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ワルツのリズム、弾き方について

/ ニッケルハルパ奏者

ワルツについて考えた

最近、ワルツについて見直す機会がありました。

ワルツはスウェーデンの音楽以外にも登場しますが、おそらくその音楽ジャンルによって(もしくは国や地域によって)、ワルツのリズムの特徴もまた変わってくるのではないか、と思います。

スウェーデンの場合は、ワルツのリズムは「1拍目が重い」「1拍目に重点が置かれている」といった説明のされ方をされます。

「1(強・重)、2(弱・軽)、3(弱・軽)」です。

ただ、私はこの説明だけではよくわからないなあ…と思っていて、実際にわかってもいなかったので、ワルツを弾くのが苦手でした。

そんな私でも、曲によっては、メロディが自然とこのリズムを導いてくれるものもありました。例えば

1拍目だけが高い音で2・3拍目が低い音だったり、

1拍目が四分音符で2・3拍目が八分音符(→タン・タカ・タカ)だったりすると、

ワルツのリズムがわかっていなくてもなんとなくワルツっぽく弾けたりします。

でもそれでは自分が弾けないのが誤魔化されているだけで、メロディに助けてもらっているに過ぎません。

上記の音型ではないメロディの曲で、ワルツっぽく弾くためにはどうしたらいいか、録音を繰り返しながら考えました。

最初の原則が基本

結果的に感じたのは、最初に書いた原則「1(強・重)、2(弱・軽)、3(弱・軽)」がまずはやはり基本だということでした。

私がワルツっぽく弾けないと思っていた曲は、メロディの雰囲気に流されて、私自身がこの原則を無視して弾いてしまっていました

例えばメロディが「ド(1拍目)・ミ(2)・ソ(3)・ド―ー(1・2)」という上がっていくメロディだった場合に、1音1音をなめらかに繋げながら音が上がるにしたがって軽く「<」をしたくなります。(←メロディに流された弾き方)

でもそこであえて「ド(強・重)・ミ(弱・軽)・ソ(弱・軽)」と弾きます。

これは実際に弾く時には、弓を使う部分の長さで調節することも有効なので、

「ド(強・重・弓長い)・ミ(弱・軽・弓短い)・ソ(弱・軽・弓短い)」

となります。

これは、慣れていないと弾いていて変な感じがするかもしれません。私はしました。でも録音して聴いてみると、こちらの方が断然ワルツっぽくなっていることに気が付きます。

(昨日「私は弾く時にたくさんの思い込みがあって、しかも思い込みが間違っていた」ということを書きましたが、↑などはまさに思い込みの一つで、自分で「こう弾いた方が良いだろう」と思っている弾き方(水色の部分)がそもそも×だった、という例の一つです。弾いている自分が良かれと思ってやることと、実際に聞こえてくるメロディとの間にずれがあるので、そのずれを修正していけば、少しずつやりたい音楽に近づけるのかなと思います)

他にも感じたこと

また、上記の原則(①)以外にも感じたことがあります。


②「1・2・3拍目はどれも歯切れよく音をスタートさせる。が、音自体は切らない(軽い拍も、スタッカートのように弓を弦から離すことはしない)」

※スタッカートっぽく弾きたい部分はgungstråkのテクニックを使う。

③「1つの拍の中で弓の強弱(圧力)を変える。(私は)八分音符で『強・弱』と感じながら弾く。弓の動きとしてもそれが見えるくらい」←これがgungstråk

④「1拍目は拍としては重くはあるが、音は軽くスッと弾く。音が長くても圧力をかけ続けることはしない。べたっと弾かない。でも切りもしない」

⑤「2・3拍目は拍として軽くはあるが、音の雰囲気としては少し落ち着いたマットな雰囲気を残す」


②・③で書いたgungstråk(言い方複数あり)というのはスウェーデン音楽で非常によく使うテクニックで、弓の動かし方のことですが、1拍(弓一振り)の間に圧力のかけ方を変えるような弾き方です。移弦の時のジグザグのボーイングを、そのまま同じ弦上で使うようなものです(動きは移弦のような動きだけど弦は同じまま)。説明が上手くできず、すみません。これはワルツだけではなく、ポルスカでも行進曲でもショッティスでも、なんにでも使います。リズムの歯切れがよくなります。

意識しながら1曲ずつ練習

といったことを意識しながら、あとはひたすら1曲ずつ練習かなと思います。

練習時は、録音して聴くのが早いです。できてないな、ダメだな…と悩んでいても時間が過ぎていくので、まずは1周だけ弾いて録音して聴くのが良いかなと思います。

録音を聴くまでもなくできていないと思う部分は、もちろん録音せずに何回か練習します。が、その時にできていないところばかりに注目せず、練習し始めた時の弾き方と比べて、できるようになったところに注目しながら練習してみてください。そうすると、色々なことに気が付くと思います。

以上、ワルツについて考えたことでした。

私自身もまた違う原則を発見したり、考え方が変わることもあると思いますが、現時点で感じたことが、何かの参考になりましたら幸いです。