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ニッケルハルパ製作家Esbjörn Hogmarkの動画紹介③

/ ニッケルハルパ奏者

一昨日・昨日に続き、ニッケルハルパ製作家として有名なEsbjörn Hogmark(エスビョン・ホーグマルク)の動画を見ていきたいと思います!

一昨日と昨日の記事→ニッケルハルパ製作家Esbjörn Hogmarkの動画紹介①ニッケルハルパ製作家Esbjörn Hogmarkの動画紹介②

動画

昨日は木材をカットしている所まで見てきました。今回は20:22~、見ていきたいと思います。

製作過程の続き(20:22~)

カットした部分の説明、「カーブや細かい部分の作りが音色に影響するのだ」と言っていますね。こういうものを1日にいくつ作れるかとか、そういう話もしています。

弓も作っているということで、弓の棹になる部分の木材を紹介してから、テールピース(メープル)、そして話は鍵盤部分(キーボックス)へ。

キーボックスは、前回の記事で私も書いていた通り、キーが3列で演奏弦が3列のものが基本なので、見せてくれているキーボックスも3列です。

キーの製作(23:08~)

キーの製作過程も実演してくれています。

※「日本製の鋸」の話が出ましたが、スウェーデンのニッケルハルパ製作家の方々の間では、日本製の鋸や道具は評判が良く、愛用している方も多いです。質が良くて使いやすいそうで、特に「細かい部分の細工をする時に使いやすい」と聞きました。

動画内でエスビョンはとても簡単そうにパッとキーを作っていますが、これ、ニッケルハルパを作ったことのある友人(スウェーデン人)曰く、「エスビョンは作るスピードが速すぎて、本当にすごすぎる!」そうです。

普通にやったら1日とか数日かかる作業を、10分くらいでやっちゃう、みたいな。めちゃめちゃ作業が速いらしいです。しかも仕上がりもきれい。

キーを作っている様子も、見ていてとてもおもしろいです。

もしも私が少しでもナイフを扱うのが得意だったら、こういうのを見て「簡単そう」「自分にもできそう」「自分も楽器を作りたい」って思うかもしれないな、と思います。

(何かを始める時に、「簡単そう・自分にもできそう」って思えるのはすごく大事だと思うので、「自分にもできそう!」と思った人が気軽にニッケルハルパの製作に挑戦してくれたら良いなと思います。私はナイフが怖いので、残念ながら作る側になることは無いと思いますが…無念)

ペグ作り(26:25~)

ニッケルハルパのペグ(木のペグ)を作っています。

木のペグは、こちら。青く囲った部分です↓演奏弦のチューニングで使う部分です。

横から見た全体図↓手前の「黒と金」の方では無くて、奥の「木のペグ」です。板を貫通しているやつです。

ちなみにこのペグは手で回すには固いことが多いので、こういった道具を使って回します↓

ペグ作りを紹介した後は、表板のカーブや今製作中のニッケルハルパについて話しています。

演奏「Trollrikepolskan(トロルリーケポルスカン)」Eric Sahlström作曲(28:51~)

映っているので書いて大丈夫だと思いますが、一緒に演奏されているのはご家族(奥さんと息子さん)です。

壁に掛かった楽器の紹介(30:05~)

色々な年代に作られた楽器を紹介しています。珍しいタイプの楽器もありますね。

※話がそれますが、この「楽器を壁に掛ける」というのもすごくスウェーデンらしいなと思っています。スウェーデンって、地震がほとんど無いんです。

日本生まれ日本育ちの私としては、地震が気になって楽器を壁に掛けるのはためらってしまうのですが、スウェーデンの方は(地震が無いので)高い所に平気でワインの瓶を置いたり、ティーカップやアンティークのお皿を飾ります。

また、ニッケルハルパは、向きとしてはこのエスビョンが飾っている向きが「正しい上下の向き」だと言われていて、テールピースの部分の輪っかを、こうして引っかけて、壁に掛けます。

「初めて作った楽器でコンテストに優勝した」という話もしています(31:49~)。

私としては、ここでのエスビョンの発言がとても印象的です。

この(初めて作った)楽器と、今現在作っている楽器とでは、わずかな違いしかないと思う。

以前、私の楽器を買ってすぐの頃にエスビョンに見せたことがあったのですが、その時も「自分の作る楽器とあまり変わらないね」と言われて、「へえ~、そういう捉え方をするんだな」と思ったんですよね。

もちろん、楽器としての細かい違いは全然あるのですが、それもわかったうえで、「エスビョンは、私が思っているよりももっと大きい単位で、ニッケルハルパの製作について捉えているのかな?」と思ったんです。

おそらく色々な楽器を見てきたからこそ、「傾向としてはそんなに変わらないね」と思うのかなと。

ご自身の過去の作品を「今の作品と大きくは変わらない」って言えるのも、自信がある人の発言だなと思って、良いなと思いました。

演奏「Spelmansglädje(演奏家の喜び)」Eric Sahlström作曲(33:19~)

本の紹介

この本は私も購入して、きちんとは読めていませんが、たまに調べることがある時にとても助かります!あとたまにぼーっと眺めます。

色々な製作家さんの楽器の写真が載っていて、製作に関することも色々載っています。

本に載っている製作過程など、「ぜひ自由に真似したり参考にしてくれ」と言っていて、寛容だな~と思います。実際、本人も言っている通り、エスビョンの製作方法を踏襲して製作している方はたくさんいらっしゃるのでしょうね。

最後の締め

最後にまた家の前で、木についてや、共鳴弦の紹介などをして終わりです。


こんな感じですかね。

動画だと、実際に作っている過程が見られてとてもおもしろかったです!

以前、Mats Wester(マッツ・ヴェステル、ニッケルハルパ奏者・製作家)がニッケルハルパを作っている過程を動画にしてくれていて、その動画をこちらのブログでもご紹介しましたが、彼も「エスビョンの楽器をかなり参考にしている」とHPで書いていましたね。

★動画紹介の記事→ニッケルハルパ製作風景動画(Mats Wester)の紹介

★Mats WesterのHP(英語版)→https://www.matswester.se/nyckelharpor-eng

装飾の感じとかが似ていますよね。

では、お読みいただきありがとうございました♪