先日、レッスン中に「弾いている時に情景や景色を思い浮かべるかどうか」という話になったのですが、それで思ったことを書いてみたいと思います。
弾いている時に情景や景色を思い浮かべるかどうか
私は、自分はあまり情景を思い浮かべて弾くタイプではないと思っていました。
先日、レッスンの際に「情景や景色を思い浮かべながら弾いていますか?」というご質問を受けたのですが、その時は「私は情景とかよりも、リズムや音色やダンスのことを考えていることが多いかな?」と思い、そのようにお答えしました。
一方で、夏至祭の曲とか、何かのお祭りの行進でよく弾かれる曲とか、ルシア祭やクリスマスの曲などの時は、その行事のことを無意識に思い浮かべて弾いていることも多いかも、と同時に気づき、レッスンではちょうど夏至祭でよく弾かれる曲を扱っていたので、夏至祭の様子をYouTubeで生徒さんと一緒に少し見たりして、イメージを共有したのですが…。
よくよく考えてみたら、私、意外と情景を思い浮かべていることが(自分で思っていたよりも)多いかも…!と後から思い始めたんですよね。
自分ではそういうつもりは無かったのですが。
情景や景色を思い浮かべることを強制されるのが嫌だった自分…
おそらくなのですが、私は情景や景色を思い浮かべて演奏することを「強制される」のが嫌なんですよね。
音楽の授業やレッスンでも、結構「情景を思い浮かべて」みたいなことをよく言われるのですが、それに対する反発心があって。
やたらとそういうことを言う人を、うさんくさく思ってしまっていました。
だから、なんとなく「情景を景色を思い浮かべて演奏しなさい」みたいな意見に「はいはい」って思ってしまうところがあったんです。
レッスンでご質問をいただいた時にも、たしかその生徒さんが別の楽器の(別ジャンルの音楽の)レッスンを受けた際に、そういう風に先生に言われた、という話だった気がするので、それで私の中の反発心が微妙に出てきてしまって、「情景や景色を思い浮かべなくても曲は弾ける」と言いたくなってしまったのですが…。
よくよく考えたら、私も結構思い浮かべながら演奏しているなあ、と最近気づきました。
どんなことを考えているのか?
で、どんな景色を思い浮かべているかですが、一番わかりやすいのは、さきほど書いたような夏至祭やルシア・クリスマスなど、定番の伝統行事ですね。
夏至祭だと、こんな感じでしょうか。この動画はVisit Swedenの動画(観光局主導の動画みたいな感じ)なので、英語のナレーションが入っていて「営業用動画」という印象ですが(飛行機の機内で流れてそうです)、内容はとても的確です↓
あと夏至祭と似たような雰囲気で、伝統音楽やダンスの夏のイベント(ステンマ)も、演奏家たちが華やかに行進していたりするので、そういう景色も思い浮かべます。
これからの季節だと、ルシア祭やクリスマスの雰囲気もよく思い浮かべます。
(ルシア祭はスウェーデンで12月に行われる伝統行事です)
あとは、このブログで載せているような写真の景色や、スウェーデンで自分が見た風景、気温の感じ(寒い、暑い、涼しい、あたたかい)とかを思い浮かべたりもします。

また、私の場合、多いのは、今自分が弾いている曲や、その曲と似ているタイプの別の曲を弾いている演奏家のイメージや、そのタイプのダンスを踊っている人たちの姿です。

「この人だったらこういう風に弾くだろうな」とか、「この曲だったらこういう風にリズムを感じていると良いな」とか。
これは、情景や景色よりも、最初に書いたような「リズムや音色」の話になるかもしれませんが、スウェーデン人が弾いている様子や楽しんでいる様子を思い浮かべるだけでも、結構弾きやすくなるんですよね。
(別に何人かというのはあまり問題では無いのですが。それを楽しんでいる人たちの様子を思い浮かべる、という感じです)
こういうことを自分が思い浮かべている、ということを、あまり意識していなかったのですが、実は結構イメージしながら弾いているものなんだな、とあらためて思いました。
今回は、弾いている最中に思い浮かべることについて書いてみました。
自分のちょっとした反発心に気づくのって、普通に結構恥ずかしいのですが、私もまあ、情景を思い浮かべる派だったことを、今ここで認めます。
自分では何も考えていなかったけど、弾いている間って、意外と色々なことを考えているものですね…。
1曲1曲大事に弾いていきたいと思います。
