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「Ingen som jag」(演奏家From-Olleの劇)解説②

/ ニッケルハルパ奏者

昨日に続き、「Ingen som jag」(演奏家From-Olleの人生を描いた劇)の解説をしていきます。

前回の記事→「Ingen som jag」(演奏家From-Olleの劇)解説①

前回の内容

前回は~12:33くらいまででした。

最初は、ある演奏家の語りに始まり、From-Olleのお葬式の場面がありました。

そして時はさかのぼり、From-Olleの誕生前の時代へ。From-Olleの父が兵士として戦地にいた頃の場面と、村の女性たちが鶴の到来に喜んでいる場面まででした。

解説

※From-Olleの父はFrom父、母はFrom母と書いています。また、動画は続きから再生するようになっています。

負傷した兵士の帰還。From父は恋人(=From母)と再会。From-Olle誕生→フィドルを弾く少年へと成長

・負傷した兵士たちが村に帰還する。

・From父もまた村へ帰り、フィドルを見つけ、弾く。

・恋人(のちのFrom母)との再会を喜ぶ。From母は妊娠し、From-Olleが生まれる。From-Olleはフィドルを弾く少年へと成長する。

上官との再会

・From父、上官との再会。

父:「From-Ollleはフィドルを離さないんですよ、本当に一心同体で」

上官:(From父の帽子を手に取り)「この帽子は戦火をくぐり抜けてきた帽子だ」

父:「ええ、この帽子と私のフィドルはなぜかよく合っていて、一緒じゃないといけないんですよ」

(※From-Olleのフィドルは、父のフィドルをそのまま弾き継いでいるのだと思います)

上官は耳が遠くなっていて、何度も聞き返している。何度も説明するFrom父。

父:「この帽子はあの頃(戦争)のことも覚えていますし、故郷を恋しく思う気持ちも知っているのです」

上官は杖をFrom父に預け、From-Olleに帽子を授ける。喜ぶ上官と父。

From父がフランス語で会話を返し、それに対して喜ぶ上官。フランス語のレッスンのようなやりとりをする。

・突然聞こえてくるフィドルの音色。父:「この子には才能がある!」

From-Olleのフィドルの才能開花、青年へと成長(20:18~)

・From-Olleの演奏に村中の人が集まってくる。

父:「私たちの息子です。From-Olleと言うんです」と自慢する。

村中に彼の評判が伝わる。

父:「弾くんだ、Olle!」

・From-Olle、人形から実物の少年へ(21:06~)。人々が踊り出す。

・From-Olle、青年へと成長する。

青年のFrom-Olle(22:05~)

・From-Olleの独白。

From-Olle:「聞け、川に張られた氷が歌う声を。それは最後のフレーズを歌い、そして次第に消えていく。あちこちで氷はひび割れ、黒く流れる水には日の光が差し込み、その冷たさは途絶える。今なら、何が起きても不思議ではない」

その後も、川の流れる様などを描写。

「世界の誰もこの流れを止めることはできない。さあ行こう!春の中へと!…そして白樺は、紫の衣装に身を包む(紫の花々に囲まれる)瞬間を、今はまだ待っている…」

・一度少し落胆したかのようなFrom-Olleだが、1人の女性に目を留め、見つめ合う(=恋)。上官の反応。

・From父:(年をとり、腰を丸めている)「ええ、これは私の息子なんですよ」

(※紫の花というのは、白樺の花ではなくて、周囲の春の花々のことだと思います)

From-Olleの音楽についての噂(23:32~)

男性:「From-Olleの演奏、聞いた?」

女性(From-Olleと見つめ合った女性):「素敵なフィドル音楽だった!」

男性:「いや、彼の演奏は何か、とても不思議な感じがするんだよね」

(サーミ人の男性がFrom-Olleの演奏の秘密について語り始める)


今回はここまでにします。

次回は、From-Olleの演奏の秘密について、サーミ人の男性が語るところからです。

次もとてもおもしろいところなので(と言うとハードルが上がる気がしますが)、ちょっとずつしか進まなくて恐縮なのですが、焦らずに頑張りたいと思います。