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Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳①

/ ニッケルハルパ奏者

今回から、同じくBodaの配信コンサートより、Magdalena ErikssonとIsak ErikssonによるÅngermanlandの曲のコンサートの和訳をしていきます。

Magdalena Eriksson、Isak Eriksson

演奏家はMagdalena Eriksson(マグダレーナ・エーリクソン)とIsak Eriksson(イーサック・エーリクソン)です。

2人とも雰囲気や背格好が似ていて、名字が同じだからてっきり姉弟かと思ったのですが、全然違うそうです。出身地も、大まかな地方は一緒ですが、細かい出身地域は違っています。

こちらのデュオはÅngermanland(オンゲルマンランド地方)の伝統曲を演奏してくれます。

Ångermanlandは私の手描きの地図で言うとこちら↓の、右側の上から3つ目の地方になります。Medelpadの上、Västerbottenの下です。

この地域は、伝統音楽的には、普段あまり話題にのぼりにくい地域かなと私は思っています。

Ångermanlandの曲は私はほとんど知りません。1曲くらいはもしかしたらあるかもしれませんが、そういうレベルで、私はもう全然わかりません。

ですので、とても楽しみです。

以下、Bodaの配信ライブ画面の概要欄の説明を参考に書きました↓

農民であり演奏家でもあったValfrid Rönnlund(ヴァルフリッド・ルンルンド)。

彼は70年以上にわたって、Ångermanlandの伝統音楽を守り伝え、その伝統を形作ってきました。

MagdalenaとIsakのデュオは、その彼が伝えた伝統(途絶えかけている伝統)に再び命を吹き込みます。

コンサートのタイトルは「Valfrid Rönnlundという演奏家の肖像画(ポートレイト)」。(これは2人のCDのタイトルでもあります)

研究素材としては、楽譜/口頭での語り/新しく発見された写真乾板(写真をガラス板に塗布したもの)/彼の親族へのインタビュー/当時80歳を超えていた彼自身の演奏を録音した1953年以降のアーカイブ(カセットテープ)など…を使用しているそうです。

すごいですね。

2人とも出身地方はÅngermanlandですが、その中でも、MagdalenaはGottne出身、IsakはSäbrå(Älandsbroとも書いています)出身です。

では、早速動画を見ていきたいと思います。

動画

Gunnar(最初の挨拶のおじさん):Boda Gammelgårdの「Måndag kvällen(月曜の夜)」へようこそ。

この、1981年~2021年にかけて、40年間続いているコンサートシリーズへ。

今回は、7月3日から続けている全10日の音楽○○シリーズ(※聴き取れず。特別な10日間のシリーズだと思います)の、9回目(最後)のコンサートになります。

そしてこの次のコンサートは、また(通常通り)翌週の月曜日からになります。

(※↑毎年夏の間だけ毎週月曜の夜にコンサートをしているのですが、7月3日~の10日間だけは、特別に集中的にコンサートをしていたみたいです)

今夜は、若い演奏家たちをお招きしています。

今までずっとやってきたように、私たちは(ゲストミュージシャンの層を)混ぜています。ベテランの演奏家やよく知られたグループを招く時もあれば、まだあまり知られてはいないような若い演奏家を招く時もあります。

今夜は、若い2人の演奏家です。

そのまま紹介をしますと、今夜の演奏家たちはÅngermanland(オンゲルマンランド地方)から来ている方々、だと思います。

Isak Eriksson(イーサック・エーリクソン)とMagdalena Eriksson(マグダレーナ・エーリクソン)です。

どうぞ。

Magdalena:皆さんこんばんは。皆さんにこうしてお会いできてとても嬉しいです。

そして配信でご覧になっていて、フィドル音楽をお待ちかねの皆さんも、こんばんは!

フィドルの音楽が聴きたいな~という方はいらっしゃいますか?

お客さん:Ja~(はい)!

Magdalena:もうちょっと声が聞けると良いのですが?フィドルを聴きたい人はいますか?

お客さん:Ja~!!

Magdalena:Hurra(いいですね)。ではいきましょう。まずはVälkomstlåten(歓迎の曲)です。

①(2:08~)Välkomstlåten efter Valfrid Rönnlund(ヴァルフリッド・ルンルンド伝承のヴェルコムスト・ローテン(歓迎の曲))2つのバリエーション

(5:04~)

Isak:皆さん、こんばんは。

こちらにお招きいただき、皆さんに向けて演奏できるのを嬉しく思います。

私は、ご紹介いただいたようにIsak Erikssonと申します。

Härnösand(ヘルヌサンド)の郊外の村Älandsbro(エーランズブロー)出身です。

そしてその近くの村に、Valfrid Rönnlund(ヴァルフリッド・ロンルンド)という演奏家が住んでいました。

(※Isakは「ヴァルフレッド」と発音しているかもしれませんが、とりあえずヴァルフリッドで書いています)

今演奏しました曲は、Valfridが伝えた曲です。

お気づきかもしれませんが、私たちが今演奏したのは(その曲の)2つのバージョンです。

Valfridの息子さんは、(これらのバージョンを)それぞれ「良いバージョン」と「悪いバージョン」と呼んでいたそうなので、皆さん、どちらが悪いバージョンか、考えてみてください。


Valfridは、Bölen(ブーレン)という村で1872年に生まれました。

彼と彼の兄弟Adolf(アードルフ)は、だいたい12歳の頃にフィドルを弾き始めました。

彼らは、村に住んでいた年老いた男性、Elias Wedinに…、違う、Erik Wedin(エリック・ヴェディーン)に(曲/演奏を)教わっていました。

そのErik Wedin自身は、おじ(父の兄弟)であるElias Wedin(エリーアス・ヴェディーン)に教わりました。

私が今演奏しているこのフィドルは、かつてElias Wedinが弾いていたものです。

その後、Valfridのものとなり、Valfridのお孫さんのものとなり、そして今現在は私がそれを受け継ぐという名誉をいただいています。

次に演奏する曲は、そのElias Wedinが伝えた曲です。

※まとめると、Valfridに教えたのが、Erik Wedinで、そのErikは自分のおじのEliasに教わったということです。

※1曲目、「2つのバージョンを弾いている」と言っていましたが(私の訳が合っていれば)、おそらく3周弾いているうちの、3周目だけ違うバージョンなのではと思います。時間で言うと4:05くらい~最後まで、です。

②(6:49~)Polska efter Elias Wedin(エリーアス・ヴェディーン伝承のポルスカ)

(9:57~)

Magdalena:皆さんお気づきの通り、Isakのソロの後にもう1つ別のバリエーションを演奏しました。

というか、(ソロを演奏した)Isak Erikssonに拍手をどうぞ!

後半のバリエーションの方は、Valfrid Rönnlundの兄弟、Adolfが伝えたものです。

Isak:その通りです。

Valfridに関して、1つお話があります。

彼はある日、Älandsbroの近くのブローンという村(※つづりがわかりませんでした)で行われた結婚式に(演奏で)招かれました。

すると、結婚式に参加していた何人かのおじさんたちが、演奏曲の提案として「ワルツを踊りたい」と言ってきました。

「Valfridが疲れるまでずっと」と。

問題は、Valfridは1つのメロディをまっすぐに演奏すると、考える時間もとらずに、そのまま次の曲にどんどんいってしまった、ということでした。(※曲と曲の間が無かった)

そして実際に、彼らはそれでワルツを踊ったと言われています。

Valfridは28曲のワルツを演奏したそうです(笑)

その頃にはおじさんたちは足が疲れていたことでしょう。

では、次に演奏する曲は、Valfridが最初に教わったワルツです。

③(11:06~)Första valsen(最初のワルツ。ヴァルフリッド・ルンルンドが最初に教わったワルツ)

(続きは明日)


話も演奏も、2人のキャラクターが全然違っていておもしろいなと思いました(笑)

どちらもとても魅力的です。

曲や演奏家のエピソードなども教えつつ、たくさんの曲を演奏してくれるコンサートです。

Ångermanlandの曲やエピソード、とてもおもしろいので、明日以降の部分もどうぞお楽しみに。

お読みいただき、ありがとうございました。