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「理想の音」の前にまずは「出せそうな音」を探す、のススメ。

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

8月に演奏動画とブログの更新をやめて、練習に集中できたことで、気付いたことがたくさんありました。

それを一つ一つここに書くのは困難なので、いつかまた動画や、実際の演奏で見て頂く機会があれば、ぜひ演奏を通して色々な変化を見て(聴いて)頂けると良いなと思います。

私自身、昨日より今日の音の方が好きだし、明日はより私の好きな音になれるのだろう、という気がしています。

こう書くと、なんだか「自分の音が大好きな人」みたいな感じがしますが、まだまだ課題は尽きません。できることを少しずつやっていきたいと思います。


さて、好きなことをしたり、好きなものにふれている時って、「本来の自分」でいられているような気がします。

私だけの話ではなく、誰もがそうなのではないかなと思うのですが。

だからこそ、身近なものをなるべく好きなものにしたり、好きな服を着たり、趣味を持ったりするのはすごく大切なことだと思います。

そして、その好きなことをしている最中に、「自分が嫌っている自分」というのが出てくる時もあると思います。

受け入れられない自分の欠点、克服したい課題。

その時に、その欠点や課題から逃げず、かといって戦いもせず、ただ向き合うことでたくさん成長することができる、と私は感じています。


ニッケルハルパで言うなら、例えば誰もが直面する難所の一つが「自分の音が汚いと感じる」というものです。

汚いという言い方以外にも、「すごく下手」とか、「全然ダメ」とか、「不器用」とか。言い方はたくさんあります。要するに自己嫌悪・自己批判です。

これに関しては、正直、「誰でも思うことなので、気にせず弾き続けてください」と私は思います。続けていたら、必ず上達しますので。

上達していることに本人が気付いていない場合がよくあって、そうするとモチベーションが下がってしまうようなのですが、続けていればとにかく必ず上達します。今すごく悩んでいることが、いつか簡単に乗り越えられるようになります。というかいつの間にか乗り越えています。

(ただ、そこで無理をしたり(無理して頑張って練習して嫌になってしまったり)、無理な体勢で弾くのはおすすめしません。無理が続くと長く続けられないので、無理の無い範囲で続けるのが良いです。途中に間が空いても良いし、定期的に弾く時間がとれなくても良いと、私は思います)


そしてそんな時に、私がひとつささやかにおすすめしたいのが、「理想の音を追求するのも良いのだけど、理想の音よりもまず『出せそうな音』を探してみてはどうか?」というものです。

一般的に、楽器を演奏していると「自分にとっての理想の音(目標の音)を見つけなさい」とよく言われます。楽器の音色というのは選択肢がたくさんあるので、その中でも特に「理想とする音」を設定することによって、自分の目指す音色の方向性がはっきりするからです。

ただ、理想の音に近づけようとするあまり自己批判が多くなってしまうケースもあるし、そもそも理想の音がなんなのかまだわからない(どの演奏も良いと思うけど選べない)という人も多いと思います。

そこで私がおすすめするのは、「とりあえずなんか良い感じで、しかもなんか『この音出せそうかも』、と思える音色のミュージシャンを探して真似してみる」です。

プロのミュージシャンでなくても良いのですが、ある程度のレベルの人で、かつ自分が「良いな」と思えるような演奏が良いと思います(自分があまり好きじゃない音の人は選ばない)。「理想の音かどうかはわからないけど、普通に良いなと思う、決して悪い演奏ではないと思う」というレベルのものです。

(ちなみに私のおすすめは、やはり本国スウェーデンの奏者のうちの誰かです。誰でも良いと思います)

「出せそうな音」と言っても、全部を全部真似する必要は無くて(それは無理)、「この音だけだったら似たような音色で出せそう」とか、「この曲だったら似ている雰囲気で弾けそう」みたいなものを探し出して、できる範囲で遊びながら気楽に真似するんです。


私の勘ですが、自分が「なんか出せそう」と思える音色を出す人の奏法って、音を聴いただけでなんとなく奏法が感覚的に思い浮かぶようなものが多い気がします。(それで実際やってみると、結構いける)

しかも、誰の音を「出しやすそう(真似しやすそう)」と感じるかって、たぶん人によって違うんです。AさんにはBさんの音色が出しやすいけど、CさんにはDさんの音色が出しやすそうだと感じる、とか。

音を出す時って、「イメージ」がすごく重要で、出す時のイメージ(弓・身体・音色のイメージなど)がはっきりしているとちゃんとその音が出ます。反対に、出したい音が出ない時はイメージができていません。

つまり「出しやすそうな音(真似しやすそうな音)」というのは、「自分の中でイメージがつきやすい音」なんだろうと思うんです。それは身体の使い方だったり、弓の使い方だったり、もしくは音の響くイメージだったり。

理想の音を追求する前に、まずはその「自分にとって出しやすい音・真似しやすい音」からスタートすることによって、無理の無い自然な音の出し方のコツが掴みやすくなるのではないか、と思います。

そうすると、遠回りなようでいて意外と、結果的に理想の音に早く近づける気がするんです。(どうにかこうにか上手く弾こうとして「無理」していた部分がなくなるので)

これは全部私の経験をもとにした、私の(妄想に近い)意見なのですが、あながちそんなに外れてもいないと思っています。


理想の音に近づこうとして、かえって無理してこじらせてる系の人(私のような、頑固で真面目で完璧主義な人)が意外と多いかも、と思っています。

案外答えは近くにあった(頑張りすぎずに普通に弾いたら良い音出た)、というパターンも結構あるのではないかと。

そしたら、もっと楽に良い音(自分の好きな音)が出せるようになる、と思います。

もしよければ試してみてください。