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私の身体の癖(左肩辺り)と、体幹と楽器の安定性の話

/ ニッケルハルパ奏者

今回は私の身体の癖と、体幹と楽器の安定性などについて、書いてみます。

ストラップの長さを調節してもなお、身体の癖が出る

以前、楽器のストラップを少し短くしたことを書きました。

最近のこと(ストラップの長さ/身体について/親指の力を抜くことの続き)

続・ストラップの長さについて(さらに少し調節してみて思ったこと)

その時に、「私は左肩を下げる癖がある」と書いたのですが、ストラップを短くしてその癖が少し改善されたものの、まだまだ残っているかな、というのを感じています。

ストラップの長さ自体は合ってきているのに、身体が「以前のやり方(体勢)」に自動的に戻ろうとしてしまうんですよね。

なので、ストラップを調節するだけではまだ足りなくて、あとはこの身体の癖自体をなおしていく(良くしていく)ことも必要だな~と思っています。

左肩~左胸の辺りを引いてしまう癖

私の身体の癖について。

以前の記事では「左肩を下げてしまう」と書いたのですが、私の場合はただ下げているだけではなくて、弓が身体やストラップに当たらないように、無意識に「左肩~左胸にかけてを内側(後ろ側)に引いてしまう(=左肩が特に巻き肩になっている、みたいな)」状態になっているな~と思っています。

(ニッケルハルパはみぞおちのあたりに楽器を構えるので、弓を動かした際に、左肩のストラップの辺りに弓が当たりそうになるからです)

楽器を弾いている時だけではなくて、普段からの癖になっているので、こうしてPCに向かっている時もそうですし、コンサートを見に行って長時間じっと座っている時などもそうなっていることが多いです。

で、おもしろいのが、私は「弓が肩やストラップに『当たらない』ように、(無意識に)左肩を引いた状態にしている」のですが、実際は左肩~左胸の辺りを引くことで、かえって弓が(ストラップに)「当たりやすくなっている」ようにも思ったんですよね。

それだけではなく、楽器の響きや、実際の演奏の良しあしにも影響があると思いました。

体幹と楽器の安定性の関係性

順を追って説明していくのですが、そもそもニッケルハルパは右の肋骨の下あたり(みぞおちのあたり)に楽器が当たるような感じで構えることが多いのですが、これって結構「体幹」を使うんですよね。

(「体幹」という表現も、「曖昧なのであまり使わない方が良い」と身体の使い方のレッスンで言われたことがあるのですが、わかりやすいので使ってしまいます)

なので、体幹がしっかりしていると、楽器も安定します。

よくやってしまいがちなのが、みぞおちの辺りに楽器が当たるからと言って、そこ(みぞおちの辺り)を折り曲げる感じで弾いてしまうんです。

そうすると猫背になり、骨盤も後傾し、肩がこってしまい、身体にも良くありません。

また、これをやると身体が楽器と接しすぎるので、楽器本体の響きを止めてしまったり、

体幹からの支えが無くなることで楽器が不安定になるので、「弓にかけたはずの重み」が楽器の弦に乗りきらずに逃げてしまい、せっかくのボーイングが響きに繋がらないんですよね。

なので、みぞおちの辺りをしっかりとさせることで、「体幹からの跳ね返し(という表現で適切かどうかわかりませんが)」で楽器を安定させることができ、身体にとっても良い状態になるし、響きも良くすることができる、と私は感じています。


にも関わらず、左肩~左胸にかけてを引いてしまう(=私の癖)と、どうなるのか?ですが。

この体幹からの跳ね返しみたいなものが失われてしまうので、かえって楽器が左上半身に入れ込む形になるというか、左上半身に楽器が近づきすぎてしまうかな?と、練習しながら思ったんですよね。

そうすると、左肩のストラップに弓が当たりやすくなるのも必至かな、と。

なので、左肩~左胸を後ろに引くことをやめると、一見楽器との距離が近づいてしまって弾きにくくなる気がするのですが、それがかえってほどよい距離感を生み出すことになるかな、と思ったのです。

弾きやすさとの関係

Instagramで毎日1曲動画を撮っているのですが、動画を撮る時は特に、演奏が「守りの姿勢」に入りやすいと感じています。

身体の癖も出やすくなってしまい、左肩~左胸にかけてをどうしても内側や後ろ側に引いてしまうのですが、そうするとすごく「弾きにくい」んですよね。

手や腕に力が入って、動きにくくなってしまいます。

なので、そういう時こそあえて「胸をはる(特に左ですが、左右ともに)」というか、「みぞおちの部分を前に出す」というか、そういったことを意識してから弾くことで、曲の最初の時点から「弾きやすさ」が全然違うなと思っています。

動画を撮る時って、細かいミスや指使いなどに意識がいきがちなのですが、本当は細かいミス自体よりもまずは「自分の身体が弾きやすい状態になっているか」というのが前提として重要なので、

それを成立させたうえで、細かいことに気を配れば良いかなと私は思っているんですね。

身体が弾きやすい状態では無いのに、ミスを怖れて弾いていると、のびやかさが全く無くなってしまって、もったいないんです。

(かといって、その状態で無理やり「のびやかに弾こう」として、ミスばっかりになるのも違いますし)

なので、守りの姿勢に入りやすいような状況下でこそ、あえて弓がストラップに当たることを怖れずに、「胸をはる・上半身をしっかりさせる」というのを意識していたいなと思っています。

意識したからといって、できるとは限らないのですが、ちょっとずつ良くなると私は信じているので。

やってみたいと思います。

また進捗があれば書きます。


今回は私の身体の癖や、体幹と楽器の安定性について書きました。

身体のことについて文字で書くのは難しいのですが、何かの参考になりましたら幸いです。

もし、ニッケルハルパの構え方などでわからないことやお悩みがあれば、ぜひレッスンにいらしてください。お役に立てればと思いますので。

身体の痛みなどのノイズに邪魔されることが減ると、練習がよりはかどるのと、弾くのが本当に楽しくなるので。

楽しく弾いていきたいと思います。