峰村茜のホームページへようこそ!どうぞごゆっくりご覧ください。

Roger Tallrothのインタビュー動画紹介(要約)①

/ ニッケルハルパ奏者

昨日、「いつか紹介したいスウェーデン人の動画」という記事で、いくつか動画を載せたのですが…

せっかくなので、いつかと言わず、今やってみよう!と思いました。

ということで、Roger Tallroth(ローゲル・タルロート)のインタビュー動画の方から少しずつ内容をご紹介していきたいと思います。私の今のスウェーデン語力と、時間の許す範囲で。

会話なので、細かい部分は私の方でまとめつつ(特にインタビュアーの質問など)、わからないところは少し飛ばしてしまうと思いますが「だいたいの内容の紹介」という感じで参考程度にご覧いただけたら嬉しいです。

Roger Tallroth(ローゲル・タルロート)について

最初に、Roger Tallroth(ローゲル・タルロート)がどんな方なのか?というのを、簡単にご紹介したいと思います。

Rogerはスウェーデンのギター奏者です。伝統音楽を中心に演奏されていて、スウェーデンの伝統音楽界ではかなりのベテラン、誰もが知る(憧れる)演奏家の1人です。

色々な演奏家の方と共演されていますが、何より有名なのは、30年(以上)活動していた「Väsen」(ヴェーセン)というバンドでの活動です。日本にもヴェーセンとして何度もいらしています。

(日本との関わりという意味では、Rogerは無印良品の「BGM8(STOCKHOLM)」にてサウンドプロデュースも行っています。参考→無印良品BGM8に収録されている曲を解説②

現在はヴェーセンを抜け、他の様々なプロジェクトに携わっているそうです。

Rogerのギターで特徴的なのは、12弦ギターを使っていることと、その特殊なチューニング方法です。

また、コード楽器としてのギターだけでなく、メロディや、ステンマ(=ハモリのパートのようなもの。メロディに対してアプローチするパート)の演奏など、その曲に対して必要なものをあらゆる面から補足し、引き出し、遊び心を持って音楽を作り上げていく演奏家です。

ヴェーセンの動画↓こちらの動画だけでも、彼の演奏の素晴らしさや、遊び心を感じていただけるのではと思います。

かっこいいですね。実はヴェーセンからRogerが抜けてから、私はなんとなく3人の動画を見なくなっていたのですが(もう3人の演奏が聞けないと思うと寂しいので)、久しぶりに見るとやっぱり楽しいです。

「こちらの動画だけでも」と書いておきながら、色々紹介したくなってしまったので、もう少しRogerの演奏動画を載せます。

まずはニッケルハルパのOlov Johanssonとの演奏↓こちらの動画は「カポ」(ギターにつける道具)のメーカーのチャンネルらしく、「試奏」のような感じでリラックスした雰囲気で演奏されています。カポがアップで映っているので、結果的にRogerの手元がよく見えます。

2人のアンサンブルだと、Rogerの引き出しの多さや、メロディへのアプローチの仕方がよりはっきりとわかっておもしろいですよね。今もこの動画だけで3回は見てしまいました。ブログを書くのが進みません。

次に、ニッケルハルパのJosefina Paulsonとの演奏↓私の趣味全開で、ニッケルハルパの方との演奏動画ばかりで恐縮ですが。

ゆったりした曲だとこんな感じです。このお二人のアルバムもサブスクで聞けます。

他にもたくさんの演奏家と共演されていて、YouTubeにも色々動画が載っているので、興味のある方はぜひご覧ください。

また、Rogerについては、日本語で書かれているページもたくさん出てくると思うので、「もっと詳しく知りたいな」という方はぜひ検索してみてください。

Rogerのインタビュー動画

さて、ここからインタビュー動画です。

YouTubeの動画です。こちらのチャンネルは、音楽に関する色々な情報を届けている(かなり幅広くて本格的な)チャンネルのようで、その中のポッドキャスト風のコーナーの1つみたいです。

右の方がRogerですが、左の方はDavid Henriksson(ダーヴィッド・ヘンリクソン)というプロのギタリストです。


最初の字幕:Roger Tallroth、ギタリスト。「ヴェーセン」の一員で、フォーク・ミュージシャン。独特のチューニングによる演奏法を確立した。

楽器を始めたきっかけ

(※スウェーデン語には敬語があまり無いので、敬語無しで書いていきます)

David:ようこそ。まずは最初に楽器に触れた(楽器を弾くのを覚えた)経験について聞きたいんだけど?

Roger:一番最初の経験といえば、おじ(※)のギターを借りたことかな。おじに内緒でね(笑)彼はギターを大事にしていたから。

(※ここではfarbror(=父方のおじ)と言っていますが、後でmorbror(=母方のおじ)と言い直しています)

実は私、その時すでにギターのチューニングを変えたりしていたんだ。結果的に、「チューニングを変えた演奏」というのがその後の私のギター人生においてとて大事なものになるんだけど。当時はただ、弦を押さえることができなかったからやっていただけ。私が7~8歳の頃だったかな。

David:チューニングを変えることで、「特別な響きを生みだせる」とか、「たくさんの弦を押さえなくても楽器を鳴らせる」ということを発見していた?

Roger:そういう探求心にすぐに火がついたね。何しろ、弦をどうやって押さえるとか、コードの弾き方とか、そういうのが全然わからなかったから。普通のチューニングから変えることによって得られる、開放弦での響き(いくつかの弦が合わさった響き)というのを探求し始めた。これは3度だとか、HとかCとか…

David:(3度といった音楽理論的なことを)当時すでにわかっていたってこと?

Roger:いや、理論的な言葉などはもちろん知らないんだけど、耳で聞こえてはいた。それで、知っている曲を(自分のギターに合わせて)歌ってみたり。ミュートしてみたり(※)とか。

(※ミュートという日本語で合っているか自信がありませんが、dämpaと言っているので、音をあまり出さないようにしたり、弾かないようにしたり、音量を抑えたりすることだと思います)

それから、より充分な「コード」(和音)が弾けるように弦のチューニングを変える、というのも試した。それで、確か母と一緒におじ(母の兄弟)のトーマ(Thoma)の所へ行って、これはきれいな響きだぞと自分で思う弦の押さえ方(=自分で発見した、コードらしきものの運指)をしながら、「これって何かのコードだよね?」とおじに聞いたら、彼は「いや、違うよ」って(笑)

彼は3つか4つのコードしか知らなかったんだ。だから「それは全然コードじゃないよ」ってことで、私も「ああ、そう。OK」みたいな感じで。

そういう風にして始まったんだ。

(※この部分で、おじのことをfarbrorと言っていたのをmorbrorと言い直しています)

その後、13歳の時に父方の義理のおじ(父の義理の兄弟)が中古のギターを買ってくれて、それが初めての自分のギターだった。それからは家で弾いていたかな。

(※↑この最後の一文だけちょっと自信無いですが、とりあえず)

その後~大学進学

David:自分一人で(独学で)弾くことが多かった?それとも音楽の学校や、教室、先生のところに通ったりした?

Roger:私が音楽を本格的に学ぼうと思ったのは、だいぶ後になってからのことで、確か22歳の頃だったと思う。だから、(音楽の学校に通ったのは)かなり後のことだね。

それまでもたくさん弾いてはいたけど、そんなに計画された(大きな目的に向かって計画的に練習する、というような)ものではなかった。

たとえば中学校で、ギターの先生に教わったりはしたかな(※)。イングヴェ・リスビーという名前の先生だった。これは楽譜を使ってギターを弾くレッスンだったんだけど、私が楽譜が読めなかったから、(楽譜が読めるふりをしながら)先生の出している音を聞いて真似していた。先生は私が楽譜が読めると思っていたみたい(笑)

(※私もまた聞きの話なのですが、スウェーデンの中学・高校は、選択科目があり、音楽に興味のある人は先生に個人レッスンで楽器を教わることができる(?)みたいなので、そのことだと思います。また、この先生の名前ですが、私が聞いた感じだとYngve Risbyといった感じのつづりかな?と思いました)

David:そういう経験は皆あるよね。わかっているふりをする、みたいな。

Roger:その後、(中学卒業後に)医療関係で6~7年働いた後、音楽に挑戦してみることに決めたんだ。

Sjöviks folkhögskola(フェーヴィークス・フォルクヘーグスコーラ※)に申し込んで、そこで楽譜の読み方や音楽理論を学び、音大受験の準備をした。

(※folkhögskolaは、大学とも高校とも違う位置づけの学校で、スウェーデン各地にあり、普通科を始め、専門的な学科の授業を受けることができます)

それから2年後にÖrebro(オーレブロー/エーレブロー)大学の音楽科に合格し、1984年~1988年まで通っていた。

1989年にVäsen(ヴェーセン)を結成して、それがその後の私のメインの演奏活動になるので、その後の展開はヴェーセンの歴史になってくると思う。

大学の授業

David:なるほど。大学では「音楽教育全般」の講義を中心に受けていた?それともギターの専門領域の授業やレッスンもあった?

Roger:ええ。私はGG(※1)に入学したけど、さらに選択授業も4~5個あって、たとえばマッツ・ノッレファルク(Mats Norrefalk)によるアフロギター(※2)、ペーデル・リース(Peder Riis)によるクラシックギターの授業。それからアンサンブルの作り方や、作曲など。84年~88年の在学中には、色々なことをやったと思う。

(※1:GG(ゲーゲー)というのがなんのことかわかりませんでしたが、おそらく基礎教育の学科とか、音楽理論や音楽教育を扱う学科のことかな?と推測しています)

(※2:アフロギターですが、アフロビートのギター、アフリカ音楽のギター演奏とか、そういう意味だと思います)

David:1988年といえば私の生まれた年でもあるので…(笑)

Roger:そうなんだ、じゃあ気になって当然だ(笑)

(~4:58)


最後の笑っているところがちょっと適当ですが、こんな感じです。おもしろいですね。

今回はここまでにしたいと思います。

ここまではわりと具体的な話なのでわかりやすいのですが、ここからちょっと難しくなっていくかもしれません。

明日以降、引き続き楽しみながら、挑戦していきたいと思います。

ではまた明日。