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曲の覚え方の変化

/ スウェーデンの民族楽器「ニッケルハルパ」奏者

曲の覚え方は人それぞれです。音(ドレミ)から覚える人もいれば、ニッケルハルパなら手や指(キー)の位置から覚える人もいます。

私は音から入るタイプですが、時とともに曲の覚え方も変化してきました。


最初の頃はどこの位置のキーが何の音なのかが全くわかっていなかったので、まずメロディを音で覚えつつ、キーの位置を一つ一つ目で確認しながら弾いていました。間違えないように細心の注意を払って弾いていた記憶があります。音に少しずつ慣れてきたらボーイング(弓の上下の動かし方)も見るようにしました。ボーイングも本当は曲の種類ごとにパターンがあるので、パターンをこなしつつ例外的なところだけ覚えればいいのですが、最初はパターン通りに動かすこともできなかったので一音一音ボーイングも頭で考えて努力して覚えていた気がします。1のことをやるのに10以上の労力を使うという感じでした。

それから2年半後に留学したのですが、覚えるペースは多少早くなったものの、その頃もまだ覚え方に変化はありませんでした。とにかく音を聴いて覚えて、それを指に位置も確認しつつ弾き、最後にボーイングも見るという感じでした。


留学半ば、つまり最初に楽器を始めてから3年くらい経った頃から、曲の覚え方が少し変化しました。最初にメロディを聴く際にあまり一つ一つの音に集中しなくなり、代わりに先生のボーイングの感じ(弓の長さとスピード、緩急)と、曲の流れや雰囲気に気を配るようになりました。フィドルの曲は特にそうなのですが、曲によって弓の使い方が結構違うので、その特徴を先に掴んでおいた方が音も入ってきやすいように感じました(私はフィドルの曲もニッケルハルパで弾きます)。ニッケルハルパの場合も、どこに曲のポイントがあるのか(曲を波で例えるなら、どこが盛り上がってどこが落ち着いているのかなど)を気にしながら聴いていました。

反対に、「地域の特徴」や「曲の波」みたいなものにあまりこだわらなずに「まっすぐな演奏」をする先生の教える曲は、実はちょっと入ってきにくかったんです。私の好みの問題もあったかもしれません。ただきれいにまっすぐに弾かれると曲がただの音の羅列みたいに思えてしまって、覚える取っ掛かりが無かったんです。演奏として聴くだけならきれいで素晴らしいのですが。

たぶんちょっと個性的で主張のある演奏の方が、私の好みなのでしょうね。

ちなみに「弓の使い方が違う」というのは、例えばスーッと弓全体をなめらかに使う時もあれば、クイックイッと短く使う時もあり、かと思えばいきなりグインっと大きく突っ込んでいく時もあったりして、それが曲のリズムや遊び感を出しています。

フィドルに比べてニッケルハルパの曲は地域が限られているし、弓全体を使うような弾き方が多いので、そこまで大きな違いは出ないように思います。ニッケルハルパの曲の場合は、どちらかというと「ニッケルハルパらしい音色を出すためのボーイング」という感じがします。


そして今はというと、この留学中の覚え方の延長線上にいます。「曲を覚えなきゃ」「正しい音を弾かなきゃ」という思いよりも、なんとなく雰囲気を感じたり好きなポイントを見つけることに意識が向いているように思います(その方が私にとっては覚えやすいようです)。音は間違えてもいいし、別にすぐに覚えなくてもいいかなとも思っています。そしていざ自分が楽器を手に取って弾く前に、その新しい曲を聴いたり、奏者の演奏を見たりするという準備段階を結構大切にしています。

また、今までずっと音(メロディの流れ)で曲を覚えてきたのですが、昨日Olov Johanssonの動画を見てからは「フレーズや音のまとまり毎に、手全体の形や感覚でまるごと覚える」というのも良いなと思いました。音一つ一つを追っていると今音を出しているキーの指1本1本に意識がいってしまい、弾いていないその他の指がよく宙ぶらりんになっていたんです。それが結構ムダな動きになっていたことに気が付きました。左手と右手はそれぞれに影響しあっているので、左手が安定して無駄な動きがなくなってくると右手も心地よくなります。


曲の覚え方は人によって合う方法が違うと思うので、私の方法が全く参考にならない方もいらっしゃると思います。常に自分に合う方法を取り入れていってください。

ただ、こうして変化するというのは「なんだかおもしろいな」と思ったので、書いてみました。昨日のブログがとっちらかっていた気がするので、今日は落ち着いた気分で書きました笑。

今日もお読みいただきありがとうございます!明日もニッケルハルパ教室頑張ります!