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自分の録音を聞く時に、ぼーっと聞いてみる

/ ニッケルハルパ奏者

私は最近、自分の録音をずっと聞いています。

自分の録音を聞くのって、結構勇気がいるな~と思うのですが、何回も聞くと良いことがあるように思うので、今回はこのことについて書いてみたいと思います。

録音を聞いて感じることー最初はダメなところに気が向く

これは私の場合ですが、録音を聞くと、最初は「自分のダメなところ」や、「理想と違うところ」に気が向いてしまいます。

これはまあ、しょうがないのかなと思うのですが、ここで「ああ、ダメだな~」と思いすぎてしまうとしんどいですね。それ以上録音を聞きたくなくなってしまうかもしれないので、ダメなところは「ちょっと気に留める」くらいにしておいて、あまり思いつめないようにすると良いかなと思っています。

「ここがダメだから、次はこういう風に弾こう」と、思うこと(改善しようとすること)自体は良いのですが、そういうことを考えすぎると理想ばかり高くなってしまうので、ここでさっさと次のフェーズに向かいます!

良いところを積極的に見つける←ここが大事

良いところを積極的に見つけるんです!

私はここが一番大事だと思っています。

良いところを見つけるのって、悪いところを見つけるよりも格段に難しいと思うのですが(特に自分の録音の場合)、私の場合は、「ちょっとぼーっとした状態で聞く」と、良いんじゃないかな?と思っています。

ぼーっと聞く

なんかこう、「血眼になって自分の改善点を探す」みたいな聞き方をしていると、「あら探し」って感じで本当にダメなところばかり意識が向いてしまうと思うのですが…

ぼーっとした感じで半分聞き流すようにすると、不意に「あ、ここなんか良いかも」みたいなところが耳に入ってきやすくなるんですね。

私の場合、それは、フレーズのカッコよさとかよりも、もっと音楽の流れみたいなものだったり、ちょっとしたニュアンスの変化だったり、楽器の響きだったりするのですが。

そういうものに気づけるようになると、「あら探しをしている時には見えてこなかった景色」が見えてきて、自分の録音の良いところに、たくさん気がつけるようになってくると思います。

(これは、レベルの問題は関係ありません。今の自分のレベルに関わらず、どの人の録音や演奏にも良いところがたくさんあります。そして、あら探しをするような聞き方をしていると、それらが全然聞こえてこないんです)

全体の流れに目を向ける

自分のダメなところに注目している時って、技術的な未熟さとか、とても細かいところに意識がいきすぎてしまうのだと思いますが、ぼーっと聞くと、「全体の流れ」が見えてくるんですね。

この「全体の流れ」を意識することが、演奏している時も大事だと思っています。

曲の最初から最後までの見通しというか、全体の響きがなんとなくわかっていると、「最初の出だしでどういう風に音を出せば良いのか」のイメージがつきやすくなるし、「どういう風に曲を終わらせれば良いのか」もわかると思うんです。

(全体の流れが見えてくると、自信も出てくると思います。たとえば、話が少しそれますが、「全体の見通しが立っている作業」って、そうじゃない作業よりも、安心して自信を持って取り組めるじゃないですか。それと同じです。今出している音の位置づけができるので、1つ1つの音に対して余裕ができる、「ここはそんなに頑張らなくても良い」というのがわかる、という感じです)

また、録音を最初に聞いた時点で気になっていたような「細かい部分の未熟さ」というのは、実際にはそこまで問題にはならないし、「何の音を弾くか」はそこまで重要ではない(重要なのは、「どういう風に弾くか」)、ということにも気づけるのではないかと思います。

自分の録音って、自分自身がすでにやっていることですから、「良いところ」のニュアンスも耳に残りやすいし、再現しやすいです。

なので、そういう「良いところ」のかけらを集めていって、「良いイメージを持って弾く」と、あら探しをしている時よりもはるかに良い状態で、より楽しく、自由に演奏できるのではないかなと思います。

あら探しをしてしまう方は、ぜひ、「ぼーっと聞く」のもやってみてくださいね。


今回は、自分の録音を聞く時のことについて書いてみました。

もしよければ参考にしてみてください!