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10日間のスウェーデン滞在記録と、改めて感じたこと

/ ニッケルハルパ奏者

2/10〜2/21までスウェーデン(ストックホルム・ウプサラ)に行っていました。目的は留学していた学校(Eric Sahlström Institut, 通称ESI)のåterträff(ホームカミングのようなもの。卒業生が皆来られるイベントで、ワークショップやコンサート、ダンスなどに参加できる)に行くことでしたが、それだけではもったいないので他にも色々してきました。
具体的には、

・現地のミュージシャンに直接プライベートレッスンをお願いする(Olov Johansson氏Ditte Andersson氏にお願いしました)

・私の楽器を製作してくれたBosse Nilsson氏に会いに行き楽器の調整をしてもらう

・同じ学校に今現在留学中の日本人の友人2人に会いに行き、一緒に弾く

・他にも知り合いや一緒に弾きたい人に連絡を取り、会いに行く

予定の空いた日も、友人と弾いたり、ストックホルムでのセッションに参加しました。例えば、

①Gamla Stanにある”Sjätte Tunnan”(中世をテーマにしたバー)でのセッション、毎週火曜日19時~、参加費無料

②”Skeppis”SkeppsholmenのFolkmusikhusetで行われている。セッション・ワークショップ・ダンスなど色々なアクティビティに参加できる。毎週日曜日の夜、参加費無料

今回の滞在で良かったのは、

・知らない人との大人数でのセッション(→知らない人と弾ける、知らない曲を弾ける)

・プライベートレッスン(→自分の技術向上のために学べる)

・友人や知り合いと2~3人で弾く(→相手の音を聴き丁寧に合わせられる、変化を楽しみながら弾ける)

をバランス良くできたことでした。

特にプライベートレッスンでは、OlovとDitteがそれぞれ去年の授業中に言っていたことが、もっと深く理解できました…。言語の問題ではなく、私の耳がよりよく音の響きを聴き分けられるようになったからだと思います。

本人達の言っていることが本人達の実際の演奏の中によく表れていたし、自分の演奏にはそこが足りないのだということがよくわかり嬉しかったです。「足りないとわかって嬉しかった」というもの変かもしれませんが、一番辛いのは「何が悪いのか」がわからないこと。「何が足りなくてどうしたら良くなるのか」という課題が以前より具体的に見えて、嬉しかったです。また頑張ろうと思いました。


2019年6月に帰国してから半年間東京で頑張ってみて、実は色々モヤモヤしていた部分がありました。今回の滞在で色々な人に相談し、具体的にたくさんアドバイスももらったし、何より私の状況をすぐに理解し共感してくれたことに励まされました。

そこで一つ気付いたことがありました。今までモヤモヤしていたことの根源にある自分の気持ちです。

私はスウェーデンの民族音楽が好きで、ニッケルハルパが好きです(フィドルも好き)。これらは私にとって、《収穫したての野菜》のようなものです。

そのままで食べるのが一番おいしい。

ニッケルハルパで他ジャンルの音楽をやるのを否定するつもりは全くありません。私も弾く時あります。また、スウェーデンの曲を、メロディだけ取り上げて全く別のリズムやアレンジで弾くのも全く否定しません。それも、私もやる時あります。ポップス風とか、クラシック風とか、ジャズ風とか。どんな料理にも合う素材です。ニッケルハルパの可能性は無限大だし、スウェーデン民族音楽の独特のメロディは新鮮に感じられることでしょう。

でも…スウェーデンの民族音楽そのものまるごとを一度受け取ってみて欲しいし、味わってみて欲しいと思うのです。最初は味わい方がわからないかもしれない。楽しみ方を説明していく必要はある。でも、スウェーデンの民族音楽を「○○音楽っぽい」「○○にも使えそう」という、知っている身近な何かの音楽に引き合わせて考えるのだけではなく、そのものの魅力をもっと伝えたい。

こんなに美しくて、力強くて、楽しい音楽があるということを日本でも伝えられるよう、私はもっと上手くなりたいです。目の前で弾いている人の説得力は、録音や録画にはるかに勝るということを、自分もよく知っているので。
スウェーデン民族音楽の奥深さと、自分の気持ちに改めて気付けた11日間でした。

お読みいただきありがとうございます。