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【演奏しました】あらさん・織田さんとの「デュオデュオデュオ!vol.2」ありがとうございました!演奏報告と、デュオを通して感じたことなど。

/ ニッケルハルパ奏者

12月10日(土)に、カンテレ奏者のあらひろこさんと笛奏者の織田優子さんとのコンサートにて演奏しました!

告知ページはこちらです↓

【演奏情報】2022.12.10(土)17:00~「デュオデュオデュオ!vol.2 あらひろこ×峰村茜×織田優子コンサート」@レソノサウンド(巣鴨)※リハ動画追加しました(11/15)

当日は織田優子さん×私でのスウェーデン曲のデュオ、あらひろこさん×私でのフィンランド曲やあらさんの曲のデュオ、そしてあらさん×織田さんによるアイリッシュ曲のデュオ、各奏者のソロ、そして最後にトリオを、それぞれお聴きいただきました。

お越しくださった皆様、本当にありがとうございました!

上:終演後に撮っていただいた写真。下:リハ風景。


ここからは、私なりに解説などをまじえながら、お二人とのデュオを通して感じたことを書いていきます。

織田さんとのデュオ

織田さんとのデュオでは、Medelpad(メーデルパッド地方)やJämtland(イェムトランド地方)の曲などをお聴きいただきました。3連符が多い、とお話ししていた曲がこちらの地域のものです。地図の真ん中より少し上のあたりです。

(私がソロで演奏した曲はUppland(ウップランド地方)のもので、MedelpadやJämtlandよりも少し南の方に位置しています)

Lapp-Nils(ラップ・ニルス、1804-1870)という奏者のお話もしました。非常にたくさんの曲(特に3連符の曲)を伝えたフィドル奏者です。

今回は彼の名前がついている曲は演奏しませんでしたが、例えば私達が最初に演奏しましたHaverö(ハーヴェロー)の2曲、これらを伝えたのがAndreas LångとPer Jonas LångというLång(ロング)兄弟だそうですが、彼らの父親”Lång-Ante(通称ロング・アンテ、本名Anders Andersson Lång)”はLapp-Nilsと一緒によく演奏していたそうです。(情報元はhttp://old.murberget.se/upptack/minnespost.aspx?regnr=11310より)

告知した時の動画の1曲目と3曲目がHaveröの曲です。2曲目はJämtlandの曲で、こちらも3連符です。

また、織田さんがお話によく出されていたGöran Månsson(ヨーラン・モンソン)がこちら↓の方で、織田さんとGöranのデュオ動画がこちらです。私達も演奏した、木の笛のワルツです。素敵です!

あと、「ワークショップでたくさん弾いたけど1曲だけほっとできる曲があって…」という織田さんのお話に出てきたMats Berglund(マッツ・ベルイルンド)はこちらの方です。がしがしと弾いているイメージです。ご本人の存在感のせいか弓が短く見えます。

織田さんとのデュオは、織田さんが持ってきてくださった曲や動画で演奏されている曲を、アレンジを二人でゼロから考えながら作りました。熊のダンス(Björndansen)は特にそうです。

ニッケルハルパと笛のデュオで、何の音をどう演奏したら効果的になるのか?というのを、試行錯誤しながら考えました。

あらさんとのデュオ

また、あらさんとのデュオは、あらさんがCDやコンサートで演奏されている曲の中から二人で合わせてみて、私がやりたいと思ったものや二人で弾いてみて良さそうなものを選びました。例えばこちらです。

どれも本当に素敵です。また、最後に3人で合わせた曲のひとつも、こちらです。

あらさんとのデュオも、あらさんお一人で演奏していてすでに美しくて完成されているところに、私がどう入っていけばいいのだろうか?というのをずっと考えながら準備していました。

お二人とのデュオを通して感じたこと

織田さんとのデュオも、あらさんとのデュオも、普段私がニッケルハルパやフィドルの人と一緒に演奏している時のようなアレンジをそのまま試しても、全然効果的ではないのだ…ということに、早い段階(リハ1回目)で気が付きました。

そこから、「それぞれの楽器や相手の魅力が効果的に聴こえるために、私はニッケルハルパで何をしたらいいだろう?」というのを考え始めました。

弾く音のチョイスだけでなく、音域(相手と同じ音域にした方がいいか/ずらした方がいいか)、音の出し方、音を出すタイミング(相手と同時に入った方がいいか/ずらした方がいいか)、音の伸ばし方や切り方や、曲の持っていき方など。

楽器と、それを演奏する人とで、それぞれの魅力や、音色がお客さんに与える時間の感覚みたいなものが違うので、どう絡むかで全体の印象が大きく変わります。

相手が曲に与えている影響を私が殺してしまわないように、むしろお互いが活きるようにどうしたらいいのかを考えました。

(もちろん、そんなに深く考えずに絡んでも全然いいとは思うのですが)

お二人それぞれとの最初のリハから、次のリハ/本番までは少し時間があったので、その間にリハの録音を聴きながら色々考えて、リハでさらに試して、さらにその録音を聴いて…というのを繰り返しながら、私なりに「こうしよう」と思うものを持ち、コンサート当日を迎えました。

これまでのデュオでは、演奏する音(アレンジで何を弾くか)を全て決めてのぞんでいたのですが(決めないと不安でした)、今回はかっちり決めたアレンジ部以外は、選択肢のようなものをいくつか用意しておいて、その場の流れの中で音を出す、というようにしました。

お二人がそういう感じだったので、その方がうまくいくと思ったからです。

いかがでしたでしょうか。

それぞれの楽器や、音楽の魅力が伝わっていましたら嬉しいです。

お越しくださった皆様、関係者の皆様、ありがとうございました!!

補足:自分のソロの参考動画・音源

ちなみに私がソロで演奏した曲はこちらの3曲です。私の演奏動画ではありませんが、参考にしている動画を演奏した順番に載せます。

1.「Polska efter Gustav Strutz (Strutz-Gustaf)」

Olov Johanssonから学んだ曲(正確には個人レッスンで動画だけ撮らせてもらってあとは自主練)ですが、Josefina Paulsonの演奏とOlovの演奏を両方参考にして、かつ最終的には私の解釈で(=自由に)弾いています。JosefinaもOlovから習った曲だとのことですが、両氏それぞれの弾き方が違っていてとてもいいなと思います。

2.「Trollrikepolskan」Eric Sahlström作曲。途中から音と映像が連動していませんが、本人の動画です。

3.「Julaftonsvalsen」”クリスマスイブのワルツ”です。この時になまはげの話もしました。

お読みいただき、ありがとうございました!