体は本当に些細な変化なのですが、こうした小さな意識の積み重ねが、全体として響きの良さに大きく影響していると感じています。

ちなみにスウェーデンの一流のニッケルハルパ奏者の音源は、たいてい音程がどれもばちっと決まっているので、CDなどを聞いていても音程についてほとんど意識させないものがほとんどなのですが(音程がずれている時の方が音程のことを意識させられます)、たとえばOlovの演奏だとわかりやすいと思います。

曲の冒頭からCの音のオクターブで始まりますが、ばちっと決まっていますよね。Cのオクターブ(が一番わかりやすいと思うのですが)、曲の途中でもよく入っていますが、全部合っています。Olovは音程をすごく意識されている方なので。

こんな感じで、音程を意識するとニッケルハルパの響きがとても良くなりますよ~、という話でした。

ちょっと意識するだけでも結構変わるので、もしよかったら挑戦してみてください!