Orsa spelmänのコンサートの和訳⑤です。このコンサートの和訳は今回で終了です。
①~④はこちら↓
Orsa spelmän (Boda, 2020)のコンサート和訳①
Orsa spelmän (Boda, 2020)のコンサート和訳②
Orsa spelmän (Boda, 2020)のコンサート和訳③
Orsa spelmän (Boda, 2020)のコンサート和訳④
動画
前回の続きから(45:24~)再生します。
Olle:Oreの曲でした。
Perra:優しい(マイルドな)曲でしたね。「Klimpen」。
Olle:次はまた私たちのルーツの地域、Orsaの曲になります。
Perra:ええ。次はワルツを演奏します。とても美しいワルツです。
中世のヨーロッパ全体に存在していた、あるテーマに基づいています。
「フォリア」というものです。
たとえば作曲家のアルカンジェロ・コレッリが「フォリア」のバリエーションの曲(ラ・フォリア)を書きました。
スウェーデンでは歌ですね、Olle Adolphson(オッレ・アードルフソン)が「フォリア」(のメロディを使った歌)を書きました。Tinaがよく披露する(歌う/演奏する)ものですね。
大変多くのバリエーションが存在しています。
次に演奏するのは、そのOrsaバージョンと言って良いと思います。
Stigvals(スティーグヴァルス※ワルツの一種)の形式の曲です。
Olle:Jämt Olle(イェムト・オッレ)伝承のものですね。
今回、曲全体を演奏したいと思います。全パートつきで2周分ですね。時間ならありますから。
(※少し長めの曲なので、通常は省略する部分があるのかもしれません。繰り返し無しとか)
そしてとても美しい曲ですからね。
※参考:「フォリア」(日本語・Wikipedia)、「La folia」(スウェーデン語・Wikipedia)
⑫(46:31~)Stigvals efter Jämt-Olle(イェムト・オッレ伝承のスティーグヴァルス)
(51:40~)
Leif:今のがワルツでしたね。
(皆頷く)
Perra:(今演奏したワルツは)なんだか、ちょっと夏っぽい感じがするなあと私は思います。
蚊たちとともに踊るような(笑)
(皆笑う)
(※スウェーデンでは夏の間に伝統音楽やダンスのイベントが屋外であったりしますが、特に夕方以降になると蚊がすごいです)
Olle:Leif、あなたは30年間、音楽(グループか何か)のリーダーを務めながらOrsaに住んだ後で…。
Leif:はい、Östbjörkaのある村に戻りました。ここからあまり離れていない、たぶん5kmくらいの森の中です。
そこで、私は「Görasbacke(ヨーラスバッケ。ヨーラスの坂)」という曲を作りました。これは、私が住んでいる場所の名前です。
Olle:今からそれを演奏します?
Leif:ええ、そう思いますよ。
Olle:ではそうしましょうか。
Pether:オーケイ。(※あえて冗談で”仕方ないな、やってやるか”的な嫌そうな表情をして言った後、笑顔になっている)
Perra:私たちにとっては新しい曲ですね。
⑬(52:28~)”Görasbacken” av Leif Göras(「ヨーラスバッケン」レイフ・ヨーラス作曲)
(56:14~)
Olle:「Görasbacken」でした。
さて皆さん、次は…。
Perra:これ以上まだ弾く元気はありますか?(笑)
(皆笑う)
とりあえずもう1曲、まだいけますかね。
(「もう1曲なら」と皆が頷く)
Olle:最後に演奏するのは…。
Perra:私たちの父を称える曲が良いかなと思いますよ。
Olle、あなたが作った曲です。
Olle:父が亡くなった時、この曲ができました。
その期間中(※悲しんでいる期間中)、この曲が頭にありましたので、曲が自然と出てきたような感じです。
父に捧げる曲です。
Perra:美しい花をたむけることができるというのは、いつも光栄なことですから。
Olle:悲しみのさなかに、このような長調の曲を書き上げるというのは不思議な感じがしますけれども。
Perra:きっと「明るい思い出」なんでしょう。父を思う時に出てくるものというのが。
(皆「そうだ」と頷く)
Olle:「Ceremonilåten(セレモニーローテン、セレモニーの曲)」です。
皆さん、楽しい演奏の時間をありがとうございました。
Perra:Orsaの人で、父のことを「ミース・プリームス(心地の良いランタン)」と呼んでいる人がいましたよ。良いなと思いました。
(皆が「それは良いね」と笑う)
(※ミースはたぶんmys(心地よいこと)、プリームスはキャンプなどのガスストーブやランタンの会社のPRIMUSだと思います。スウェーデンの燃焼器具ブランドだそうです)
⑭(57:24~)”Ceremonilåten” av Olle Moraeus(「セレモニーローテン(セレモニーの曲)」オッレ・モレウス作曲)
(皆で「ありがとう」とお互いに言い合って終了)
以上、Orsa spelmänのコンサートの和訳でした。
Perraが楽器を持ち替えたりしているせいか、訳している間はコンサートがあっという間に感じました。
あ、今回で終わりなんだ!と最後の曲になって気づきました(笑)
こうして色々な人の演奏とMCを聴いていると、それぞれに色々な方法があるのだな、というのが感じられておもしろいです。正解は無いんだなと思います。
今回のコンサートも見られて(聴けて)とても良かったです。
お読みいただき、ありがとうございました。