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ニッケルハルパ製作家Esbjörn Hogmarkの動画紹介②

/ ニッケルハルパ奏者

昨日に続き、ニッケルハルパ製作家として(ニッケルハルパ弾きの中では有名な)Esbjörn Hogmark(エスビョン・ホーグマルク)の特集動画(英語)を見ていきたいと思います!

昨日の記事→ニッケルハルパ製作家Esbjörn Hogmarkの動画紹介①

動画

(昨日の続き、3:21~の再生にしています)

英語なので、内容は私が全部訳さなくても良いかなと思っていまして、要点だけざっとまとめながら、私の方で勝手に補足したり、思いついたことを気ままに書いていきたいと思います。

ぜひ一緒に動画を見ているつもりで読んでみてください!


エスビョンの音出し・演奏(3:21~)

さて、3:21~ですが…

早速ですが「キーが4列のニッケルハルパ」を弾いてますね!

普通の現代的なニッケルハルパはキーが3列なので、よく「3列」(Treradigトレー・ラーディグ)と呼ばれるのですが、これは「4列」(Fyrradigフィール・ラーディグ)です。

※ちなみに「普通の現代的なニッケルハルパ」と書いたのは私が弾いているタイプの楽器です↓

このタイプは日本語では「クロマチックタイプ」と呼ばれていますが、スウェーデンではこのタイプのことを「3列(Treradig)」と呼んでいることが多いのです。(クロマチックと呼ぶのももちろん間違いではありません)

…いや、待ってください、よく見てみたら違いました。

動画のこの楽器はいわゆる「4列」ではないですね。

キーは4列なのですが…エスビョンが弾いているのは「テノールハルパ」のようです。

テノールハルパというのは、私は最近知人から教えてもらってやっと理解したのですが、「フィドルと同じチューニングがされているニッケルハルパ」で、演奏弦が4本(キーも4列)あります。

フィドルの曲が弾きやすいのが特徴的だそうです。

それに対して、「4列」のニッケルハルパというのは、「普通のニッケルハルパのチューニングの4本目の低音弦にキーがつけられているもの」。つまり、チューニング自体は普通のニッケルハルパと同じです。

エスビョンが動画で弾いている楽器は、出ている音からするとフィドルチューニングの楽器なので、「4列」ではなくて「テノールハルパ」ですね。

屋外・作業場の木材の説明(4:33~)

屋外で乾燥させているスプルース(木材)の説明をしてから作業場へ。

※スプルースは、楽器の材質としてよく使われる樹で、住宅などにも使われています。

屋内にもたくさん木材が並んでいます。楽器のボディ、裏板、トップ(表板)などに使われるそうです。

ここ、本人の言葉をピンクの枠で囲って書いてみます。

(ニッケルハルパには)3種類の木材が使われている。

①スプルース、②メープル、そして③バーチ(樺)だ。

バーチはキー(鍵盤)に使われる。

(キーの製作で大事な木材の条件は)まっすぐであること、そしてナイフで削るのが容易であること。これが最も大事。

ちなみに、私の楽器の材質を見るとこんな感じです↓私の楽器は、中にこういう紙(こういうラベルのことをスウェーデン語では「エチケット」と言う)が貼られているので、f字孔をのぞくと材質が見られるんです。

この紙によれば、私の楽器の材質は「表板・裏板・側板・ネックはスプルース(gran)、駒とテールピースはメープル(lönn)、キーボックスとキーはメープルとバーチ(lönn/björk)」だそうです。エスビョンが言っていた通りかなと思います。

2階へGo(7:04~)

2階へ上がります。

※ここでまた早速どうでもいい情報ですが、この7:04辺りでチラッと映っている「ドアノブ」が、バイオリンのネックを模したドアノブになっていた気がします。

「この家も全部自分で建てた」と動画内で言っていますが、楽器製作家が家を自分で建てると、いたるところに楽器風の装飾が施されてすごいです。

さて、2階は作業場になっています。

エスビョンに楽器製作を教わりに来る方がたくさんいらっしゃるので、そういう方たちのことを「生徒」と言っていて、生徒向けに作業場や泊まる場所を提供しているそうです。

生徒がどのくらい滞在するかとか、そういう話をしています。

左の部屋に行くと、スプルースが置いてあります。木材のサイズ、楽器のどの部分に使われるか、外気温にさらされる環境に置くことで何が良いのか、ということを話しています。

その後、スウェーデン製のワークベンチ(作業台)の紹介をした後、今度は右の部屋(生徒さん(やゲストの宿泊者)が泊まれる部屋)を紹介。日光が入って素敵なお部屋です。

その際、ご兄弟(お兄さんか弟さんか忘れた)のストゥーレ(Sture)さんが描いた絵を説明しています。

動画でも言っていますが、エスビョンは双子です。

二人とも絵が得意だそうですが、私の記憶ではストゥーレの絵がかなり上手だった印象があります(エスビョンの絵は覚えていない…ごめんなさい)。

※ちなみに意外かもしれませんが、スウェーデンは双子の割合が高いと思います。私のクラスメイトや知り合いにも、双子が多かったです。

※あと、スウェーデンの方はご自宅を作る際に、「ゲストが泊まる部屋」とか、「ゲストハウス(ゲストが泊まる小屋)」を作る方も多くて、知人・友人・身内が泊まりに来ることが前提で、私はそういうのも「スウェーデンらしいな~」と、勝手に思っています。

その後、ご自身のスポーツ遍歴を紹介。ハンマー投げや色々やっていたそうです。だから今も元気なんですよね。身体つきもしっかりしています。

エスビョンが今おいくつなのか、私にはわかりませんが、おそらく私の父より年上だと思うんですよね。どうでしょう。ちなみに私は今35歳なので、つまり、そのくらいの年齢です。

演奏(10:50~)

この演奏中に映っている、上からぶら下がっている物もすごいですよね。これもバイオリンのネックの部分だと思いますが。

木材のカット(楽器製作)実演(11:50~)

今製作中の楽器のボディのパーツを紹介、木材のカットを実演。

ここは動画でどうぞ。


まだまだ続きますが、今日はこの辺で終わりにしたいと思います。

続きはまた明日です!

今回の動画の解説はかなり雑談混じりで書いていますが、雑談でないと書く機会が無いようなこと(スウェーデンは双子が多いとか、エチケット=ラベルという意味だとか)も書けるので、楽しいです。

ではまた明日。