昨日の続きです。
昨日の記事→ミキシングの話。「スウェーデン人演奏家の好むミキシング」と、「日本人に受け入れられやすいミキシング」ってあるのかな?聞き比べてみよう~
聞き比べ
無印良品BGM8バージョンと、各演奏家のアルバムバージョンで、同じ曲を聞き比べてみます。
昨日も書きましたが、それぞれ録音日時や録音環境が結構違うと思うので、正確にはミキシングの聞き比べにはなりませんが…同じ演奏家の演奏がものによってどういう風に違うのか?を聞いてみたいと思います。
・イェルスボー・ヨーナス伝承のポルスカ
この曲の聞き比べどころは、私的には少なくとも3か所以上あるかなと思っていて、①最初のニッケルハルパのソロのところ、②途中でピアノがメロディで入る所(ニッケルハルパがハモリに入る)、そして③ニッケルハルパにメロディが戻ってピアノが広がっていくところ、ですかね。その後にピアノソロもありますが。それぞれの「楽器の音の感じ」と、「楽器同士のバランス」を見るとおもしろいかなと思っています。
この2枚のCDに関しては、私はそれぞれの楽器の音がより深い音色で入っているのは演奏家のアルバム(後者)の方かな?と思う一方で、無印バージョンの方はニッケルハルパのメロディをあえて聞こえやすくしているのかな、という印象ですね。
同じアルバムつながりで、他の曲も聞いてみましょうか。
・シェディン伝承の2つのポルスカ
この曲もさきほどの曲と同じような印象ですかね。
この2枚のアルバムで言うと、私は後者のアルバムを聞き慣れてしまっているのと、後者のアルバムの方が、ニッケルハルパの楽器の音色的には(演奏家本人がミキシングに参加していることもあり)実際の音に近いような?感じがしています。
演奏日時も、後者の方が無印バージョンの12年後に録られていて、より洗練されている気もします(無印は2005年、Sommarlåtは2017年)。
ただ、無印バージョンを聞くと「無印だ~!」という感じがするんですよね。リバーブの感じとか、ピアノの高音の感じとかですかね。おもしろいですね。
「楽器の実際の音色をよく表していること」と、「音楽として聞きやすいこと」って、大枠としては一致していることが多いと思うのですが、その「頂点」は必ずしもイコールではないのかな?と思っています。
もちろん、聞きやすさを追求して、ミキシングで楽器の音色や残響がかなり変わってしまうのも良くないと思いますが、私はどちらかというと、「楽器の生音にこだわりすぎて、聞きにくいミキシングをしてしまう」可能性もあるかも…?と自分で思ったので、そこのバランスを見ていった方が良いような気はしました。
・スコークロステルの結婚行進曲
これはもう演奏楽器が違うので、ただの趣味の聞き比べですが。どっちの方が好みかな?って感じですね。
楽器が違うだけで雰囲気違いますね。
同じアルバムからはあともう1曲「Visa från Kulla」かぶっています。ここには特に載せませんが、興味のある方は聞いてみてください。
・Er framtid blive lyckelig
これも結構違いがわかりやすいですね。
さっきの曲達はニッケルハルパだったので、ちょっと調子に乗って色々書きましたが、聞く人の状況によって好みも変わると思います。「これだけ幅がある」というのがおもしろいかな~と思っています。
あともう1曲だけ載せますね。
・(När)Spelman satt vid vaggan
これも、演奏のテンポなど色々と違う部分がありますが、印象変わりますよね。
どっちが良いとか悪いとかというよりは、両方聞くととても参考になるな~と思いました。
ということで、同じ曲を別のアルバム同士で聞き比べてみました。
こういうのって、最終的には自分がどうしたいかによると思うのですが、「正解は1つだけ!」と思うと選択肢が狭まってしまうので…
色々聞いて「こういうのもアリなんだ~」という幅を持たせておくと良いなあと思っています。やってみないとわからないことがたくさんありますね。
では、良い日曜日をお過ごしください!